両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 上ずり現象もなんのその!

 上ずり現象を的確に利用した釣り方がカッツケ釣りです。極端な場合は盛り上がる程ヘラブナが集まり、浮きが立つより早く餌を食って走り出したりします。果たしてそれが釣りか?と思うほどですが、カッツケ批判は横に置くとして、昔からの両うどんの底釣り限定の釣り場では、上ずらせることが厳禁で少しでも上ずらせると、近くにいるベテランさんから叱られたものです。当然底釣りですから餌が着底してからの当たりを取るのが本来で、なじみ当たりを取るのも違反行為となっています。


 底に着底している状態で当たりを取るので、少しでも上ずらせると底にある餌に興味を示さず、底釣りそのものが崩壊してしまいます。この現象は至極ごもっともですから、上ずらせることをとても嫌がるベテランさんも多くいます。


 そこで考えるのですが、どの程度上ずらせると底の餌に対して興味を示さなくなるのかです。また上ずらせることが本当に罪なのかです。


 自然池を利用してのうどん池は少ないと思いますが、うどん池の水深は平均的に2m程度の池が多く、2m程度の浅い水深の場合は簡単に上ずってしまいます。しかし考えようによっては、2m程度の浅い水深ですから全てが上ずる訳ではなくて、またうどん餌ですからカッツケのような盛り上がるほどの集魚効果も出ませんので、底・中層・底にもヘラブナはいるはずで、釣り堀ですから密度も高いのは間違いありません。


 そういう意味からも少々上ずったところで底釣りが崩壊はしないと考えます。但しここに1つの落とし穴があり、底の水温が極端に低い場合は、元々底に着いていないので、上ずらせると底の餌には全く興味を示さなくなります。


 底水の水温が低いのは冬期とばかりは限らず、春でも夏でも下がっている場合があります。そこで水の対流について考えたことがあるでしょうか。


 冬期ほど水温の高い底を・・・なんて解説されている事があるのですが、水温が高い場合は必ず上昇します。そして水面で冷やされてまた底に沈む運動が繰り返されます。その現象は味噌汁の味噌の動きを見ることで簡単に理解できるはずです。


 味噌汁がモコモコと動く様子を見たことがあると思いますが、熱い味噌汁が表面で冷やされ底に沈み、底にある熱い味噌汁が上昇をしています。その連続運動は温度差によって起きるのですがこの現象が対流といいます。


 そのため冬に温かい水が底に溜まっているはずがないのです。それこそ科学に現象に反する論理で、温かい水は必ず上昇してしまいますので、底に温かい水が留まることはないのです。それでも冬期に底釣りが適しているのは、温度変化が少なくて比較的水温が安定しているためです。
 実はヘラブナの食い気に影響を与えるのは水温の変化です、1度違うだけで食い気が止まったりしてしまいます。


 厳寒期らか水温の上昇が始まる春先は底を釣れと言われながらも、春の食い渋りが起きてしまうのです。この春の食い渋りこそ上ずり現象の1つで、何も水面近くまで上がってくるだけが上ずりではなく、底から30㎝程度に留まる現象も上ずりです。


 春が進み水温が上昇し出すと表層で水温が冷やされず対流が起きないのです。温かい水は表層に留まり底の水はいつまでも冷たいままとなっているため、ヘラブナは水温の高い位置まで上がってしまいます。1つの動きとしては底から30㎝程度に留まる事も多く、そのために浮きには触りが出ていても食い当たりに繋がらないのです。


 実に面白い現象があるのですが、ヘラブナを釣り上げて色が黒いタイプと白いタイプを見たことはないでしょうか。実は黒いタイプは表層の近くにいつもいるタイプで、色白のヘラブナはいつも底に居座るタイプです。それも水深が深いほど色白になっています。


 イメージとしてヘラブナは上下運動をしていると思いがちですが、魚体の色を見ている限りそれぞれの個性でしょうか、それ程には入れ替わったりしていないのではと考えます。そのためある程度の上ずりが起きたとしても、底にも必ずヘラブナはいると考えられるのです。反対に言うと表層近くにいるヘラブナは決して底の餌には興味を示さないのではないかです。


 実は飼育している金魚を見ていると解るのですが、撒いた餌を表層と中層で食うタイプと、底に落ちている餌を食うタイプに分かれるのです。多分ですがヘラブナも同じように個性のある性質を持っているのではないかと思われます。


 ただ上ずるほどの餌打ちをすると集魚効果も高くて爆釣出来たりします。その上ずり現象を敢えて利用するために、水深の浅いポイントを選ぶのも方法の1つで、釣り堀でも自然池を利用されていると水深に大きく違いがありますので、深くても1.5m程度で理想的には1m程度のポイントに入ると、上ずりによる食い渋り現象も起きずに爆釣出来ます。


 まっ深いポイントで釣り上げた方が引き味が長く楽しめますので、深い方が楽しいと感じるのですが・・・深いほど難しくなるのも間違いないですね。


 難しい釣りが楽しく感じる・・・大人の釣りですねぇ(笑)。