両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 見たこともない餌で釣れる不思議

 ヘラブナ釣り用の餌は多数用意されています。それこそ釣り具店に行くと餌選びにマ迷って仕方ないのですが、それらのどれ1つとして自然界に存在しない成分です。養殖魚だとしてもそれは同じなのですが、それ以上に同じ池の中で産まれたヘラブナでも釣り餌で釣れてくる不思議を感じたことはないでしょうか。


 ヘラブナに限らず海の魚な川の魚でも、生まれてから出会ったこともなく1度として成長途中に口にしたこともない餌で釣れてきます。


 釣り餌として多数の種類で釣れる筆頭はなんと言ってもクロダイでしょうか。オキアミは勿論のことサナギやコーンで釣れます。昔は静岡ではスイカで釣れると言われたものですが、実験したことがないのでスイカは横に置いたとしても、オキアミは南氷洋に生息する南極オキアミで大きなエビに似たプランクトンです。日本近海では小型のアミエビかツノナシオキアミが生息していますが、三陸方面で漁が行われ佃煮や乾燥で売られているようですが、多くを食べると下痢を起こすようでその原因はまだ明らかにされていません。アミエビも乾燥させてあったり塩漬けの塩辛に加工されていますが、釣り餌としてはアジのサビキ釣りで多く使われています。そんな南極オキアミで釣れてくるのはどうしてでしょう。


 サナギでつれるのも至極不思議でその昔は養蚕が盛んで川にサナギを捨てたことでそれを食べているクロダイが釣れると、それはまことしやかにhow to本に書かれていたものです。しかし少し考えたらわかるのですが、それ程大量に養蚕は続けられていませんしサナギを川に捨てるなんて事は公害問題にもなりますので決して行われていないんです。
 仮に川に捨てられたとしても年中捨てることはなく、自然界でサナギに出会う機会はとても少ないはずですから、当歳魚でも釣れてしまう現実に釣れる根拠として川に捨てたでは説得力が乏しいですね。


 コーンが使われ出したのは和歌山だったと思うのですが、それも筏釣りで団子に混ぜていたのですがその中にあるコーンを針に刺したところ釣れたとの実績で、積極的にコーンが餌として使われるようになったと記憶しています。コーンもまさか海に捨てたために餌として学習したなんて事はないはずでが、静岡でスイカで釣れたのもスイカを海に捨てたからだとの理由付けも眉唾物と言わざる得ないでしょう。


 海だけでなく川に住むイワナやアマゴがイクラで釣れる不思議があります。幾らはご存じの通り鮭の卵ですが、ダムより上流部に住むイワナが鮭に出会う機会は決してありません。まして養殖魚にイクラを与えて育てるな人てことは金輪際ないのですから、養殖イワナや養殖アマゴがイクラで釣れる訳がないのにもかかわらず、ミミズや虫で釣るよりも積極的に食ってくるのですから不思議です。


 ヘラブナは圧倒的に養殖ですからペレットで飼育されているのですが、最近は魚粉の価格が上がっていますので魚粉よりオキアミを多く混ぜたものが使われる傾向にあります。それにも拘わらず今でもペレット系が集魚材として使われていますし、マッシュポテトなんてものは見たこともないはずですが釣れてしまいます。増して麩なんてものは自然界に存在しない人間が作り出したものですから、成長過程で出会うはずがないのですがそれでもヘラブナは積極的に食ってきます。これは一体どうしたことなんでしょう。


 これらの答えとして用意されているのがアミノ酸です。それぞれには独特のアミノ酸が含まれているのですが、そのアミノ酸を嗅ぎ分けることで食料として適しているかどうかを判別しているとなっています。そこで人間的知恵としてアミノ酸をもっと含ませるとより多くの魚が釣れるはずとなるのですが、実は今までにも色々なアミノ酸を添加したことがあります。大阪の水産試験場が実験した結果としてヘラブナが好むと特定されたアミノ酸があります。そのアミノ酸も当然のごとく使って実験をしてみたのですが、それだけで他の人より倍釣れたなんてことは1度としてないのですから困ったものです。


 人の考える事は同じと見えて餌メーカーも色々なアミノ酸を添加している餌があります。いやありましたと表現した方が良いのかも知れませんが、今ではアミノ酸の添加剤を強調した餌は姿を消してしまいました。


 人と魚を同列に比較することは出来ないのですが、ラーメンは醤油・塩・味噌それに出しとして魚介・豚骨・牛骨そして鶏がありますが、それらは全て味が違いますし店に料理人によって全く別物に仕上がっています。ところが全てがラーメンだと人は認めているのですから不思議です。
 うどんの場合は基本鰹や鯖イワシ節で出しを取って塩と醤油で味付けされたものです。もしこれが豚骨で出汁を取っていたとすると、うどんとは認識されずラーメンスープにうどんを入れたものとしか理解されません。反対にうどん出汁をベースにした中華そばも和風ラーメンとして認めてしまいます。


 魚自身の味覚というか餌としての許容範囲が案外広く、人がラーメンと認めるような基準で餌として認めているのではないかと単なる思い込みですが思ったりします。そういう意味では色々なものが餌として成立するはずで、子供の頃はサナギ粉と小麦粉を混ぜでダンゴにして釣っていた記憶もありますし、糠を煎ってサナギと小麦粉を混ぜて団子状にした寄せ餌差を作ったりしていました。それこそ糠なんて食べたこともないでしょうし煎った糠なんて金輪際出会わない代物ですが集魚効果はとても良かった記憶があります。


 案外人が思うような餌はこうでなければとの思い込みはなくした方が良さそうな気がしてきますね。