両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 池の酸素溶解量

 池の水は淡水であるのはご存じの通りとして、その淡水に溶け込んでいる酸素の量がどの程度かは案外知られていないようで、極端な専門家である以外はご存じないのが当たり前のことでしょう。勿論一般釣り師が知り得る情報の中にあるかとなると、なんとなくの情報として漠然とした理解であって、その理解も正確性は全くないわけですから、今日現在の池の状態を推理できているかで、実は対応の仕方が変わる可能性が高いということに、どの程度気がついているかで釣果に関わる重要事項となると思っています。


 ただ単純に淡水の酸素溶解量がどの程度であるかは、研究論文を読むことで理解できるのですが、多くの釣り堀では水車や噴水にエアレーションと、酸素供給されているわけですから、全てがイコールではないことを前提としてお話を進めなければなりません。
 また酸素供給装置が設置されていない自然の池だとしても、その前後または当日の気象要因によって変化する値については、全く想像する以外ないこととなってしまいます。


 さてこれらの前提を取り敢えず横に置くとして、先ずは気圧について話を進めることと致しましょう。気象の入口程度の知識があれば大気圧は約1気圧であることは知られています。よくご存じの方であれば1013hPa(ヘクトパスカル)その昔はミリバールと表現していたそれです。もっと詳しい人になると大気圧とは760mmであるというでしょう。現代的表現でいうところの760Torr(トリチェリ)と表現されるのですが、これは気圧と水銀の関係による表現になるのですが、これ以上話を進めるとなんのこっちゃ!となるだけですから、この辺りで終了いたしますが、科学的には大気圧それも標準大気圧が760Torrの場合に、淡水の溶け込む酸素量についての検証となります。


 難しい話が続いてしまいましたが、つまり海抜0mの位置での標準大気圧の場合との前提で話を進めるのですが、この場合の酸素溶解量は水温に比例するということです。


 水温0度の場合が一番溶解量が多く、10CC/1Lとなります。つまり1リットル中10CC溶け込んでいるとなります。
 続けて5度9・10度8・15度7・20度6.5・25度5.8・30度5.5の溶解量と、水温が高くなるほど酸欠になることがわかります。


 前提として標準気圧の場合と但し書きをしましたが、当然高度が上がるにつれて気圧は低くなりますので酸素溶解量は低い方へと変化していきます。そういう意味では山上湖の方が酸素溶解量は少ないとなります。


 酸素溶解量がそのままヘラブナの活発さに影響するかどうかですが、実はヘラブナの適水温は17度から25度となります。これは産卵水温ですから生息水温として適していると考えられるのですが、この適水温の酸素溶解量は6.5前後だとすると、25度を超えた夏場に食いが落ちてしまうのは、不適水温と同時に酸素溶解量の不足が加味されているのではないかと解釈できます。


 反対に高水温時でも酸素溶解量が増えることで、活発に動く可能性が高いともいえるのではないかと思うわけです。ではどんなときに溶解量が増えるかですが、常時酸素供給されている設備があるとしてもより以上の溶解量を示すのは、風雨による攪拌作用であるはずです。ただヘラブナの様子を見ている限りでは、現在進行形の風雨に対しては警戒心が高まる様子が見て取れますので、前日または前々日の風雨によって池の水が攪拌され、酸素溶解量が増えたことによる活発さが窺えると感じています。
 但し反対の作用として水温低下がもたらされますので、風雨による恩恵だけでは語れないところに、ヘラブナ釣りとしての面白さが内含されていると思うわけです。


 何れにしても今までとは違う切り口で、ヘラブナに対峙することでまた違って展開が考えられると思って今回発表を致しました。
 このデーターをどのように解釈されるかは個人にお任せするとして、どんなに酸素溶解量が増えたとしても、水温0度では活動を止めてしまうのですから、いろいろな複合作用を自分なりに組み立てる参考資料としていただければと思います。


 何の参考にもなりませんでしたかねぇ(笑)。


*数値は陸水学雑誌のデーターを参考としました