両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナの食餌行動学のような話 その2

 元々日本固有種としてのフナには、いわゆるマブナと称されるキンブナ類としてキンブナギンブナオオキンブナニゴロブナナガブナの5種とゲンゴロウブナがいます。
 フナ寿司で利用されるフナはニゴロブナです。特にメスが珍重されているのですが、漁獲量も少なくとても高価になっています。その為に比較的手に入りやすいヒワラが使われているのですが、より安いヘラブナも利用されるようになってきました。
 しかしフナには他の種ではあり得ないほどの同種間に違いがあるのです。


 フナと一言で表現出来るほど簡単な種ではなくて、フナの中で特に面白い種にギンブナがいます。ギンブナはオスの精子を必要としないのです。メスだけで子孫を残していることになるのですが、実は、ギンブナにはオスが存在しないのです。そこでその昔までは、他のフナ類のオスと受精すると考えられていました。
 しかし、研究が進むにつれて他のフナとの受精をしているのではなく、メスだけで受精卵的な卵を産んいることがわかりました。
 ではとうして他のフナ類のオスと受精していると思われたのか。それは他のフナの産卵行動を起こしているときに、同じ場所で時期を合わせてギンブナも産卵しているからです。
 研究でわかったことは、ギンブナが産卵するには他のフナの精子の刺激が必要だとわかってきました。つまり同種のフナの精子が単なるスイッチ的役割となって受精卵的な卵を産む事がわかりました。メスだけでの産卵行動を雌性発生と表現します。
 ギンブナは、本来の固定種ではなくキンブナとオオキンブナなどの雑種と考えられています。異種間の雑種で染色体数が3倍体のため本来は子孫が出来ないのですが、メスだけで子孫を残せるようになっているようで自然は不思議ですね。


 釣りには全く関係ない話になってしまいましたが(笑)、ではゲンゴロウブナと他のキンフナ類と何が違うのか。


 キンブナ類の食性は基本水生昆虫食です。小川で赤虫を餌に小鮒を釣った経験があると思いますが、イトメやミミズにヒル、小型の貝類などを捕食しています。これを底生食といいます。付着藻類も食べているようですが、水中の底生動物食の方が強いようです。ギンブナは雑食性で何でも食べてしまうようです。
 ゲンゴロウブナは、幼魚の間は動物性プランクトンを食し、その後付着藻類を飽食しだし成魚では植物性プランクトンを食するようになるとされています。
 フナ釣りといえば赤虫やミミズでしたので、その頃の琵琶湖界隈では、ゲンゴロウブナは釣れない魚とされていました。
 ゲンゴロウブナが植物性食との理解がされる前の話です。


 フナ釣り以外に鯉釣りも盛んに行われていました。初めの頃は鯉釣りにはサツマイモが利用されていました。鯉釣りでは、サツマイモを新聞やタオル巻いて、柔らかく茹でてサイコロ状にカットして針に刺して釣っていましたが、それから徐々に改良されて芋を練って団子にする方法が考えられて行くのですが、鯉を目的の団子では、芋が面倒なのでさなぎ粉と小麦粉を混ぜて団子にする方法も考えられていくのですが、芋だけで団子にした餌にゲンゴロウブナが食いついてくる事があったのです。
 余談ですが、米ぬかも利用されました。今でも撒き餌に利用される方もいるようですが、糠を使う場合は必ず煎ることです。これだけは必須と言えますが煎ることで成分の変化が起きるためですが、それはまたの機会で・・・


 ゲンゴロウブナは芋団子で釣れることがわかり、また植物性食との知識が広まることでサツマイモより手軽な業務用でコロッケなどを作る原料として売られている、ジャガイモのマッシュポテトを使って釣るようになっていきます。
 ところでゲンゴロウブナの改良品種がヘラブナとされています。外形も似ているのですが、一番似ていたのが鰓耙(サイハ)の数です。他のフナより圧倒的に多くて長いのです。
 ただ改良品種とするなら誰がどのように何を改良したのか、詳しい方がおられたら教えて欲しいのですが、ゲンゴロウブナとヘラブナの差はどこにあるのでしょう。また何のためにゲンゴロウブナをヘラブナに改良する必要があったのか。
 個人的には全くの同種だと思っているのですが、成長速度もゲンゴロウとの差はないようです。琵琶湖での呼び名にヒワラという鮒がいますが、これは実はギンブナのことです。
 大阪の河内地方で養殖されるようになります、それがヘラブナの原型であるところのカワチブナです。品種としてのカワチブナではなく、養殖されている地方名が付いたフナです。ただフナは雑種が出来やすいのか、今見る金魚の原型は全てフナです。背ビレのないランチュウや出目金、三尾の和金も全てフナですからフナの同定はとても難しいのです。
 ヘラブナの世界でも鯉ブナなんて表現もあるようで訳がわからないですよね。


