両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 可視化と見える化・・・釣り味

 言葉の簡素化でしょうか最近テレビ報道などで「見える化」なんて表現を良く見聞きするようになりましたが、私的にはとても違和感をもって見聞きしていました。見える化なんて言葉があるのかぁ?それは可視化やろ!!ってテレビに向かって突っ込みを入れていたのです。
 最初に見える化なんて言い出したの小池都知事だったような気がするのですが、それ以降も良く使われる言葉となっています。


 少し調べてみますと元はトヨタ自動車の業務改善「目で見える管理」からきているようですが、現在は一般的に可視化と見える化は使い分けられているとは思えないのです。


 可視化は見たいときに見ることが出来るようにすることで、反対に言うと見たいとき以外は見られないのです。見える化は意志に関係なくいつでも見ることが出来る状態のことです。
 なんとなく無理矢理区別しているような気がするので、どうも結果は同じようだと思うのでやはり可視化が正解だと思うのです。
 なんて言うか言葉の幼稚化をしているようで日本語の退化を感じてしまいます。


 同じように食感なんて言葉がありますが、グルメ番組やタレントが良く使っている言葉ですが元々食感なんて言葉はなかったのです。日本語には歯触り、舌触り、喉越しなどそれぞれの表現があったのですが、食感なんて結局何が言いたいのかわからない表現がまことしやかにまかり通っているのですから不思議です。


 食味にしてもお肉を食べてその表現も甘いと軟らかいです。ん???現代人はお肉を食べて甘いと感じるのでしょうか。脂が甘いとか・・・そうなんですか?私的には新鮮なイカを食べて甘いと感じたことはあるのですが、お米でもミルキークイーンという品種がありますが、確かにとても甘くて佃煮とは合わないと感じるほど甘かったのですが、お肉を食べて甘いという表現は的確なのでしょうか。残念ながら私には解りませんが仮に甘いとしてもそれがお肉の美味しさの表現として的確なのでしょうか。
 お肉の美味しさはアミノ酸などのうま味を感じるかどうかだと思うのですが、アミノ酸は確かに種類によっては甘味があるものがありますが多くのアミノ酸は甘みを感じないのです。グルタミン酸のようにうま味だけを感じるものがある反面グリシンのような甘みを感じるものもありますが、実は牛肉のアミノ酸は赤身にあるのであって脂身には穂さんざ存在していません。またエイジングをしてうま味を増幅させますがそれもまた赤身のうま味を増やしていることになるのです。
 お肉の美味しさは舌で感じる味よりも香り成分の方が重要で、風邪を引くと味がわからないと言いますが、実は味はわかるのですが鼻が効かなくなっているので味がわからないとなります。
 ということはお肉類の美味しさの表現としてはうま味が深く香りが良いお肉だというのが正解で、甘いお肉という表現は何か勘違いしているのではと感じてしまいます。というかそのように表現すれば良いのだろうとの表現の劣化を感じてしまいます。


 同じように丁寧な食べ方と勘違いしているのか、口に食べ物を運ぶ時に左手を口元に添えて食べる方法です。あれは下品というか行儀が悪い手皿という形だということを解っていません。女性なら懐紙を用意して口元に添えれば良いのです。男なら落とすことなど気にせず口に運べば良いのです。もし添えた手に食べ物を落としたらどうするつもりなんでしょう。まさか左手に落ちた食べ物をそのまま口に運んで食べたりしないでしょうね。みっともないですから辞めたら良いのですが、どうして誰も指摘しないのでしょう。


 さてさて本題の始まりです(笑)。ヘラブナ釣りと全く関係のない話から始まってしまいましたが、ヘラブナ釣りに於いてもその面白さについてどのように表現をするのが的確な表現なのだろうと思うんです。つまりその面白さを可視化・見える化をするとどうなるのだろうって事です。


 釣りの面白さを伝える場合に一番簡単な表現としては釣り味という表現があります。ではこの釣り味って何のことでしょう。引き味?合わせ味?いったい何を指している言葉でしょう。


 海の大物との豪快で強い引きは確かに体力勝負のやり取りを展開しますが、その強い引きだけが面白いのであればリール糸の先をウインチに繋げて巻き取って貰えば良いのです。小さな引き味が楽しいのであれば竿先に小石でも結びつけておけば良いのです。
 しかし釣り味はやはり竿先~伝わる生命力を感じるかどうかではないでしょうか。豪快なカジキ釣りから極小のタナゴ釣りも同じように生命力を感じる釣り味との表現が出来るのではないでしょうか。当然ヘラブナ釣りに於いても釣り味と表現されると思うのですが、ではヘラブナ釣りの釣り味とはどの部分を指すのでしょう。


 勿論総合的なものではあるのでしょうが色々と分解してみると次のようになります。餌の的確な打ち込みが出来たときの喜び、当たりがあった瞬間にタイミング良く合わせられた時の喜び、合わせた瞬間に魚の重みを竿に伝わった感覚、逃げまどう魚の抵抗感が竿から伝わる手の感覚、竿のしなり方の違いで使用する竿の特徴を理解できる瞬間、竿の違いらよる手に伝わる振動の違い、逃げまどうときの糸鳴り、う~ん・・・上手く表現できないですが、やはりヘラブナが針が掛かりして逃げまどう魚の必死さが伝わる抵抗感が、竿を通して腕に伝わる事そのものが釣り味というのではないでしょうか。


