両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 竿受けと玉の柄の素材

 今更ながらの竿受けのお話です。多分今までにも少し取り上げていると思うのですが、最近余計に思うことがありましたのであえて取り上げたいと思います。


 ヘラブナ釣りに於いて竿掛けは必須アイテムの1つでしょう。その昔の幼少期に近くの野池でマブナ相手に釣りをしていた事がありますが、その時ですら土手に竿受けを突き刺してクリップの付いた元受を取付、竿を置いて当たりを待っていた記憶があります。
 その時に使っていた竿受けは土に刺しますので金属製で、突き刺す部分はもっと頑丈に出来ていました。一頃は二股に分かれているタイプがあり竿を2本置けるようになっていましたが、流石に2本竿を操ることは難しくて1つの竿受けを外して使っていました。


 金属製の竿受けは比較的長く使っていた記憶があるのですが、本格的にヘラブナ釣りをし出す頃には竹製に変わっていました。
 多分多くの釣り師は竹製の竿受けを使われていると思うのですが、1本ならまだしも長竿対応となると1本半や2本繋ぎ3本継ぎで使うようなるはずです。その時雨で濡らしてしまうとその継ぎ目が抜けなくなった事はないでしょうか。
 また1本使いであったとしても枕を水没させてしまったりして、枕が抜けなくなり無理に捻るとボキっと折ってしまった経験はないでしょうか。


 私も長く竹製を使っていて晴れた日でも2本繋ぎで使っていても、桟橋の揺れなどで枕を水没させてしまい、最後に抜けなくなってしまって枕を壊した経験があります。私の使っていた枕はV字部分と差し込み部分がホゾで繋がれているものでしたので、ヒネって抜いたときにそこからボキッと折れてしまいました。これが1本の木で作られているとそうは簡単に折れないのでしょうが、経年劣化が起きやすい部分でもありますので、無理に抜こうとすると事故に繋がってしまいました。


 ベテラン達はすげ口にロウを塗って抜けなくならない対策を取られていますが、反対に滑りすぎてしまって使い辛いことがありました。またそれを防ぐために水に濡らして滑らないように使うなど、それこそ抜ける対策と抜けない対策と、訳のわからない使い方になってしまう事がありました。


 そこで当然のこと誰しも思うことですがカーボン製を使うようになりました。これはホントに快適で雨であろうが水没させようが簡単に収納出来るのです。初めの頃は雨の日限定で使って、晴れの日は竹製でと使い分けていたのですが、なにも使い分ける必要もなく年中カーボン製を使う事で、水濡れによる膨張の心配は全くしなくて良いようになったのです。


 但し枕はまだ木製ですので枕そのものが膨張してしまい、簡単に抜けなくなってしまったり壊してしまうことがありました。そこでもう1つの対策ですが枕の差し込み部分を塗装して、水分が侵入しないようにすることで膨張を防ぐ考え方です。
 これもまた快適に使えるようになったのですが、知らず知らずに塗膜が薄くなってしまい、水が侵入してしまうことが起きますので日々確認は必要なことと思いますが、たったそれだけで煩わしい収納時の固着から解放されたのです。


 実はこれと同じかそれ以上にやっかいだったのが玉の柄です。多くの方は1本使いのようですが、出来るだけ竿の負担を減らしたいと思っていますので、1本半か2本繋ぎを多用するようにしています。
 特に竹竿の場合に1本の玉の柄であれば捕持ちの2番に極端な負担を与えてしまいます。場合によっては折ってしまいますので極力腕を後ろに引いて、U角度に曲がらないようにするしていますが、カーボン使いの皆さんは案外無頓着に曲げてしまっている姿を見受けますと、今にも折れそうに曲がっている様子を見るにつけ怖くて仕方なくなってしまいます。


 玉の柄も竹製が多く使われていると思うのですが、私も例外ではなく2本繋ぎの竹製の玉の柄を使っていました。流石に重くて腕力を相当消耗してしまいますし、玉のすげ口の固着には閉口していたものです。
 それがカーボン製にする事でこれほど快適なんだと思うほどに、固着の心配はなくなったのですが、勿論玉枠の差し込みが木製ですから、玉側が膨張してしまい抜けなくなってしまいます。
 今使っている玉枠は全て樹脂製で作られていますので、固着に関しては全く心配する必要がなくて、何度水中に入れてヘラブナを掬い上げても気にしなくて良いわけですから、いつも快適に使えるようになりました。


 ただこの樹脂製の玉枠は殆ど売られていませんのでお薦め出来ませんが、玉枠もカーボン製があります。またカーボン玉枠が用意出来なかったしても、竿受けの枕のように差し込み部分を塗装して吸水させない加工をするだけで固着問題から解放されますので、是非お薦めの方法と思っています。


 とはいえ、カーボン製の竿受けや玉の柄は高価なものが多いですよね。竿にはお金が掛けられたとしても、竿受けや玉の柄にまではなかなか手が出ないものです。その結果少しでも安いものを探してしまうのですが安いものは実は肉が薄いのです。高価なものほど肉厚なのは一目瞭然でわかります。薄い肉厚だとどうしてもすげ口の割れる事故が起きてしまいます。安いから買い換えもしやすいとしてもそうは簡単に壊したくありませんよね。


 そこでの対策は、竹竿で良くされていたようにすげ口に糸を巻く方法です。竹竿は絹糸が巻かれていますがカーボンの竿受けなどにそのような細い糸は全く無意味ですから、極細のたこ糸か刺繍糸などの肉厚の綿糸、またはポリエステル糸か奮発して籐を巻く方法があります。ナイロン糸は伸びてしまいますので使わない方が賢明ですが、単に糸を巻いて終わるのではなくて、何度も塗り重ねることで表面を滑らかに仕上げます。


 1度に塗装してしまうと波打ってしまって失敗しますから、出来るだけ薄く塗って何度も塗り重ねることで綺麗に仕上がります。もし荒い糸でしたら砥の粉を塗料に混ぜて糸の谷に埋める方法もありますが、砥の粉がなければ小麦粉でも代用出来てしまいます。
 そのようにして滑らかに仕上げる必要があるのは、ヘラブナに使う道糸やハリスが極端に細いから、その巻いた部分に引っ掛けないための方策です。この部分をおろそかにしてしまうと、思わぬ事故を起こしてしまいますので丁重に仕上げることが肝要です。


 仕上げに塗る塗料は安いアクリル製ではなくてウレタンがお薦めです。奮発して本漆もなかなか良いものですが、かぶれると大変な目に遭ってしまいますので用心が必要です。私などは手袋を二重にしていてもどこか触れてしまったのか、全身に湿疹が出来て最後には免疫抑制剤を調合して貰ってやっと回復した経験があります。
 釣具店で売っている漆は偽物ですし、カシューと称される塗料も本カシューは漆以上にかぶれてしまいます。素手で触っても平気な漆問屋の若主人ですらカシューにはかぶれるといわれているほどです。まぁ釣具店で売られているカシューは殆どがウレタンですからかぶれる心配は無いのですが、何となく変に高価ですからホームセンターで売られているウレタンの透明で十分でしょう。


 釣行に出られない日には浮き作りをされている方もおられると思いますが、こんなチョットした事をされるとまた違った楽しみに繋がるのではないでしょうか。


 日曜の度に釣行を繰り返していますと、チョットした事が煩わしいと感じてしまいます。ホンの少しの工夫でその煩わしさから解放されますので、これらの対策は是非お薦めしたい部分と思っています。