 さて、ヘラブナの鰓耙の数をみて余計に植物性食との思いが固定されていくことになります。釣り人の多くは植物性食だと思っているはずです。それは1つの真理でもあるのですが、真理は1つと限らないのです。
 マッシュやグルテンにイモと植物性の餌を現実に使っていますが、だから植物性食に間違いないのです。ですがもしある一定の粒の粗さをも飽食することが出来るのであれば、切れた藻類、水面に落ちた葉も飽食するはずでが、全く食べないのです。間違って食べても直ぐにはき出してしまいます。つまり葉や藻は食べるものではないと判断しているから吐き出します。それでも植物性食と言えるのでしょうか。
 もっと言えば、水中には決してないジャガイモの粉末であるマッシュポテトは、産まれて1度として出会ったことがないはずの物質です。


 以前このブログで、イクラなど食べたことも見たこともないイワナやアマゴがイクラで釣れる事実。南氷洋にいるオキアミなど出会ったことがない日本近海の魚が、撒かれたオキアミを狂ったように飽食する姿を見たことあるでしょう。鯛やハマチなど多数の魚がオキアミで釣れる事実をどのように説明できるでしょう。
 チヌ(黒鯛)釣りの餌としても今ではオキアミを使いますが、餌取りが多い時期は生サナギの粒をそのまま針に挿して釣ります。どうしてサナギで釣れるのかと疑問に思っていましたが、まことしやかに養蚕場が上流にアリ、絹を取った後のサナギを川に流していたからとか、静岡ではスイカで釣れるのは海にスイカを流しているからだとか言われていました。今は缶詰のコーンまで使っていますよね。
 ですが考えてみて下さい。環境問題が喧しい昨今で産業廃棄物を川に流すわけがないのです。まして今年生まれた当歳魚ですら食ってくるのですから、学習によって食ってくるわけではないことがわかります。


 私は肉食の熱帯魚を飼っていたことがあります。常食は小赤と称する小さな金魚が餌でした。夜店に出てる金魚すくいのあの金魚が小赤と称されて売られている餌金ですが、金魚ばかり与えていると餌代が高く付いて仕方がないので、乾燥したオキアミを与えていました。乾燥したエビよりよく食べていました。
 淡水の熱帯地方に住んでいる川魚がオキアミを食べる不思議はどのように説明が出来るでしょう。
 つまり今何を食べているから何性食と断定するのはおかしいことになってきます。


 実はその答えがもう出ているのです


 餌と認識するのは全てアミノ酸によるものです


 それは日常飽食している餌、たとえばゴカイを食べるキスだとしたら、ゴカイに含まれているアミノ酸を添加してやれば輪ゴムでも食べてしまいます。
 イワナがイクラを補食するのは、川虫と同じアミノ酸がイクラに含まれているからです。
 鯛がオキアミを食べるのは、鯛の好む海老や貝と同じアミノ酸が含まれているからです。


 つまり魚類の食性はアミノ酸の違いで飽食できる餌かどうかを判断しているのです


 見た目の形や動きで判断しているわけでもなく、匂いに分類されるアミノ酸で判断しているのは、ヘラブナも同じ事で、マッシュだから食べるのではなく、グルテンだから食べるのでもないのです。
 もしマッシュポテトが好餌だとするなら、何も添加しなくても爆釣するはずですが、今ではマッシュだけで釣れてくることは殆どありませんね。
 釣餌メーカーはその点を理解していますので、いろいろなアミノ酸を添加してヘラブナの好むであろう餌を研究しているのです。反対にバニラの香りやガーリック臭など、人が美味しそうと感じる匂いを付けていますが、これらは釣果に影響しないのです。
 素人がスーパーでマッシュポテトを買ってきて、バニラやガーリックにカレー粉などを混ぜて作っても、メーカーの作る餌に対抗できるマッシュ系の餌を作ることは不可能に近いのです。


 つまり、植物性食だからマッシュポテトで釣れるのではなく、含まれているアミノ酸がヘラブナにとって飽食できるか判断されているだけです。
 事実マッシュよりサナギ粉の方が寄りが良くないですか?浮いて仕方ないですが(笑)
 マッシュより魚粉が配合されているペレット系の方が寄りは良くないですか?


