両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 妻は女房にあらず

 表題がヘラブナとは全く関係がなくなんとなく変ですが、それはいつもの横道って事でお許し頂きまして、亭主が悠々と釣りに出かけられるのは奥様の理解が得られているからでしょう。理解が得られず仕方ないと諦めの境地かも知れませんが、毎週毎週意気揚々と出かけてはストレス解消のつもりでストレスいっぱい溜めて帰宅したりと、それもこれも全て飲み込んで頂いているわけです。


 さてその奥様・妻・奥方・嫁さん・山の神のご機嫌麗しいように、釣りの帰りにお土産の一つも持って帰れることも忘れないようにしたいと思うのですが、法律用語にもなっている妻ですが、妻といえば奥さんのことを意味する思われています。実はその妻=正室となったのは近代のことでしかないのです。


 元々妻は端から派生した言葉で母屋の端に通い婚のために建てた家が端の家=妻家(つまや)とされていました。母屋の端に建てたつまり側(そば)との意味も含んでいるために、母屋の側に建てた家つまり妻家(つまや)に住んでいたので側室(そくしつ)という呼び名が生まれます。そういえば側女との言い方もありますね。


 家の屋根の形で切妻と表現する建築様式がありますが、この場合も棟の側の部分を指しているわけで、後に刺身のツマも刺身の側という意味で使われるようになりました。つまり刺身のツマという言い方は合っていますが大根のツマはおかしいのです。勿論大根で出来たツマは正解です。


 正妻=妻となっている現代ですが側という意味のために実は元々夫も妻と表現するのです。まぁ奥さんから妻ですと紹介されると???となってしまいますのでいわない方が賢明ですけどね。


 ついでの話ですが女房とはなんぞやです。実は宮廷に仕える女官のことでいってみれば女の使用人を指す言葉なんです。房が付いていますので部屋持ちの女性で使用人の中でも上級職になります。そういう意味では人に紹介するときに内の女房ですというのは、内の上級使用人ですといっているのと同じ意味となりますので良くないんですよ。


 夫人という言い方もありますが夫人は婦人ではなくて、例えばある方の奥様をOO夫人のようないいかたがありますが実は夫人も正室ではないのです。古代中国では皇帝と皇后がおられてその下に側室として4夫人(4人の側室)がいました。その4夫人にも位があり順番か貴妃・淑妃・徳妃・賢妃です。楊貴妃(ようきひ)が貴妃としては至極有名ですが皇后ではなかったことを意味します。楊貴妃の姓は楊ですが名は玉環といいます。つまり楊貴妃とは姓名ではなくて側室として楊の順位を表していた称号です。現代風でいうと楊専務や楊常務と呼んでいる訳です。


 ついでのついでに家内との表現もあります。家内とは近代に生まれた言葉で男は外に仕事に出て、女は家にいるという意味で使われるようになりました。現代はジェンダーフリーの時代ですからこの表現も良くないのでしょうね。
 また嫁との表現も家付き女ですから良くない表現になっています。内の嫁さんとか息子の嫁なんて表現はしない方が良さそうです。


 もう一つ細君って表現もありますが部下の妻に対して使えたとしても上司に対しては使えないですよね。最低限他人の妻に対する表現ですから自分の妻を細君というのはおかしいのです。ただ謙譲語として使う場合もあるようですから難しいですよね。
 結局は妻と言う表現が一番相応しいのかも知れませんが、本当の意味を知った妻からはなんといわれるのでしょう。この際ナイショってことにしておく方が良さそうですね(笑)。


 細君ついでに君って称号がありますね。有名なのは淀君でしょうか。我が淀の釣り天狗池は淀城があったところの近くにありますが、淀君の君とは非皇族に生まれた女性の称号として使用されたもので、正室でない女性から生まれた庶女に対しても使われた称号です。但しそれでも一般庶民より位は上ですから皇室関係で使われていた称号です。
 そういう意味では現代の部下に対してOO君(くん)は女性に対して使うものって事になりますよね。じゃあ男にはなんて着ければ良いのでしょうね。


 淀君の元々の本名は浅井茶々で秀吉の元に嫁ぐのですが、最終的に大坂夏の陣で豊臣家は滅亡してしまいます。茶々が輿入れしたがために豊臣家が滅亡したともいわれていますので、邪魔をすることをちゃちゃを入れるっていうんですよねぇ。


 今回はなにも怖い奥さんに対してアレコレと思って書き出してのではなくて、妻は側って意味からヘラブナ釣りでは何が該当するだろうと思ったのです。
 竿や竿受けに玉等の道具類を思い浮かべてしまいますが、実はヘラ釣り師こそ妻ではないのだろうかと思ったりします。ヘラブナが主人であって釣り師は決して主人ではないのではないか。
 実際先にヘラブナがいるからこそ対象魚として追う釣り師が誕生するわけで、ヘラブナが主で釣り師は妻そのものではないかと思ったりしてしまいますが、案外ヘラブナに仕える女房の方が適しているかも知れません(笑)。日々追い求めているのですから当たらずとも遠からずだと思います。それこそ宮仕えなんてことばがありますがヘラブナのご機嫌を取って釣り上げているのですから、釣り師はヘラブナに宮仕えしているのかも知れませんね。


 何れにしてもヘラブナに魅せられて日々通い続けているのですが、そのことから深草の少将百夜通いを思ってしまいます。小野小町から百夜続けて自分の元に通い亡き母の好きだった芍薬を植えてほしいという内容だったのです。それが100日目に橋と共に森子川に流されて亡くなってしまうのですが、ヘラブナを追い求めすぎても十分に気をつけていただきたいですね。


 あっ小野小町といいますがこれは名前ではないのです。現代にまで本名は伝わっていないので誰のことかは不明ですが、小野氏の娘であろうとのことでしかありません。また絶世の美女だったところから美しい女性をOO小町と言うようになったのです。
 ついでのついでに清少納言も本名ではありません。清原家の少納言の娘であろうという程度しか解っていません。清少納言が出て来ると紫式部も登場しないわけには行きませんが、こちらも本名ではなく藤原為時の娘程度しか解っていないのです。


 本名が解らないのは仕方なく平安時代は女性の本名を知るのは結婚相手のみでした。そのためにプロポーズの言葉はあなたの名前は?と聞くのです。


 勿論ヘラブナ釣り師の皆さんは山の神の名前は知っていますよね。