 ではその釣り味は他の魚とヘラブナとはどのように違うのでしょう。どのように違うからヘラブナの釣り味が良いのでしょう。そしてどうしてヘラブナを対象魚としているのでしょう。


 単純に引き味が強いと言うのであれば同じ淡水魚である鯉の方が余程強烈です。私ももう40年ほど昔ですが鯉の釣り堀に通っていたことがあります。当たりもトンカチで叩いたと表現される強い当たりと表現されますが、実は鯉も釣り堀ではそれ程大きな当たりではなくて、小さくツンと入る当たりですから当たりの違いはそれ程の差はないのです。
 サイズも40㎝程度がアベレージですからヘラブナで言うところの大助サイズです。釣り堀でも最大80㎝程度が釣れますので引き味はとんでもなく強烈です。それを道糸1号ハリス0.6程度で大型の鯉を釣り上げていたのです。そういう意味ではなかなかスリルもあって面白いのですがいつしか鯉釣りも辞めていますから引き味が強いから面白いだけでも続けられないですね。


 根本的にヘラブナ釣りをしていて釣り味が良いと思いながら釣っているのでしょうか。なんとなくですがその釣り味を求めているようには思えないのです。鯉は玉に入れるまで逃げまどいますが、ヘラブナは水面に出すと一気に諦めたようにチカラを抜いて仕舞いますので、水面を大人しくスーっと引かれて玉に納まってしまいます。


 釣り味を重視していないと思うその1つが短竿での数釣りでしょう。特に短竿でのカッツケとなると優雅な釣り味ではなくて、がさつな釣り方でヘラブナの釣り味を楽しんでいるようには思えないのです。やはりイメージはカツオの一本釣り状態です。


 私が短竿を使う場合は釣り味を楽しむと言うよりは数釣りをしたいからです。もっという数釣り上げることで大型のヘラブナを釣り上げたいからです。それは大会などで上位を取るためであり買取制のある池では、高額に買って頂きたいがためめでしかないと感じています。
 つまり短竿では釣り味なんて二の次三の次どころか、全く釣り味なんて考えてない事に気がつきます。


 やはり釣り味を感じたい場合は少なくとも13尺は必要ではないでしょうか。出来れば15尺以上を使いたいと思ってしまうのですが、私の釣り方は沖の底釣りですから釣り上げるのに時間が掛かります。それがチョウチン釣りだとしても釣り上げるまでは短竿より遙かに時間が掛かります。
 その時間が掛かることそのものが釣り味を長く楽しむためのものだと思うのです。その釣り味を楽しむがために竹竿を使う意味があるわけです。また各メーカーのフラッグシップの竿を使う意味があると思うのです。


 竹竿やフラッグシップの竿はとても高価ですが、せっかくメーカーが腐心して作り上げた竿ですから、その釣り味を楽しまないなんてことはないはずです。しかし短竿ではその高価な竿を使っても短い時間しか味わえないのですから勿体ないですよね。だからこそより長い時間を楽しむためには少しでも長い方が良いことにならないでしょうか。


 結果として長く楽しめないことになってしまいますので意味がないのですが、長く釣り味が楽しめないのであれば高価な竿の短竿は購入する意味がないと思えてしまいます。
 ん?フラッグシップの短竿を使って見たのか・・・ですか?当然そんな高価なものは買えないので使っていませんハイ(T.T)・・・。


 あっ!!釣り味の可視化・見える化の話でしたが・・・・無理ですね。ということはヘラブナ釣りの面白さは釣り味重視でもなさそうに思えてきます。確かにヘラブナ釣りは釣り味だけでなく道具類に凝る事も出来ます。他の釣りで道具に力を入れることは少ないような気がしますが、バブルも崩壊してしまってからは道具に凝る方も減っているように感じます。
 ヘラブナ釣り全体としてやはり当たりを出す難しさや小さな当たりの見定め、そしてそれを掛け合わせる瞬発力と無理なく引き寄せる業と色々な要素がヘラブナ釣りの面白さには含まれていそうです。つまりは総合力的面白さになりますので、知らない人に可視化や見える化は無理だって事になってしまいました。


 下記のYouTubeは以前にも紹介しました竹・カーボン・合成竿(融合竿)の釣り味の違いが紹介されています。

【釣り百景】#433 異なる竿でへらぶなと対話 駆け引きの愉楽・釣り味を求めて
 ただ釣り師の伊東さとしさんと竹竿制作者である山彦忍月さんの釣り姿を見ると、やはり私がいつも違和感を感じていたトーナメンターの皆さんの竿さばきを伊東さんはされていて、本来のヘラ竿の扱い方をされているのが山彦さんで、握りもとてもソフトで伊東さんは竿を横から握るシェイクハンドの握り方つまりコンチネンタルグリップで、山彦さんは上から押さえるように握るウエスタングリップです。


 そしてヘラブナを掛けてからは腕を真っ直ぐに伸ばしている山彦さんに対して、伊東さんは肘を曲げてしまっています。また玉にヘラブナを入れる段階でも山彦さんは肩より後ろに腕を引いてヘラブナを玉に入れますが伊東さんの腕の位置は肩より前です。
 山彦さんの竿さばきは竿を傷めない方法が取られていることが良くわかる動画になっています。というかこの竿さばきこそヘラ竿の扱い方だったはずですが、いつから肘を曲げる釣り方になってしまったのでしょう。