両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り ハリスは切れない

 ヘラブナ釣りは他の対象魚に比べて比較的細い仕掛け糸が利用されています。特に釣り堀では道糸は1~0.8号でハリスは0.4~0.6程度が標準的ではないでしょうか。勿論時期によってもっと細い仕掛けが利用されるのですが、例えば道糸0.6号ハリス0.3号のような組合せです。


 それに対して対象魚であるヘラブナのサイズは30㎝を中心としたサイズ構成で、場合によっては40㎝を軽く超えた50㎝級も今では珍しくないサイズとなりました。ところが利用されている仕掛け糸はそれ程の差はなく、また最近特別な技術革新が起きたとの情報も聞きませんので、従来からあるナイロン糸を中心とした製品であろうと思います。


 そんな組合せだとしても通常の釣り方でハリスが切れたり道糸が切れる高切れは起きません。私のような超安価な道糸やハリスでも簡単には切れたりしないのです。それはいったいどうしてでしょうか。


 反対にハリスが切れる道糸が切れるのはどんな状況かを知ることから始める方が良いのかも知れません。根本的にどこかに傷が付いている場合はその部分で切れます。案外多いのが穂先に取りづけている部分です。道糸を八の字で取り次げている方が多いと思いますが、糸を捻っていますのでその部分が他に比べて弱い傾向にあります。他に道糸とヨリモドシの結び目、ハリスとヨリモドシの結び目、そして浮きのある位置が浮き下の調整を繰り返すと傷ついて弱ってしまいその部分で切れる場合が起きます。つまり弱い部分で切れるのです。
 どうして結び目や傷が付いていると切れるのかは、ナイロン糸には伸びがあるのですがその伸びが傷が付いているとその部分が他より余計に伸びるために破断してしまいます。また結び目は反対に伸びないために破断すると考えています。


 先ずはハリス切れが起きるシチュエーションについてですが、一番多いのは合わせ切れでしょうか。当たりが出て合わせた瞬間にハリスが切れる現象です。ところがどんなに大型魚でも多くの場合は切れることなく釣り上げられます。ではどんなときに合わせ切れが起きるのかですが、仮に池の底の障害物に針が掛かってしまった場合はどうでしょう。相手は固定物ですから強いショックが掛かるはずですが、不思議と切れない場合が多いのではないでしょうか。
 不思議なことですがスレを掛けたときには案外合わせ切れが起きます。どうしてだかは今のところ解りませんが、一瞬のショックとともに切れてしまいます。ただこれは防ぎようがありませんので、出来るだけ的確な当たりを合わせる以外ないのですが、明らかなスレ当たり以外は合わせてしまいますので致したないと諦めるしかありません。


 道糸が切れる場合ですが道糸に傷が付いている場合は別として、道糸が水面に浮いている場合にその部分で切れてしまいます。これは浮いている部分でチカラの解放が起きてしまうからですが、道糸を水面下に沈めるだけで解決しますので、餌打ちの度に水面下にあるようにすれば良いことになります。


 そしてもう一つ。それは竿を伸された場合に仕掛け糸が切れてしまう現象です。反対にどんなに強い引きだとしても竿が満月になろうが耐えていさえすれば切れることはありません。つまりヘラブナ釣り仕掛け糸が切れにくいのは、道糸やハリスの性能と性質だけでなくヘラ竿の柔軟度の恩恵を受けていることにあります。


 ヘラ竿は他の釣りに比べてとても柔軟性が高く、その柔軟度がショックアブソーバーの役割をしているがために簡単に仕掛け糸が切れることがないのです。
 そこから見えてくるのは本調子の竿ほど切れることが少ないという事実です。その昔には今では考えられないほどのペラペラの竿が使われていました。仕掛け糸そのものの強度不足もあったのでしょうが、ヘラブナのサイズも今とは比べものにならないほど小さかったこともあるかも知れません。
 その頃に出ていた鯉竿が今ではヘラブナ釣りの硬式の竿程度ですから、時代の変化も理解して頂けるのではと思いますが、その昔には強度不足の糸を補うためにはペラペラの竿が必要だったのかも知れません。まぁそれもカーボン竿が出る前のグラスロッドでの話ですが・・・


 仕掛けが底掛かりしたときなどハリスを切って仕掛けを回収するのですが、その場合は竿を真っ直ぐに引きます。それで竿の柔軟さは解消されますので簡単に仕掛け糸が切れます。いわゆる竿が伸され状態にする事で簡単に切る事が出来るのです。それだけ竿の柔軟度の恩恵を受けていますので、極細のハリスでも簡単には切れないことになります。


 ハリスそのものの柔軟度も当然関係しているのですから、ハリスは長い方が切れにくいのです。但しここには少しの落とし穴がありハリスが長ければ長いほど柔軟度が余すのですから、ハリスそのものが合わせた瞬間伸びてしまうのです。
 この柔軟度とはバネに例えることが出来ます。軽い力で伸び縮みするのでショックを吸収させる効果があります。ということは道糸よりハリスの方がとても柔軟度を高く作られていますから、ハリスが長くなればなるほどそれも短竿であればある程ですが、軽い力では針掛かりしにくくなってしまいます。といって無理に煽る必要はないのですが、ハリスが短いほど伸びる長さは短くなりますので、ホンの少し手首を返す程度でも針掛かりすることになります。


 その昔の竹竿を使ってハリスも30㎝程度の頃は、竿掛けから少し浮かせる程度の合わせ方でも針掛かりしましたので、それはそれは静かな釣り方となっていたのです。シャッと音がするような合わせ方をするととても恥ずかしい思いをしたことがありますが、今ではすっかり平気になっているのです。少しばかり恥ずかしさに慣れてしまったんでしょうね。