ヘラブナ釣り 個人的に好きなヘラ竿
経験の浅い私ですからお薦めの竿なんておこがましいとは思いますが、途中テニス肘を患い竿が振れなくなった時期も経験していますので、そんな個人的道のりを通して感じたヘラ竿についての感想から感じ取って貰えればと思います。
初めはそれこそ何だって良いと思って格安の竿はから使い出しました。先ず手にしたのがダイワの「陽舟」です。今でも硬式で比較的軽量に仕上がっていますすので、上位機種と極端な遜色は全く感じられません。あえていえば味付けの悪さでしょうか。とはいえ超軽量系の竿と実は変わらない印象を持っています。それは重量的にはそこそこあるのですが、竿全体の重量配分のためでしょう、竿先がとても軽快に感じる事が出来るのです。
陽舟
価格:10,433円 |
その次に手に入れましたのはダイワ「天峰剣」でした。この竿も今でも機会があれば使うのですが、良くも悪くも良い釣り味が楽しめる竿の1つです。この竿は既に発売は終わっていますが、後継機は「月光」とみて間違いないでしょう。低価格の竿ですから高弾性のカーボンが使われていませんので、重量的にもやや持ち重りはするのですが良い粘り腰を感じる竿です。
月光
価格:23,870円 |
順番は相前後するのですが今私のお気に入りはダイワ「兆」です。
軽量系に比べると持ち重り感に加えて、先の重さを感じますので軽快には使い辛いところがありますが、胴の柔軟度が比較的高く合わせショックやヘラブナの動きが上手くスポイルされていて、手に伝わる感触や腕に掛かる負担も上手く調整出来ていて、言ってみれば軽量な竹竿の感触に似ているといえるでしょうか。
勿論竹竿以上の操作性を持ち合わせていますので、長竿を1日振り続けていても疲労感は少ないと思います。
兆
価格:61,985円 |
兆に比べて同じダイワのヘラFの場合は、とんでもなく先が軽く羽根の竿かと思うほどの軽快感があります。但しその軽快感は高弾性のカーボンが使われていますので、手に伝わるヘラブナの動きがダイレクトに伝わってしまいます。ヘラの首振りが掌にゴンゴンと伝わり過ぎて、表現としては少し下品な伝わり方をしてしまいます。また腕に対する負担は軽量なために楽なのですが、ついついヘラブナの動きを無視してチカラで引き寄せてしまいます。耐えていると竿の戻りで自然と寄るのでしょうが、軽快な竿であるが為に主導権を取ってしまって、その結果としてチカラで引き寄せてしまう釣り方になってしまいます。
元々ヘラFを手に入れる切っ掛けはテニス肘(ヘラ肘)です。重く負担の掛かる竿が使えなくなってしまいましたので軽量竿を使い出したのです。それはそれは軽快で使いやすい竿と感じていたのです。一時期お薦めのヘラ竿と思っていたほどです。
ヘラF
価格:43,505円 |
同じ軽量系のダイワのヘラFXでは、不思議とFより重量そのものは軽いのですが、その軽さの出方が違うのか少し軽快感がスポイルされているように感じます。ただ兆を使っていてFXに持ち替えますとまさに羽根で釣っているのかと思うほど軽量に仕上がっていることが解ります。味付け的にはFに近いのですが良い感じでしっかり感があります。軽量系パワーロッドの位置づけになっているのですが、FやSとの極端な違いを私に感じられませんでした。
ヘラFX
価格:56,210円 |
ダイワには軽量系としてF・FXがありますがそこにSが登場しました。
印象的には軽量さん兄弟のそろい踏みですが、個人的に今から軽量系の竿を取りそろえるとするならSがお薦めではないかと思っていますが、ヘラブナ釣りの経験年数が長い人にとっては、味付けが無味乾燥的で面白くないかも知れません。
ヘラ竿がこんなに軽快に振れるのは他に無いのではと思うほど、どの尺数でも疲れ知らずで使えると思います。ただFの印象と同じようにヘラブナの動きであるゴンゴンとしたショックが手にダイレクトに伝わりますので、下品というと怒られますが競技用というか釣り味を楽しむべき竿ではない印象があります。
ヘラS
価格:51,590円 |
何となくの印象ですが、FXが長男でFが次男坊Sが勝手気ままな末っ子でしょうか。となると兆は父親そのものと思えてくるから面白いですね。
