　雨の日のヘラブナ釣具

2019/08/21 10:00

　まだまだ暑い日が続いていますが、そろそろ秋雨前線の気象情報が聞かれるようになりました。もう暫くするとこの暑さからは開放されそうですが、カッパを着るには暑すぎますから、パラソル程度でしのげる程度の雨風であって欲しいですね。

　さて、雨の日の釣具はどのようにされていますでしょうか。今までで雨が降ることで一番不自由で何よりも困りましたのは竹竿です。竹竿は漆が塗られていますので、竿の表面からは吸水しないのですが、竹竿の内側は防水機能はありません。竿の上下動に伴って継ぎ目からはどうしても水が入り、内側から水を吸ってしまいますので竹が膨張します。その結果固着してしまい竿が抜けなくなってしまうのです。抜けなくなった竿を滑り止めなどを使って無理に抜いてしまうと、すげ口を割ってしまう事故が起きますので、抜けない竿をそのまま持ち帰り自然乾燥させてから抜くようにしていました。
　対策としてロウを塗る方もいるようですが、ロウを塗ると通常の晴れの日には簡単に抜けてしまって、穂先などを喪失する事故が起きてしまいます。反対に晴れた日には竹竿を継ぐ前にすげ口濡らしてから継ぐと、穂先などがすっぽ抜け事故が防げるのです。
　結果的に雨の日の竹竿は使わなくなったのですが、カンカン照りの日にも竹が焼けてしまいますので、季候の良くなった時期にのみ使うようになりました。

　実は、竹竿よりやっかいだと思いますのが竿掛（竿受け）です。多くの方は竹製の竿受けを使われていると思うのですが、この竿受けも同じように内側は塗装されていませんので、雨の日に枕や継ぎ目のすげ口が膨張して抜けなくなってしまうことがあります。竿のように上げ下げはしませんので、雨水の浸入は少ないのは間違いないのですが、どうしても毛細管現象が働いてしまって、水が入り込み抜けなくなってしまうことが多々ありました。
　その対策としては、継ぎ目に隙間が出来ないように出来るだけ綺麗に差し込めるように調整することですが、竹竿と違って竿受けはウレタン塗装されている場合が多々あります。ウレタン塗装であれば漆のように難しい事はありませんので、素人でも簡単に再塗装出来ます。艶がなくなっていると感じた折には、再塗装して水の浸入を減らす対策を取られることをお薦めします。
　但し！！すげ口のオス側に分厚い塗装をしてしまうと入らなくなってしまいますので、極力薄く薄く伸ばすして塗装し、塗り重ねることですげ口調整をすると綺麗に収まります。薄く塗り伸ばすのも慣れないと難しいですから、水性であれば水で薄めてから塗装されると薄い塗膜となります。油性ではシンナーで薄めると水性より綺麗に伸ばす事が出来ます。
　注意が必要な事が1つあります。ウレタン塗料よりアクリル塗料の方が安価で売られているのですが、水に関連した釣具にアクリル塗料は適していませんので、少々高価であってもウレタン塗料を選ぶようにして下さい。

　私的な雨対策としまして次のようにしています
　１．カーボン製の竿を使う
　１．カーボン製の竿受けを使う
　１．カーボン製の玉の柄を使うまたは樹脂製の玉を使う

　これだけで竿の固着事故から解放されるのです。樹脂製の玉はなかなか売っていませんので、大いに探して頂く必要がありますが、カーボン製の玉でも差し込みが木製のものがあります。それでは固着事故が起きる可能性があり、無理にヒネって抜こうとすると玉との連結部分が壊れてしまうことがあります。カーボン製でも玉枠と差し込み部分まで一体のカーボン製がお薦めですがなかなか無いんですよねぇ。私が使っている樹脂製も玉枠から差し込みまでが一体のものですから、吸水して固着する事故は全く無くなりました。

　カーボンの竿掛や玉の柄は、最近短竿を使用されている方が多いためか、特に玉の柄も短い1本ものを使われる方が多いように見受けます。ただどうしても短い玉の柄を使用しますと、竿の2番の捕持ちあたりに負担を掛けますので、極力長い2本ものを用意しておいて、状況に合わせて1本・1本半・2本と使い分けられることをお薦めします。

カーボン竿掛・玉の柄（朱紋峰　竿掛・玉ノ柄）