 サナギや魚粉に強く反応を示すのに、それでもヘラブナは植物性プランクトンを食べる植物性食と言えるでしょうか。
 反対にペレットを食べるから動物性食とも言えないのです。


 養殖業者が魚をより早く成長させたいがために、食性にかかわらず魚粉を与えているのです。つまりヘラブナは植物性食でありながら動物性の餌を与えられていることになります。
 一時問題になったのは、草食性の牛の飼料に同種である牛の肉骨粉を与えて成長促進させていた事がありました。狂牛病の温床となっていますが、ヘラブナにも成長促進のために植物プランクトン食であっても魚粉を与えて成長を促しますが、慣れた餌の匂いでペレット系で釣れるのですが、ペレットの魚粉に反応しているのではなく、ペレットに含まれているアミノ酸に反応しているのです。同時にペレットの魚粉率は高くて50%程度です。他は小麦粉やフスマなどの植物性が利用されていますが、ペレットの匂いを学習しているためにヘラブナの寄りが良いことになります。
 また淡水用養殖餌としてのペレットには数種類あります。魚粉率が30%台から60%近くまでと多数あるのですが、魚粉率が高いほどヘラブナの反応が高いとの事はないのです。
 釣り餌としてペレット系が売られていますが、見た目で魚粉率が高いか低いかは、色の濃さにあります。茶色が濃いほど魚粉が多く、薄いほど小麦粉などの植物性が多いので、それをみて魚粉の多さで餌を選ぶ事が出来ます。


 もし同じアミノ酸を添加しているためだとすると、ペレット系よりグルテン系やマッシュや麩の方が良く釣れると私は思っています。


 それはヘラブナが食べやすいように水中部分散するからと思うのですが、鯉の場合は咽頭歯があるので、堅いペレットでも平気で食べられるのですが、ヘラブナにはありませんので堅いペレットは食べにくいのです。


 両うどんの場合も、うどんで釣れるのはまぶし粉のアミノ酸が付着してヘラブナを誘因するからで、浮遊するまぶし粉がなくなってから、まぶし粉が剥がれたうどんを食ってくるのだと思うのですが、なんで食べてくれるのか不思議ではあります(笑)。
 まぁあくまでも個人的に想像しているだけです(笑)


 最後にアミノ酸といえば味の素を思い浮かべるでしょうが、味の素の主成分はグルタミン酸ナトリウムです。残念ながらグルタミン酸ナトリウムが含んでいる餌は自然界には存在しないので、味の素を添加してもヘラブナは釣れません。
 海の魚では、イカに味の素を振りかけると良く釣れたとの話はありますが、実はイカそのものに多量のアミノ酸が含まれているのであって味の素のグルタミン酸の影響ではないのです。


 ということで、いつものように答えのようで答えでない話でした、チャンチャン

 ヘラブナ釣りの板オモリのお話 仕掛け作り 2

 ヘラブナ釣りに必要な道具として誰しも注意深く考えるもとしては、道糸やハリスでしょうし、針も重要な道具には間違いないですね。
 でも、オモリについて考えたことがあるでしょうか。子供の頃に池や川で釣りをしていたのですが、その頃はオモリのことをシズと呼んでいました。どんな呼び方が正解かは知りませんが、オモリや鉛なんていうよりシズと表現した方が私にはピンときてしまいます。海の一本釣り漁師の間では、ビシとの表現も使われていましたので、語源は同じかも知れないですが、ヘラブナの世界ではシズと表現しないのでしょうか。
 基本ヘラ浮きの調整に便利な板オモリを使いますので、板シズなんて表現は聞いたことがないので、ヘラブナ釣り師の間では使わない表現なんでしょうね。


