両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 当たりが出ないその時・・・1

 ホームグラウンドの淀の釣り天狗池の場合は、水深も2本程度しかありませんが、毎日井戸水が注水され続けていますので、それなりに水の循環もありますし水温も極端に下がることはありません。余程のことがない限り当たりが出なかったり釣れなかったことはないのですが、過去に1度だけですが1日の中で1度だけの当たりで1枚の釣果だった記憶はありますが、それ以外はそんなに貧果だった記憶はありませんから、それなりに当たりがあり釣れていたはずです。


 第二のホームグラウンドになっている滋賀県の清風池では、湧き水があるとのことですが井戸水のような強制的に注水されているわけでもありませんので、一旦水が汚れたり冬期には檜オイルが流れ出してしまうと、一気に水の状態が悪くなってしまってヘラブナの活性を落としてしまいます。
 そんな時に釣行してしまうとそうそう簡単には当たりを送ってくれることはありませんし、当然釣果に恵まれない方も出てしまいます。そんな場合はいったい何をすれば良いのでしょう。


 トーナメンターと称される人達は、勝負の度に色々な池に行かれますし、池のコンディションも随分と違っていると思いますが、それでもコンスタントな成績を収められていますのでなかなか真似の出来ない事ではあるのですが、それにはいったいどんな秘訣があるのだろうと思うのです。とはいえこれが正解なんて方程式が有るわけでなく、その日その日の状況をいち早く分析して、それに見合った対応をされるために平均以上の成績が収められていることと思います。
 それを私のような日曜釣り師が出来る芸当であるはずもなく、釣れないなぁ当たらないなぁって嘆き続けるしかないのですが、嘆いていたところで釣れるようにならないのですから、その時はいったい何をすべきなんでしょう。


 数少ない私の経験ですが、私の釣っているポイントにヘラブナが集まっているのかいないのか、先ずはそこに見定めるところから始めなければならないでしょう。


 関東地方のように放流密度の高い池では、浮きに出る触りで判断するのでしょうが、私の通う池は基本底釣り専門ですからなじむまでに触りが出ることは少なく、浮きが立って最後の最後になじみきる少し前から触るのが関の山で、殆どの場合は触りが出ないと思った方が良いのかも知れません。
 それでも浮きの周りに泡づけが出たりしますので、そろそろ寄ってきていると感じる事は出来るのですが、浮きの直ぐ傍で幾ら多くの泡づけが出たとしても、全く刺し餌を食ってくれないのですから困ります。


 その前に浮きの周りに泡づけすら出てない場合は、先ずは必死になって寄せる以外ないはずです。とはいえ冬期にそうは簡単に寄ってくれたりしませんのでいったい何をすべきなんでしょうか。調子の悪いときはホントに生命反応すら感じないのですから、水たまりで釣っているのかと思う程に何の変化が起きないのです。
 先日も檜オイルが大量に池に入ったがため油膜がしっかり張っています。私の釣り座は風下でもありましたので、竿の届く範囲一面に油膜が張り枯れ葉などのゴミも集まってきていました。何故か水の色も悪くて透明な仕掛け糸ですら真っ黒になる程で、竿を拭くとそれこそドブ水に浸けていた程の汚れようでした。
 ただ水温は11度ありましたので沈黙する水温でもありませんが、周りの生えている檜の灰汁と油によって活性が落ちてしまっていたようです。とはいえ全てのヘラブナの活性がなくなったわけではありませんので、その中で少しでも活性を残しているヘラブナを集める以外ないわけです。


 そこで先ずは寄せに掛かる必要があります。寄せるための方法としましては何度も書いていますが先ずは音です。仕掛けをそっと落とし込むのではなくて、振り切りで餌打ちすることで、比較的大きな音を響かせることが出来ます。つまり池にいるヘラブナに餌を打っているぞと聞かせるのです。新ベラが動くかどうかはわかりませんが、旧ベラはある程度学習しているはずですから音は有効だと思っています。


