両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ダイワ ヘラS-Fスペック 新発売

 先日来ご紹介していますようにヘラ竿が新しく発売されているのですが、今までの路線である競技用から釣り味を追求する、趣味性に力点を置いた方向にメーカーの目は向いているように感じています。
 それはとても良いことだと思うのですが、メーカー主催の競技会を開催してこのロッドはヘラに有無を言わさず引き寄せる力強さや、手返しの早さなどを誇示していたのではないでしょうか。
 競技会的な要素は残しつつも親睦や新製品を手にするような機会を、メーカー主催による釣竿お試し釣り大会の開催をもっと増やして頂くことで、また違った視点の面白さがアピール出来るように思います。
 今までにも釣具店とタイアップしたお試しの機会はありました。ただ私のように気の弱い人間ですと、その釣具店になじみが少ない場合や、何となく買わなければならないような雰囲気が少しでもすると、いってみようかとは思わなくなってしまいます。あのデパートで店員が近寄ってくるあの感覚に良く似ていると思うのです。
 出来れば釣り堀や管理釣り場単位で、ロッドのお試し企画を組んで頂くと良いのではないかと思うのですが、もしメーカーの広報の方が見ておられたら一考をお願いしたいと思います。


 さて、いつものように前書きが長くなりましたが(笑)、ダイワの競技用ヘラ竿に分類されているヘラSに柔軟性を取り入れたFスペックが発売されました(2019年10月)。但し8尺と9尺のもっとも競技用に使われる尺数にだけ採用されています。(口巻きのカーが違っています)
                               ヘラS・Fスペック

                               ヘラS


 説明文には次のように書かれています。


 トーナメント独特の1尾勝負に競り勝つために開発された“F-SPEC”



手返しを良くすることで短時間勝負のトーナメントに釣り勝つためのスタンダードな「HERA S」シリーズに対し、シビアな状況で繊細な仕掛け・エサ使い、そしてバラさず取り込む胴の動きで競り勝つために追加開発されたのが“F-SPEC”。スタンダードな「HERA S」シリーズと使い分けることで磐石の態勢を築けるトーナメント仕様です。


 とのことですが、つまりは元々のヘラSはピンシャンし過ぎていたとの反省からの仕様変更といえそうです。ヘラブナ釣りの基本は、ヘラブナの引きを竿のしなりなど柔軟性で耐えることで、細い道糸やハリスでも切れることなく耐えられていたのですが、最近の竿の傾向としては、その柔軟性よりも取り込み重視でやや硬く仕上がっていた印象があります。その昔の竿より遙かに硬いと思うのですが、それでも一頃の極端な先調子からダイワの製品に見られるような胴に乗せる仕様に戻りつつありました。ただシマノの皆空のような勝負竿にも目が向いてしまった結果、ヘラSが開発されたと思うのですが、やはりそこには無理が生じてしまったのでしょう。やはり従来のヘラブナの引きは胴に乗せて耐える竿、ダイワの得意とする株理論を具現化したFスペックの誕生となったのではないでしょうか。


 私が使っているヘラSは14尺と15尺ですが極端なピンシャンは感じませんので、やはり短竿になればなるほど、胴の強さを持たせる必要がありますので硬く仕上がりすぎたのかも知れませんね。


 一般の釣り師は、やはり競技用の竿を持ちたいものなんでしょうか。釣り味より早く取り込みたいと思うものなんでしょうか。
 私は基本的に数釣りの大会は開催も参加もしていませんから、早く釣り上げてまた早く打ち込んで多い釣り上げたいなんて、脅迫観念にも似た感覚は持ち合わせていません。競技会に興味の無い多くのヘラ釣り師も同じ考えだと思うのです。如何にして1枚のヘラブナを楽しむか、それに重点を置いた釣り味を楽しむヘラ竿作りに大いに専念して頂きたいと思うのですが、何故か最近新しく発売されるダイワの玄むく・Yやシマノの飛天弓 柳は重いのです。釣り味を追求されているのは良いのですが、同時に軽量化を図って頂くとどんなに釣りやすくて楽しい竿に仕上がるか。あくまでも個人的な乾燥ですが、高齢化が進むヘラ釣り師達に使って貰うには、その方向に向くべきではないかと思うのですが如何でしょう。