 さて、その板オモリについてですが、釣具店で何の気なしに買ってはいないでしょうか。いやその昔のような極細の道糸を使っていた頃は、板オモリそのものより巻き方に苦心されていたことでしょう。
 ちり紙を芯に巻いて道糸を傷つけないようにしていた記憶がありますし、板オモリの裏側に紙を貼り付けたものが売られていました。これは今でもあるのでしょうか。
 また表面にギザギザを付けて滑りにくい加工がされている板オモリも売られていますが、一般的な板オモリそのものにも厚みの違いがあります。
 0.2mm、0.25mm、0.3mmと厚みの差があったり、巾の違いも多数あります。
 どれをどのように使っているでしょう。
 案外、無頓着に買ってきて、単に浮きの調整さえ出来ればそれで良いと、板オモリの重要性を気に留められていないのではないでしょうか。


 板オモリを選ぶ基準に順番を着けるとするなら
  1.巻きやすいこと
  2.解けにくいこと
  3.オモリの調整がしやすいこと


 第1の巻きやすい板オモリは、薄くて柔らかい事となります。ですが、薄くて柔らかい板オモリを使う場合は、余りオモリを背負わない浮きを使う場合に限られます。
 反対にオモリを背負う浮きに薄くて柔らかい板オモリを巻くと何重にも巻くことになってしまい、水の抵抗を受けるので空合わせをすると直ぐに解けてしまいます。


 2番目の解けにくい板オモリとは、オモリそのものに滑り止めなどの加工をしているもの、または厚みがあるものとなります。
 個人的には、加工がしている板オモリは比較的高価なので使っていませんが、厚みのある板オモリを使うと解けにくくなります。同時に厚みがあれば沢山巻かなくても重さがありますので、余計に解けにくくなります。
 なんたって空合わせ毎にまき直す動作も面倒ですから解けにくいものが良いと思っています。


 3番目のオモリの調整がしやすい板オモリとは、やはり厚みが薄めの板オモリか幅の狭い板オモリでしょう。1㎜以下のカットで調整するのは至難の業ですから、もう少し厚くカットしても大丈夫な板オモリが適しているでしょう。
 歳と共に目が見えなくなってきていますので、このカットはとても面倒な作業となりつつあります。


 ただここに来て板オモリではなくてシンカーなるものが出てきているのです。


 板オモリは基本使い捨てです。何度も使っていると弱くなってしまい簡単に解けてしまいます。また端がギザギザと割れてきてやはり使えなくなってしまいます。
 鉛は誰しも知っているように有毒です。管理池なら良いというものではなく、公害に手を貸すようなポイ捨ては決してしてはならないことです。
 となると再利用が可能なシンカー(オモリのこと)を使うのも方法ではないでしょうか。シンカーだけでは最終調整が難しいので、補助的に板オモリで調整する方法を採ると、環境にも優しく例え安い板オモリといえども懐に優しくなるというものです。
 ただシンカーそのものが少しばかり高価でから、高切れを起こすとなかなか痛いのですが、高価な浮きのことを思えば安いものです。


 そしてシンカーの利点がもう一つ、それはハリスが絡みにくくなることです。
 シンカーにはある一定の幅がありますので、沈下途中にハリスが絡みにくい仕掛けが出来あがります。


 最後にもう一つ、それは板オモリをどこに巻いているでしょうか
 そんなのハリスの連結に決まっているとの声が聞こえてきますが、それはどうしてでしょう。どうしてハリスとの連結部分にオモリを巻くのですか。
 その昔は、チチワで道糸とハリスを連結していましたが、その部分にシズを取り付けるとズレない事と糸が2重になっているので丈夫なためでしたが、ヘラブナの世界ではどうしてハリスの連結部分なんでしょう。


 よくハリスを長く伸ばすとか短く縮めるとか、釣りないときの対策をしていると思うのですが、それは板オモリの位置で仕掛けがくの字に曲がってしまうから、その下のハリスの長さを調整していると思うのですが、もし板オモリの位置を上げたり下げたりしたとしたら、それはハリスを伸ばしたり短くしたのと同じ現象が起きていると思いますが如何でしょう。
 もしハリス調整と同じ現象が水中で起きていたとしたら、こんな簡単な方法はないと思うのです。
 ただシンカーの種類によっては調整がきかないのですが、ハリスの長さを調整する前に1度板オモリの位置を上げてみては如何でしょう。
 感覚でしかありませんが、キットハリスを伸ばしたことと同じはずです。ただ長短同時に延ばしたり短くした事になります。つまり段差の調整は出来ませんので段差調整以外でのハリスの長短には試す価値があると思っています。


