ヘラブナ釣り 釣り味か楽さか 選ぶならどっち
ヘラブナ釣りは、釣り堀文化が確立しています。最近では海の釣り堀も盛んになってはいるのですが、ヘラブナに関してはとても古くて、1つの文化として築き上げられていると思います。
初期の頃には関西の小さな箱池で、極細の仕掛と柔軟竿を利用した繊細な釣りのスタイルが、ヘラブナ釣りとして常識とされていました。当たりを出す事自体が難しく、やっと食い当たりが出たとしても極端に小さく、とても難しい釣りと解釈されていたのです。
その難しさ故に大人の釣りとされていましたので、次第に趣向に走る方が現れます。結果として道具に留まらず、工芸品にまで高められた釣具類が登場します。当然それに対するウンチクも語られて、益々旦那衆の釣りへと変化していきます。
結果として竹竿文化が育っていくのですが、量産されていた竹竿ではなくて、竿師と称される竹竿が確立し、まさに業物が登場することとなり、竿を立てているだけでヘラブナが寄ってくる竿だとか、同じサイズでも釣り味が良いとか、竹の産地にニギリの加工など、芸術的価値と道具の優秀さも語られるようになっています。
勿論小さな箱池に留まらず、広い釣り堀もありますので、15尺16尺の竹竿も使われるようになります。するとどうでしょう。当然のようにとんでもなく重い竿になってしまうのです。私自身も17尺までの竹竿を所有していましたが、1日振り続けるなんて事はもってのほか、それこそ当たりが出ても、合わせる事をためらうほど重いのです。
そうなると幾ら釣り味が良くても、竹竿を出したいとは思わなくなってしまいます。そこで当然カーボンロッドの登場となるのですが、カーボン竿は釣り味と言うよりも取り回しの良さとなります。
しかしカーボンロッドは腰が硬くて、軽量でも肘を痛めてしまいました。いわゆるテニス肘と同じ症状です。痛みが消えるまでには、なんと1年を待たなくてはならなかったのです。それが一段落すると今度は手根管症候群にも罹患、手首のすじ筋を痛めてしまったのです。これは困った事になります。しっかりテーピングをして痛みを和らげての釣行です。
実は竹竿の良さは、少々重かろうが硬かろうが、肘や手首を痛めることはないのです。合わせショックやヘラブナの引きを、上手くショックアブソーバーのようにチカラを吸収して、釣り人に優しい竿だったのです。
腕の痛みなどを再度起こさないためにと、手返しのしやすい超軽量ロッドを選ぶ事になります。語弊があるので品名は伏せますが、残念ながら釣り味がとんでもなく悪いのです。竹竿であれば、ヘラブナがどちらを向いているとか、今は竿を溜めるとき、今は引き寄せるときと、ヘラブナの動きが伝わってきました。
ところが超軽量竿は、軽ピンシャンと胴が固いのです。すると釣り上げるとヘラブナの動きが、コンコンコンコンと竿を叩くような感触として伝わってきます。なんだコレは・・・と。竹竿に感じていた優雅な引き味ではなくて、機械的とでも言えそうなほどの、引き味として伝わってきたのです。これでは釣っていても面白くもなんともないのです。
そこでカーボンでも柔軟度があり、胴調子か本調子の竿を選ぶ事になります。それがシマノの本式とダイワの兆だったのです。流石に枯法師や独歩は経済的に無理(T-T)。
しかし超軽量を使った身としては、本調子寄りの竿はどうしても重さを感じてしまいます。特に兆の先重り感は如何ともしがたく、超軽量の竿を知ってしまうと後、少しの重さが我慢できなくなります。この段階では本式が良いと感じてました。
時代が進み超軽量でも胴からしっかり曲がる竿が登場します。するとコンコンとした嫌な感覚は伝わりません。胴からしっかりと曲がりますので、釣り味もなかなか良いのです。それを最初に感じたのが閃光のXと先代のHERA Fだったのです。どちらかというとFの方が胴から曲がる本調子よりです。
今のところ軽量系の竿としてのお薦めは、ダイワのHERA Rシリーズです。以前FXを所有していましたが、あの派手な金色には最後までなじめず、生産中止が決まった段階で手放したのですが、何のことはない色を変えただけではと思ったのが、このRだったのですが、釣り比べてないので解りませんが、ダイワの竿調子表からは全く同じとされていました。
Rは12尺から用意されていますが、お薦めとしては14尺以上の尺数からで良いとは思うのですが、といって24尺以上の長尺は特殊な釣り人限定でしょうから横に置くとしても、短竿以外では14尺から18尺が一番多く使われる範囲ではと思いますが、胴から良く曲がり気持ちの良い釣り味を感じさせてくれます。
実は同じような調子で新HERA Fがあります。金額としては3分の2程度で手に入りますので、お薦めのアイテムに違いないのですが、Rより若干柔軟度が高いために、寄せに時間が掛かる印象があります。その寄せ時間は釣り味を楽しむ時間でもあります。またその差は無視出来る範囲ですから、価格的にも積極的に選ぶべき竿と感じています。
またHERA Sはやはり硬さが目立ちます。イメージとしてはF<R<Sと硬さランクが上がる印象ですから、大型主体ではS、小型主体ではF、両方を兼ねられるのかRといったところでしょうか。
実は生産中止となってしまいましたので、もう一部でしかもう手に入りませんが、シマノの月影は胴のシナリも良くて楽しませてくれる竿で、シマノでは先調子とさけていましたが、実際はFよりは本調子に感じます。その曲がり方が気に入って、今のメイン竿となっていますが、8尺から13尺まで主に使っています。
月影は再販売を期待したい最有力候補の竿です。似ているのはシマノの本式です。この本式も9尺から17尺まで揃えた時期がありました。残念ながら本式も発売中止となっていますが、月影と本式では価格的に倍ほど違っていました。月影は釣り味が良くて価格も手頃でしたから、誰にでもお勧めできる竿だったのに残念です。今でも総合的に見て月影はとても優秀だと思っています。
重量的には月影は超軽量ではないのですが、竿の設計によるものか、重く感じないとても優秀な竿です。単そのためでしょうか胴からしっかりと曲がり、釣り味がとても楽しめるのです。
実は次回の釣行時には使って見ようと、竹竿を竿ケースに入れるのですが、実際に取り出す竿は、軽量系の竿になってしまいます。どうしても楽な釣りを選んでしまうのです。それほど軟弱なのが私ってことですね。