では前出の陽舟や天峰剣に続く月光はなんだろうと思うと、陽舟は元気で頑固なおじいちゃんで月光の柔腰はお婆ちゃんでしょうか。
おっと母親の存在が抜けていますね。私的にはヘラXの強さを持って来たい気がします。華奢な母親像ではなくて肝っ玉母さん風といえばいいでしょうか。少々の大型サイズでも諸ともせずに釣り上げてしまう様は、ものに動じないお母さんそのものでしょう。
ヘラXは主に中尺から短竿で使っていますが、軽量系のSでは軽すぎて私的には使い辛いと感じています。競技会のような手返しの早さが勝負になる場合は別でしょうが、日曜釣り師としては1枚釣り上げる楽しさが半減してしまいます。とはいえ月光の短竿では大助に太刀打ち出来ない印象がありますので、Xの良い感じの腰の強さでやり取りしています。中尺では上位機種にある大助対応の荒法師なみの粘り腰を見せます。
ハッキリ言いまして大助対応としてはヘラXで十分と思うのですが、Xは重量がありますので中尺以上になると荒法師には敵いません。
ヘラX
価格:33,088円 |
荒法師
ダイワ 荒法師 武天 15 K (O01) (D01) (セール対象商品) 価格:73,893円 |
今回ダイワばかり取り上げました。テニス肘の結果軽量竿の虜となって軽量竿を薦めて参りましたが、テニス肘がすっかり治ってしまった今としては、軽量が故の不満が見えてきました。ヘラFのゴンゴンとした手応えが下品といいますか釣り人に優しくないし、上手く解消出来てないと感じたのです。その点シマノの閃光Lではそのゴンゴンとした伝わり方が軽減されていますので、伊達に値段が高いだけとはいえないと思いましたが、それでも何となく使い難いと感じてしまいましたので、少し重量が増えてしまいますが釣り味の良いものにシフトしたのです。
また硬式胴調子である煉は大型に的を絞った竿といえそうで、少々の事で竿が負けることはありませんが、年齢を重ねてしまいますと使い難いかも知れません。ただ他の竿と比べなければそんなに感じないのですが、使い分けると明らかな硬調子過ぎる感があります。その点ヘラXは硬調でありながらも柔軟度が残っている全体調子ですから、私的には身体的にも優しい大型対応ヘラ竿として、買って間違いのないヘラXをお薦めしたいと思いました。
今回持ち竿の整理としてダイワ製にシフトしましたが、どんな調子が自分に合っているのか、どんな調子を求めているのかをよくよく考えますと、竹調子でありながらカーボンの良さを感じられる竿が、釣り味と身体への負担を考えた結果として、「ダイワ兆」をお薦めの竿と致しました。
高価な部類に入る竿ですから全尺数を揃えるなんて事は全く出来ませんが、この竿の特徴を感じるためには12尺以上18尺までではないかと思いました。11尺以下だとそれそれの竿の特徴がとてもわかり辛く、また19尺以上になると持ち重りのモーメントが勝ってしまって、竿の特性を感じる以上に負担に感じてしまうのではと思ったからです。
昨今しなり調子の竿が発売されるようになりましたのも、ビンビンと手に伝わるヘラブナの動きを感じるような、攻撃的な竿作りからその刺激を上手くあしらう竹調子が見直されたからでしょう。兆はそんなしなり調子とまでは行きませんが、素人の私ですら上手く設計されていると感じるものでした。
兆から1年遅れで発売されました「龍聖」は腰が強く、強引な取り込みが出来る設定ですから、私の好みには合わないのではと何となく思っているのですが、1度使ってみることでダイワの新しい姿勢が感じられるのかも知れません。
龍聖
価格:61,600円 |
とはいえ彼法師や独歩のような上位機種はまだ使ったことがありませんので、各メーカーのフラッグシップを使わなければ、そのメーカーの求めているものは解らないはずですが、残念ながらフラッグシップモデルを手に入れるには、宝くじでも当たらなければ無理な相談ですから、これからも解らないままに終わってしまうことでしょう。
しかしそんなフラッグシップモデルをいったい何人の釣り師が手に入れることが出来るのでしょう。
さぁてあと何年釣りが出来るかわかりませんが、今出来る楽しみは経験しておかないと後で後悔することになりかねませんね。
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。