 滋賀県の清風池のように、道糸とハリスの連結部分に板オモリを巻く事と規定されている場合がありますので自己責任で宜しく

 雨の日の釣行に備えることは

 今週は、全般的に雨が多い週になりそうで、日曜釣り師としては日曜日だけは雨になって欲しくないのですが、テント生活は全くの苦手な私としては雨の釣行は遠慮したいと思いながらもいそいそと出かけるのであります。


 雨の日の釣りとしては、何となくの記憶でしかないのですが、雨によって酸素が供給され、同時に低気圧のために水圧が弱まり海川共に活性が上がり良く釣れる。との通説があるのですがこれは本当なのでしょうか。
 私が過去に釣った淀の釣り天狗池での最長寸が48.3㎝だったのですが、それを釣り上げた日は雨でした。ですが雨の日に良く釣れたという記憶はなく、唯一この最長寸を釣った記憶しかないのです。
 雨の日の釣行は嫌いであったとしても少なくなく、それなりの釣行回数となっているのですが、雨になってまたは低気圧が近づいて水圧が下がった曇りの日だとしても、日頃の釣果より良いと感じないのです。
 これはいったいどうしたことでしょう。何となく語り継がれてきた雨の日は良く釣れるは嘘なのでしょうか。


 雨の日は良く釣れる説を裏付けるための物語


 先ず、魚にとって一番の警戒すべき対象は鳥です。
 基本的に雨降る空を舞う鳥は少なく、空に対する警戒心を解くことが出来るので活発に動く事が出来るわけです。
 魚が活発に動く理由としては、恋人を探すことと餌を食うことしかありません。一時も食いっぱくれがないように良質の餌を求めて動き続けています。その為に餌を撒くと我先に寄ってくるのですが、その時空を舞う鳥がいたとすると警戒して水深の深いところでじっとしてしまいます。


 次に、釣り堀であれば釣り人に対する警戒が解ける。
 日々釣り人から責められ続けいるのですから釣り人を警戒するのは当たり前でしょう。それが雨の日は水上の景色が見えなくなり、人を認識することは極端に減ってしまいます。当然警戒心は緩むに違いないのですが、同時に雨の日の釣り人は減ってしまいますので、余計に警戒心が解けて良く餌を食うと考えられます。


 次に、薄明かりが警戒心を解く。
 いつもいつも警戒している魚たちにとって薄暗いことは絶対的に警戒を解いてしまいます。これはヘラブナだけの世界ではなく、川のアマゴや鮎でも同じ事で、夕方近くになる夕まずめに爆釣することは多々ありましたので間違いないと思いますが、その薄明かりによって安心して食ってくると考えられます。


 次に、低気圧による水圧の低下です。
 低気圧は何となくの気象用語と思っていますが、現実に高気圧の場合は空気によって人は高い気圧で地面に押しつけられているのです。今日は気圧が高いなぁなんて人は感じることは出来ませんが、空気密度が増しているのは間違いありません。飛行実験など間違いなく密度の高い冬の晴れ間に行われます。そう冬の方が密度が増すのです。
 水中でも同じ事が起きていて、水温が下がる冬に高気圧で押さえつけられていると動きにくいと考えられますので、反対に低気圧の場合は活発に動くと考えます。


 ですがこれは人間が作り出したまやかしです


 そう、人が作った単なる絵空事のまやかしでしかないのです。
 確かに警戒心を解くのは間違いありませんが、警戒心が解かれると良く釣れるのかとの因果関係が成立するには無理があります。
 まさに風が吹けば桶屋が儲かるの論理でしかないと思っています。
 釣り堀を限定に話を進めますが、
 もし晴れた日に鳥を警戒しているとすると
 もし釣り人の影を警戒しているとすると
 もし明るいと警戒して食わないのだとすると
 もし高気圧で動きにくくなるのだとすると


 晴れた日の釣り人が大挙して押し寄せる釣り大会の日中には魚が釣れない!
 そんなバカなことは1度としてないのです!
 