 その次は臭いです。その臭いは人間が美味しそうと感じるものは基本ヘラブナには有効かは甚だ疑問で、その1つにニンニク臭があります。あのニンニク臭は人間的には食欲を増す臭いですが、果たしてヘラブナにも有効なんでしょうか。
 もう一つはバニラ臭です。こちらも甘い香りとして人間には届くのですが、アイスクリームを食べたことのないヘラブナが、甘くて美味しそうな臭いと感じることはないと思うのです。実際バニラビーンズを直接舐めても酷い悪臭と苦みで、あの爽やかな甘みとはほとほと追い代物です。
 日本人なら醤油の焦げた臭いは食欲増進剤でしょう。ウナギの蒲焼きや餅の醤油をつけて焼いた香りや焼肉のタレが焦げた臭いも、習慣的に記憶している臭いですから、自動的に脳が連想させて美味しそうと感じるわけです。それほど醤油に慣れ親しんでいる日本人ですから、学習結果として食欲をかき立てる臭いとなるわけです。ヨーロッパなどでオペラ鑑賞しますと、隣に日本人が来ると醤油臭いと嫌う程ですから、日常的に醤油を食べていることになりますね。


 ではヘラブナはいったいどんな臭いが好みなのでしょう。集魚効果の高い餌として認知されている餌としてペレットがあります。あのペレットの臭いを嗅いで美味しそうと感じる人はいったい何人いるのでしょう。最低限私には臭いと感じる事はあっても良い匂いとは全く感じる事が出来ません。
 もう一つはビール酵母です。これもまたビールそのものの臭いならまだしも、酵母菌の臭いを嗅いでビールが飲みたいとは全く感じないのです。
 さなぎ粉はどうでしょう。東南アジアの一部や日本のどこだったか食べる地方があるようですが、私にはどうしても食指を動かすことが出来ません。出来れば嗅ぎたくない臭いの1つに違いありません。
 サナギは淡水魚だけでなく黒鯛でも好餌でしたので、人間が臭いと感じる以上に魚には良い香りと認識していると思われますが、実はサナギでの集魚効果はサナギの臭いではなくて、サナギに含まれる多量のアミノ酸効果だとわかっているのです。
 集魚効果がもっとも高い成分としては各種アミノ酸があります。アミノ酸を嗅ぎ分けられる人間は誰一人存在しないと思いますが、魚類は何万倍に薄めたとしても嗅ぎ分けられるのですから凄いとしか言いようがないですね。
 鮭が母川に戻る事が出来るのも、川によるアミノ酸の違いを嗅ぎ分けているといわれています。


 つまり何を持って寄せるかは音であり臭いとなるのですが、どの臭いが適しているのかは全くわかりません。だとしてもこの部分はとても重要だと思うのですが、無闇に音を立てるのはマナー違反ですから注意しましょう。


 多分癖になってしまっているのでしょうがバシャっと横に合わせる方がいます。小さく鋭く合わせる方法なのでしょうが、大きな釣り場で余裕を持って座っている場合は良いのですが、隣り合って座っている場所で横に振っても当たらない程の間隔は空いていません。それを横に合わせるのは良くないので出来るだけ小さくそっと上に合わせて頂きたいのですが、合わせの音で寄せるのは夏から秋限定でしょうか。冬期になるとその音は邪魔であっても有効ではないと思っています。


 臭いはどれが良いかは実際には全くわかりません。結果としてヘラブナが慣れているのが良いと思うのですが、そうなるとマッシュや麩なんて食ったこともないはずなのに釣れてきますから、益々わからなくなってしまいますよね。


 最後は視認です。音で気を引き臭いで集めて、最後に視認性で食わせてやろうというものです。これもまた陸上にいる人間が考えたに過ぎませんから、全く的を射てない可能性は大ですが、ハリスの考え方の反対をすれば良いと思っているのです。
 ハリスは如何にそこにないかのような演出する必要があるはずです。その為に透明なハリスが一般的ですが、カメレオン的に水に同化させるハリスも存在します。見えないハリスと自然落下させることで、ハリスの存在を極力消してしまうような演出をするはずですが、ハリスは見せない事で警戒心を取り釣ってやろうとの考え方でしょう。


 視認性を高めて食わせるには、極力目立たせる必要があると思うのです。


 ヘラブナ用の餌にはキラキラと光るように作られて餌があります。餌が光ることで存在を目立たせるわけですが、見えにくい餌より確実に寄ってくれると思うのですが、これもまた残念なことに寄りはしても食いにくいのか、なかなか食ってくれないのですから訳がわかりません。


