両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 浮きの話 セッティング

 ヘラブナ用の浮きにはとても高価な浮きがあります。その高価さは個人の感覚でしかないと思うのですが、1本3,000円は高いのか安いのかどのように思われますか。いやいやそんな安物は駄目だとの意見をお持ちの方もいるでしょう。いやいやヘラブナ釣りに高価な浮きは必要ないとの考えもあると思います。
 有名作者の浮きは、色々と想定している釣り方があり、その釣り方に適した方法で取り組んでいてこそ効果が発揮出来るのだろうとは思いますが、残念ながら浮き作者の想定しているであろうレベルに達していない私としては、我流での釣り方にならざる得ないのです。ということは、高価な浮きは宝の持ち腐れでしかなく、1本1,000円でも高価な浮きだと感じてしまうのです。
 現実的に1,000円の浮きより2,000円の浮き、いや3,000円、4,000円、なかなか8,000円の浮きを使わないと!と豪語される方がいるとして、所有欲としての自己満足を別にすると、高価な浮きを使うことによって釣果が何倍にも跳ね上がるとするならば、それが1日20枚なのか50枚なのかは知りませんが、確実な釣果の差となるのだとすると、高価な浮きにも意味があるのだろうとは思うのですが、私の知る限りではその差を感じてはいません。
 ヘラブナ釣りの道具には、趣味の領域が多数ありますので特段取り上げるつもりはないのですが、竿や竿掛け、万力に枕、玉に玉の柄などは大いに趣味に講じても良いように思うのですが、道糸・ハリス・板オモリなどは完全な消耗品だとしても、その範囲に浮きが入るのではないかと思ったりします。
 高切れしてしまい高価な浮きを無くすと、必死になって探し回っている人を見るのですが、消耗品程度の感覚で揃える方が良いような気もするのです。
 浮き箱を開けて長さも段階的に並んでいる状態を見るとなかなか楽しい思いがするのですが、現実的に使っている浮きのサイズはほぼ決まっているのですから、それこそ宝の持ち腐れでしかないように思ったりします。
 私的には、浮きの本数は多く持っている方だとは思いますが、基本季節によって大きく変更しています。それと釣り座の位置が南向きの逆光になるのかどうかで、根本的に選ぶ浮きは変えているのですが、そのような使い分けをするのも極力単価の安い浮きで状況に合わせて使い分けるようにしています。
 もし高価な浮きがその全てをカバー出来るほどのオールマイティーさがあれば別ですが、高価な浮きになればなるほどその使われ方が制限されるように思うのですが如何でしょう。


 さて、ヘラブナ用の浮きには色々な形状があります。一応それぞれ適した釣り方があるようですが、現実的に釣果の差が出るほどその適合性があるとは思えないのですが、一応は先人の教えを正しいと思い込んで浮きを選んでいることでしょう。
 多分浮きの制作者も間違いなくその教えに則って作成されているようです。では制作者はその形状の違いによる釣果の差や釣り難さ釣り安さを実感されているのでしょうか。
 有名トーナメンターが浮き師であったりしますのですが、自分の釣り方に合った浮きを制作されているのが実態ではないかとも思うのです。


 実は、適した釣り方または適した浮きだとしても、セッティングの違いで全く違った答えが導き出されます。


 先ず胴の張った浮きで太くて短めのパイプトップの浮きだとします。この形状の浮きで餌落ち目盛りをトップの付け根で取ってしまうと、多くの当たりは逃がしてしまい、1日に数度あるだけの強い当たりの時だけ反応を示してくれるでしょう。
 それをもしトップの中間から上部で餌落ち目盛りを設定した場合は、もう少し多めの当たりを示してくれるはずです。それも餌を打ち込んでトップ1目盛り残るか残らない程度の床取りセッティングがされていると、小当たりでも判断出来ることになります。


 反対に極細の胴の浮きで長くて細いムクトップの浮きだとするとどうでしょう。この場合は、浮力が少なくなりますのでトップの付け根で餌落ちのセッティングをします。ムクトップの場合、トップの浮力も殆どありませんのでなじみ巾が大きく出てしまい、トップの付け根付近でバランスを取っておかないと返しが悪くなり、当たりが判別し難くなってしまいます。


 現実的な浮きはこの組み合わせで構成されていますので、一概にどれが正解とはいえないのです。それだからこそ試行錯誤を繰り返し、その浮きの固定的なセッティングではなくて、今日の釣り方・今日の池の状況・今日の天候などを加味して(ただの空想ですが)その時に適したセッティングを見つけることで、釣果が大きく変わることがあると思っています。
 1度使って板オモリも決まったものを再度使うと、基本的には前回と同じセッティングになっていると思いますが、それは前回が良かったのであって今日も合っているかどうかは別問題と思うのです。


 使う浮きのタイプがどのタイプなのかによって、セッティングを変えて的確な当たりが出るようにしなければなりません。
 私的には、胴の張りは抵抗感が強いと感じていますので、極力スリムタイプを利用していますが、サイズが同じ程度だとしても浮力の差が歴然とありますので、どの部分でセッティングをするかを朝一番に決めるようにするのですが、当たりの出方や当たりの量によってそのセッティングを変える場合があります。
 反対にいえば、そのセッティングを間違うと1日釣りにならないことが起きてしまいます。
 あまり釣果が芳しくなかったり急に当たりが止まったりした場合は、床を取り直すようにいわれる事が多いのですが、その時に浮きのセッティングも再度見直すこともとても重要だと思っています。


 その中で一番のポイントは、どこの位置を餌落ち目盛りとするかです。その場合、トップに元々付いている餌落ち目盛りは完全に無視してセッティングをします。
 浮きの特性によってある程度決まった位置が餌落ちにするのですが、それをもう少し沈ませる、または反対に浮かせることによって今まで静まっていた浮きが急に動き出すことがあります。


 このセッティングの変更はある部分では勇気のいることですから、簡単に変更するのは難しいのですが、セッティングを変えるより浮きそのものを変えましょうとアドバイスすることがあります。
 浮きを変えると自動的に浮力の違う浮きが選ばれますので、結果としてバランスを変えていることになり、それが釣果に結びつくことがあるからです。


 厳寒期では、じーっとしている浮きをただ黙って見ているより、幾ら餌を打ち返しても変化が見られない場合でも、浮きのセッティングを変えると面白いように浮きが動き出すことがあります。
 これは餌に対する興味が変わったわけでもなく、急に食い気が出たわけでもなく、今までヘラブナが触っていたのに、その変化を浮きに伝えることが出来ていなかったからです。
 それが少し手を加えただけで的確に現れるようにことがあります。勿論いつもいつもそんなことが起きるとは限りませんが、当たりのない事を池のせいやヘラブナのせいにしないで、自分の仕掛けを少し見直してみるだけで違った答えが出るかも知れないのです。


 当たりらしい当たりを返さない日だとすると、当たりをスポイルされて見逃しているのは勿体ないですから、自分で出来る対策は少しでも試してみることが重要とつくづく思うのです。
 貴重な1日を釣れないとぼやき続けるより、何かをすることで変わってくれるとこの上ない喜びですよね。


 竿の尺数を変えると急に釣れるようになったなんて話も良く聞きますが、竿の長さが変わっただけでなく、仕掛け全般を特に浮きを変えたこともとても重要なポイントだと思うのですが如何でしょうか。