 今まで釣行を重ねてきてそんなことが続いたためしがないのです。反対に釣り人が多く入った方が良く釣れる経験をするほどです。
 もし決まって晴れの日の日中は食わないのであれば、通説は成り立つのですが全く否定出来ると思っています。
 同時に雨の日に爆釣した経験もないのです。


 ヘラブナはどうしても上ずってしまいます。その上ずりが雨が降ると消えることは知っていますか?
 あれほど上ずっていたヘラブナが一瞬で消えてしまうのです。もし鳥などを警戒しているのだとすると、雨が降ると余計に上ずり現象が増えるはずですが、見事に消えてしまう現実を見ていると、語り継がれていた通説が俗説か都市伝説か知りませんが、私の知る限りでは当て嵌まらないと考えます。
 足下に寄ってきていた与太ベラですら消えてしまうのです。そう釣り人なんか全く警戒なく寄ってきているのですから、雨の好影響は無いと考えるのです。
 反対に晴れた日より釣果が落ちると思うのですが如何でしょう。


 雨がもたらす有効性より、雨がもたらす悪影響の方が強いと考えます。


 雨が降ると水面がざわつきます。これは風の強い日も同じですが、今まで反応が出ていた浮きがピタっと静まってしまいます。
 これが池ではなく川だったらどうでしょう。雨が降り増水をするとまさに身の危険があるので一気に警戒心を高め避難行動に移ってしまいます。
 警戒心が溶かれる薄曇り以上に対処しなければならない、身の危険回避行動の方が優先するのです。その為には悠長に餌を拾い続けることは出来ないでしょう。
 結果として釣果が落ちると考えるのですが如何でしょう。


 次に強い雨や長雨だったとしたら、池の急激な水温低下をもたらすので、活性が落ちるのも間違いないと思います。
 では夏だったら違うだろうとの考えに及ぶのですが、残念ながらヘラブナは体温調整が出来ないので、いつもいつも水温に影響を受けています。
 真夏の高い気温と太陽に熱せられた高水温で遊泳を続けているのですから、たった1度2度だとしても水温が急激に下がると、魚は病気になるほどの影響を受けてしまいますので、釣り人が苦心して作り上げた好餌にすら釣られることがないと思うのです。
 魚の飼育をしているとわかるのですが、買って帰った魚を直ぐに水槽に放すのではなく、前もって袋ごと水槽に入れて、水槽内の水温と袋内の水温を合わせてから放すのです。そうしないと簡単に白点病などの病気にかかってしまいます。


 人間による飼育環境で育っている改良されたヘラブナといえども、魚類の元々持っている性質まで変わるわけではないのです。


 ただですね、雨が降った一瞬釣果が伸びることもあるのですよ。これはいったいどうしたことなんでしょうねぇ。


 単調な環境を一瞬にして変えてしまう雨。好影響となるか悪影響となるかは、外的要因というより釣り人の技量だとしたら、私はいったい何を言っているんでしょねぇ(笑)


 ゆっくり寝ながら考えてみますか。。。

 池の水温が下がり始めた今、何をすべきか

 私は底釣り専門池にしか釣行しませんので、うどんの底釣りについての考査となります。
 10月末から11月にかけて低調な釣りばかり繰り広げていますが、昨日の11月4日の釣り大会でも低調だったので原因を探ることにします。


 主な原因として考えられるのは、水温の低下によってヘラブナが水底に行かないからではないからと想像しています。


 冬でもヘラが上ずることがあるのは誰でも知っていることと思いますが、水面近くまで浮く現象は、まさにヘラブナが餌を求めた衝動に他ならないわけで、となると水温が低くても口を使わないことはないと断言出来るのではないでしょうか。
 となると単にヘラブナが餌を食いたいにもかかわらず、増して水面にまで上ずるにも関わらず水底に潜らないのは何かの原因があると考えるべきでしょう。その結果として水底にある餌を食おうとしないので、当たりが遠くなったり当たってもスレだったりと釣れなくなってしまいます。
 前提としてヘラブナが中層魚だから水底に行かないとの論理は省きます。何故なら関西では、両うどんによるヘラブナの底釣りが成立しているからです。
 中層魚のために水底の餌を食べないのだとしたら、元々両うどんの底釣り自体が成立しないことになってしまいますが、現実的には難しいですが良く釣れると言って良いでしょう。
 では原因を探ることにしましょう。その原因の1つが、間違いなく水底の水温が関係していると思います。ホームグラウンドの淀の釣り天狗池は約2mの水深しかありません。そういう意味では上ずりやすいのでしょうが、水面と水底との温度差はいったいどのくらいあるのか、現実に水温計で測るべきではあります。
 チヌ釣りをしていた頃は、筏釣りという桟橋での釣りと良く似た釣り方をしていたのですが、水底の水温を測ってその日の状況をアレコレと想像しながら作戦を立てていたものですが、ヘラブナ釣りをするようになってからは全く無頓着になっていました。ですが、やはり水奥を計るのには意味があり、その日の組み立てを考える上でとても重要なことと思います。
 一般的な釣り人は1週間に1度の釣行でしょう。その度に水温を測って先週との違いを把握し、1日の釣りを組み立てることが釣果に繋がるのではないかと考えます。またその日の水温は、朝と昼からでも違ってくるはずで、風の向きにも影響されるでしょう。


