両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 面白さの正体はエンドルフィンかドーパミンか

  ヘラブナ釣りをしている皆さんは、何を持ってヘラブナ釣りを続けられているのでしょう。どこに魅力があって休日になると朝早くからイソイソと出かけているのでしょうか。単に釣り味がいいという表現になるのかも知れませんが、数ある対象魚の中でどうしてヘラブナという魚種を選んでしまっているのでしょう。


 楽しさの特徴を一つ一つ指摘することも可能ですが、その中でも他の魚種に比べて細仕掛けでのやり取りが上げられます。ヘラブナ釣りにおいてハリス0.4や0.5は普通のことでしょう。場合によっては0.2や0.3なんてこともあるとは思いますが、平均サイズ30㎝もある対象魚をそのような細し掛けて釣れる魚種は他にいないでしょう。
 そのような細仕掛けで釣れるのはヘラブナの引きが素直なところにあるのではないでしょうか。ある程度の時間まで重量感たっぷりの引き味を見せたとしても、鯉のような留まることを知らない力強さでもなく、ニゴイのような縦横無尽に走り回るようなこともせず、水面に顔を出したとたん大人しく水面を滑るように引き寄せられる潔さとでもいいましょうか。そのような引き味のスマートさがあげられるでしょう。同じフナのマブナとも全く違った引き味を示してくれます。


 その前にとても小さな小当たりを見せることも魅力でしょう。とても小さな一瞬の当たりを見逃さず掛け合わせる妙味。これは他の釣りには少ない感覚でしょう。同時にその当たりを出させる釣技など色々と駆使する部分は多いのですが、それと同時に道具類の趣味性も高く芸術的な代物まであるのですから、大人の遊びとしてはこの上ないものでしょう。


 その他取り上げ出すと切りがないほど魅力を上げることが出来ると思うのですが、結局ヘラブナ釣りに限らず、あらゆる釣りあらゆる趣味に共通している面白さは、自己満足そのものでしかないわけです。
 というのもヘラブナ釣りは、釣り味だけでなく道具類を凝る楽しみと同時に、浮きやその他の道具類を自作する楽しみもあるわけです。良く似た趣味性としてはタナゴ釣りがあるでしょうが、ヘラブナの豪快な引き味とはとても比べられません。といってタナゴ釣りを否定するものでもないのですが、とても繊細な釣りでありながら趣味として成立させるには関西なのではの受け入れがたさがあったのです。それは元々タナゴはボテジャコと蔑んだ呼び名が定着していたからでしょう。同時に食べる習慣もありませんでしたので、そんなもの釣っても畑の肥料にしかならないと言われていたのです。


 さてそんなヘラブナ釣りの世界を見直したところで、自己の喜びを追求する手段としてヘラブナ釣りがあるのであって、ヘラブナ釣りが面白さが自己の喜びに繋がっているに過ぎず、仮に釣りだけでなく盆栽であろうが家庭菜園であろうが、登山やキャンプそしてあらゆるスポーツにも共通する自己を満足させる。それこそが仕事以外で趣味を見つけられた時の楽しさであり、人生に潤いを与えるものとして存在しているのではないかと思うわけです。


 随分と話が広がっていきましたが、あらゆる趣味の中で年代の隔たりを超えまた長い持続性のある趣味において、ヘラブナ釣りの右に出るものはないのではないかと思うわけです。
 長くテニスをしている方もいます。長くゴルフをしている方もいます。しかし小中学生から80歳を超える人たちまでが、同じ土俵で楽しむことが出来る趣味としては、まさに釣りに勝るものはないでしょうし、その中でも安全で体力を必要としないヘラブナ釣りは、まさに特異な存在ではないだろうかと思うわけです。


 私の周りにも40年50年と続けられている超ベテランの方がいます。その人たちも何十年続けているヘラブナ釣りであっても、初めの頃と変わらぬ情熱を持ち続けて日曜釣り師に混じって、一心に浮きを見つめる気合い維持して釣行されています。他の趣味ではそこまでの熱意を込め続けられるものはないのではと思うのですが、まっそんなことを考えてしまうのも自分自身が続けている趣味であるほかないわけで、他の趣味を持っている方たちにとってヘラブナ釣りなど取るに足らないものでしかないのでしょう。


 いずれにしてもどんな魅力を語ったとして、内容的に人それぞれ違いがあったとしても、結局は自己の喜びに繋がっているからこそ続けられているに過ぎないわけです。そういう意味では他の人に理解されなかったとしても致し方ないのであります。そのために朝早く家人を起こすことなく休日の朝にそーっと家を抜け出す努力は、これからも続けなければならないということが結論となってきます。


 日曜釣り師として家計に対する負担も少なく、魚を持ち帰って魚臭い料理をすることもなく、今日はどんな良い釣りをしたなんて話も心の内に留めて、1週間も情熱を持ち続けては次回の釣行に対する闘志を燃やして、心を込めた第一投を振り込むのであります。


 最後にヘラブナを釣り上げた楽しいと感じるのはエンドルフィンの影響ですが、勝負に勝ったり大助を釣り上げた時の喜びはドーパミン物質が出ているからです。この両方が出ると最高の喜びとなるんですけどね。