 仮にポイントに十分にヘラブナが集まってくれたとして、それで刺し餌を食わせるにはいったい何をすべきかとなるのですが、集まっているのに当たりを返してくれないときがあります。団子餌の場合は硬く作ったりバラケさせないように作ったりすると、往々にして当たりが出ない餌となってしまいますが、仮にその餌がうどんだったらどうでしょう。決してバラケることはありません。となるとバラケないのは釣れない餌ともいえませんね。
 ただ同時にうどん餌の場合は、まぶし粉を着けて釣りますがそのまぶし粉がうどんに付着したままでは食ってくれないのです。まぶし粉が全て剥がれた後に食ってきますので、ヘラブナにとってまぶし粉は必要な餌なのか必要でないのか、いったい何が原因でまぶし粉付きのうどん餌は食べないのでしょう。ハッキリ言いましてこの部分も全く解明出来ていません。団子餌で食うのですからまぶし粉が着いていても良いはずですが、不思議と食ってくれないんですよね。


 考え方の1つですが、餌のサイズが大きなポイントを握っているのではないでしょうか。まぶし粉付きのうどんは、まぶし粉が剥がれることでサイズが小さくなります。
 団子餌の場合も徐々にバラケてサイズが小さくなります。グルテンとて同じ事でしょうか。いやグルテンもバラケて小さくなってから食ってくると思うのです。
 大きい餌は小さくなってから当たるのですから、初めから小さく作る方が手っ取り早い話です。現実的に小さめに作ると間髪入れずに食ってくれることが多々ありますからね。


 次に団子餌やグルテン餌の場合、餌を作ってから時間が経てば建つほどに、餌の状態に変化が起きてしまい、簡単にバラケなくなってしまいます。そうなると一気に当たりが遠くなりますので、ラフ付けしてバラケ方を早めてやる必要があります。ただこれはなかなか悩ましいことで、短竿ならこれで殆どの場合解決しますが、長竿なら簡単に餌が飛んで行ってしまいます。
 またうどん餌の場合も、まぶし粉を着けて放置時間が長くなってしまうと、まぶし粉の剥がれが遅くなり結果として当たりが出なくなる場合があります。
 そんな時はどうするか・・・・


 グルテン餌も時間の経過するにつれて何故か繊維部分が切れてしまい、現実に食い難い餌になってしまいます。そーっとグルテンを引きちぎるとわかりますが、トロロか納豆のように糸を引いて千切れるはずですが、時間経過に伴ってその糸は消えてしまいます。つまり綺麗にばらけて針のフトコロ部分に繊維が残らなくなってしまいます。丸めているだけではわからないのですが、ある程度の時間が経過したらその丸めた餌を引きちぎってみることで確認出来ます。
 団子餌も時間経過と共にバラケ性に変化が起きてしまいます。目の前に1つ落としてみるとわかりますが、何の変化もなく落ちていってしまいます。仮に浮く餌を作っていたのに沈む餌になっていたり、バラケる餌を作っていたのにバラケないで落ちて行くようになります。
 うどんもまぶし粉を付けてから放置していると、簡単に剥がれなくなってしまいますが、ポトンと落としてみると全く剥がれないで落ちていく様子が見えるはずです。


 つまり餌を作ってから使い切るまでの時間が短ければ短い方が良いと思っているのですが、ぶっちゃけ私的解決策は、全ての餌を作り直すこと!これに尽きると思っています。


 当たりが出ないとき、餌打ちの音、集魚効果のある臭い、そして餌を作り直して調子を整える事、この3要素が重要な事と思っているのですが、作った餌を無駄にするのは惜しいですよね。やはり基本餌を作ってそれを手直しするようにすると、無駄が減ると思うのですが、果たして正解かどうかは釣れないときにでも試してみて下さい。


 そうそう底釣りでバラケ餌を効かせすぎると、集まっているのは確認出来ますが、最後の最後に食い当たりに結びつかないことがあります。少々当たりが遠かったとしても、底近くまたは底に着底してから広がる餌作りをすることで、結果的にいい釣果に結びつくことも多々ありますのでバラケ過ぎは御法度です。
 ただですね。打てども打てども当たりが出ないのはホント辛いですよね。そんな時は少し団子にひびを入れて、チモトだけキュッと締めて打つと開きが早く出来ますので、当たりが早く出ることがありますのでお試し下さい。