 昨日の釣りでは午前と午後とは当たりが随分と違っていましたので。水温の変化があったのは間違いないと思います。午後からの方が水温が下がったのか、または水面と水底との温度差が生じて、その結果として全体の釣果が落ち大助が増えたのではないでしょうか。


 では、水温が下がりまたは水面と水底との温度差が生じてしまい、ヘラブナが底に着かなくなったとすると何をすべきでしょう。


 水深が深い釣り場は、真冬になると水面より水底近くの方が水温が高い傾向になります。それは外気の方が低くなるからで、その温度が水底にまで届き難いのですが、2m程度の水深の場合、風や噴水・水車で池の水が攪拌されていますので、朝早くは温度差が少ないのです。その為に午前中の方が釣果が伸びる傾向にあります。
 午後から晴れていれば水面近くが暖められて、層によって水温差が出来てしまいますので、ヘラブナは好む水温の層に集まってしまいます。
 結果として水底にまで餌を食べる行動が減ってしまう事になるのですが、それでもなお如何にしてヘラブナを底に向かせるかが問題になってきます。


 水底から少し上の層にヘラブナが集まっていることは多々あります。水面にいるヘラブナを底にまで導くことは至難の業で、諦めた方が良いと思っていますが、水底から少し上にいるヘラブナは、事と次第によっては水底に向かせることが出来ます。


 振り切りによる餌の落下によって餌を追わせて誘導する


 この方法が一番だと思っています。事実昨日の1位取った大西名人は、釣果がふるわなかったので竿を1尺短くされました、結果としてパイプ際への落とし込みから振り切りに替えられたために、誘導が上手く出来て釣果に繋がったのではないかと思うのです。
 が、実はここで大きな問題が残されています。
 1匹だけ大助が釣れたらいいと思うのであれば、このまま待ちの釣りをすれば良いのです。実は大西名人はこちらのタイプではないかと思うのですが、やはり多く釣りたいのが人情でしょう。大助はあくまでも偶然の産物と思っていますので、1日を楽しく過ごすには数を釣りたいものです。
 その為の工夫がもう一つ要ります。それはうどんにまぶした粉を如何に水面で散らさないか、また同時に水底に着くと直ぐに剥がれる。とても技術を要するまぶし粉の付け方をする必要があります。
 それが出来るか出来ないかで釣果には歴然とした差が出てしまいますが、どうすればそんなことが出来るかは、使っているうどんの性質に寄ります。
 まぶし粉が着きやすい着きにくい、剥がれやすい剥がれにくい、とその性質を把握してこそ出来る技でしょう。
 まぶし粉が着きやすいうどんでは、まぶし粉をコロコロで押さえ過ぎると水面では剥がれませんが、水底でも剥がれなくなってしまいます。
 反対に剥がれやすいうどんでは、水面で剥がれてしまい上ずり現象が起きてしまいます。
 では、まぶし粉が着きにくいうどんにすれば良いとなるのですが、それでは他の人とヘラを寄せる競争そのものに負けてしまいます。
 うどんの性質ばかりがまぶし粉にも着きやすい着きにくい、剥がれやすい剥がれにくいと差があります。
 そのうどんとまぶし粉の性質を上手くミックスしてこそ釣果に結びつくと思っていますが、そんな屁理屈を幾ら言ったとしても実現出来てないから、昨日のように貧果に終わってしまうのです(T.T)。
 その原因は今日になってわかったのです。使用していたうどんがまぶし粉が着きやすくて剥がれにくい、そのタイプだったのです。


 ああ~ザンネ~ン!!

第9回 天釣会 月例会 11月4日(日)曇時々晴一時雨

 11月になり秋本番の季節となりました。ヘラブナシーズンとも言えるのでしょうか、淀の釣り天狗池は大変盛況ぶりで今までにない賑わいとなりました。


大池から小池方向

小池から大池方向


 1ヶ月ぶりの天釣会の月例会を参加者15名で開催いたしました。
 私が池に訪れる時間がいつも遅いのですが、朝のまだ暗いうちから池に到着して池中の噴水などを止めに回り、ヘッドライトの明かりを頼りに仕掛けの準備をする、そんなとても釣り熱心な人が居る。それが我が会規定委員長である菱田名人がその人!
 この時期でも朝の4時には池に到着しているのだから恐れ入るが、釣り歴50年の大ベテランだ。
 私が到着する7時半には既に多くの釣り人が、1ヶ月前に抽選した釣り場に陣取って釣りを開始していた。にもかかわらず菱田名人ですらまだ1匹も釣れないと嘆くほど、先週に引き続き低調な1日がスタートする。
 私も仕掛けの準備が終わりやっと第一投するが、2~3投目には当たりがアリ釣れて来たので、それほど低調でもないのかと高をくくっていたのだが、その安心感がその後きつい罰を受ける結果となってしまった。


 今回から3枚長寸大会に規定変更をして8時50分に試合開始。全員1枚目はサイズにかかわらず自動登録(必須)とする。2枚目は35㎝以上を検寸対象とするが、入れ変え無しで35㎝以上を釣ったとしても登録は自由とした。自信があれば35㎝程度ではなく38㎝や40㎝の大助が来るまで登録しなくて良いのです。そして3枚目だけ入れ替え自由とした。
 3枚目は何㎝からでも登録できるが、入れ替え自由にしたためサイズアップが繰り返される事となるが、その結果検寸係が釣りが出来ないほど忙しくなってしまった。
 そこで、次回からは3枚目も35㎝以上の規定を設けようと思っています。


 さて、低調なスタートを切って1枚目は皆さん早々と検寸に訪れ、29㎝しかないとか31㎝やと1枚目のサイズに一喜一憂をしている。
 2枚目の35㎝以上のハードルが高くて、思った以上になかなか登録できない人もいたが、一人二人と登録が続き4人目には私も39.9㎝で登録完了する。
 菱田名人は早々と3枚目をクリアーして3枚長寸大会の資格を取ってしまった。私も追いつき登録完了するもその後サイズアップどころが当たりもなく、やっと出た当たりにも乗らなくなり完全撃沈することとなってしまった。


 そんな低調な雰囲気を醸し出している天狗池だったのだが、案の定と言うべきか大西名人が躍り出ることになる。


 この人こそいつもいつもいつもいつも大助ばかり釣り上げる大西名人その人だ!


 今回も何と何と44.0㎝と46.5㎝を釣り上げて3枚合計122.5㎝と完全優勝をかっさらって行ったのは恐れ入る。
 ただ、菱田名人の追撃が始まり47.7㎝を釣り上げるも合計117.9㎝と一歩及ばず惜しくも2位となった。
 しかし、釣る人は釣るもので・・・釣果の結果は以下の通り



 1位 大西 122.5㎝ 賞金 3500円+天狗池より1000円+100円+200円の金券
 2位 菱田 117.9㎝ 賞金 2100円+金券100円+100円+200円
 3位 木村 114.9㎝ 賞金 1400円+金券100円


参加者
 木村    33.4 38.5 34.0 36.0 43.0 114.9㎝
 竹藤    35.7 40.2
 三上    29.0 35.5
 酒井    30.5 39.7 34.5  104.7㎝
 菱田    29.9 40.3 30.4 33.5 39.5 40.8 47.7  117.9㎝
 村田 女
 村田    31.0 39.9 29.5 30.7 32.7  103.6㎝
 小野    30.2
 大西    33.5 42.5 32.1 34.5 44.0 46.5  122.5㎝
 伊庭    34.2
 佐々木   32.0         
 田中    31.6 37.5      
 松本 伏見 28.5 42.2      
 川久保   33.6 37.6 34.0   105.1㎝
 松本 淀  33.3 36.3 44.0   113.6㎝
  


 結果、我が会だけでも10枚もの40㎝オーバーの大助が上がったのだから、盛況と言うべきか低調と言うべきか。小ベラが多く動けば大助が釣れる確率が減ってしまうので、大助が多く釣れるときほど池全体としては釣果は落ちる。
 その悪い中でも大助を含みながら数を釣り上げるのだから大したもので腕の差を見せつけられてしまった。
 これで来月の最終戦を待たずに大西名人の年間チャンピオンが決定した。