両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り用うどんのワラビについて

 ワラビうどんと一般的にいいますが、それは食用うどんとの区別としての名称であり、実際にわらび粉で作られているものではありません。


 ワラビうどんとは、基本的にデンプンを一定量の水で溶いて、熱を加えることで糊化させ、それをうどん状に絞り出したものです。


 一般に手に入るデンプンは、なんといっても片栗粉(ジャガイモデンプン)でしょうか。本来のカタクリで作られたものは市販されてないと思いますが、通称名として知られているものが片栗粉で原料はジャガイモです。料理には1番使いやすいデンプンとなっています。それは少量で糊化しやすく簡単にトロミを付ける事が出来るのですが、老化が激しくて単体ではわらびうどんとしては使えません。
 老化とは糊化したデンプンが元に戻ろうとする現象を老化と表現します。現実的に元の粉と水にまで戻ることはないのですが、通常は白濁して硬化してしまいます。釣り場などでは、粘度が低下してうどん状態が保てず、崩壊してしまうのですが、これもある程度は現状を保持することが可能なのです。


 ワラビうどんの原料はデンプンです。そのデンプンには多数の種類があるのですが、初めはデンプンと水を鍋に入れて火に掛け、粘度が増し透明感が全体に出るまで、ひたすら何度もかき混ぜ続けて作っていました。この方法はワラビうどんを作る方法というよりは、わらび餅や葛切りを作る方法として一般化していました。現実的には使用デンプンに適した温度まで上昇すれば良いだけですので、電子レンジで簡単に作ることが出来るのです。


 使用する入れ物としてマグカップを使われている方も多いと思いますが、実は丼が一番使いやすいのです。作る量に拘わらずマグカップより遙かにかき混ぜやすいからです。また押し出しポンプに入れる時にも、丼の方が取り出しやすいのです。使い終わって洗うときもとても洗いやすいですから、奥様に怒られることも少なくなります(笑)。1度丼を使うともう2度とマグカップは使いたくなくなってしまいます。是非お試し下さい!!


 さて、デンプンには多数の種類が発売されています。一般的スーパーでは手に入らない種類もありますが、業務用などを取り扱っているお店またはネット販売で手に入れることが出来ます。ヘラブナ用として釣具店でも手に入りますが、食用のデンプンの方が格安で手に入るだけでなく、自分なりにブレンドをして自分だけのまさにオリジナルのワラビうどんを作り上げることが出来ますので、試されては如何でしょうか。


 片栗粉(ジャガイモデンプン)一番一般的なデンプンで安価に市中に出回っています。とても粘度が高く少量でも糊化しやすいのですが、最高粘度は他のどれよりも高く、少量で糊化をすることが出来ますので、一番安くワラビうどんを作ることが出来ますが、単体では老化がしやすいため他に何と混ぜるかで、その特性を利用する方法を探る必要があります。


 わらび粉(甘藷澱粉)、サツマイモのデンプン質を利用しているものがわらび粉の名称で売られています。本物のわらびから採ったデンプンはとんでもなく高価で、釣り餌には到底使えない程超高価なものですが、通称名のわらび粉であれば比較的安価で、単体でもわらびうどんとしても使う事が出来ますが、他の一般的デンプンと比べると若干高めになってしまいます。ワラビうどんの主材料としての利用で他のデンプンと混ぜることで、単価も下げる事が出来ますし、硬さや粘度の調整が出来ます。


 米でん粉は文字通り米のデンプンですが、餅米が原料となっています。製品としては、白玉やういろうが知られています。寒梅粉や道明寺粉もこれらの仲間になりますが、こちらも釣り餌として使うには高価な部類になりますので、現実問題としては使えないでしょう。


 小麦でん粉も文字通り小麦から作られているのですが、小麦からグルテンを取りのぞしたものがデンプンになります。他のデンプンより高温にすることで糊化する性質があり、その後の安定も良いために、かまぼこやお好み焼きソース、レトルト食品のような粘度のある食品に利用されています。


 コーンスターチは、トウモロコシが原料ですが、粘度が比較的弱くてうどんに仕上げることが出来ません。135℃以上で加圧糊化させるひつようがあるために、段ボールなどの接着に利用されています。また反対にその粘度の弱さから市販されている糊の原料として一番多く使われています。
 単体ではうどんとしては使えませんので、他のデンプンと混合する必要があります。混合割合によって求める硬さや粘度を求める事が出来るでしょう。


 葛でん粉いわゆる葛粉ですが、吉野葛に代表されるようにとても高価なものです。その高価さは本わらび粉には及びませんが、やはり釣り用のうどんには到底使える価格ではないですね。


 タピオカは今流行の飲料に入っていますが、キャッサバ芋のデンプンです。元々キャッサバにはシアン化物が含まれていますので、有毒食物ではあるのですが、晒したり天日乾燥する工程で殆どのシアンは取り除かれていきます。他のどれよりもワラビうどん状態を保持しやすい特徴を持っています。但しとても膨張しやすく粘度も高いために単体では使い難いうどんになります。但し他のデンプンと混合することで、使いやすいワラビうどんを作ることが出来ます。


 これら生デンプン以外にアルファー化されたデンプンがあります。それは温度を必要とせず水で糊化することが出来ます。インスタントうどんなどはこの系統が使われています。


 色々なデンプンが市販されていますが、どれをどのように混合することで理想とするワラビうどんを作ることが出来るか、デンプンの混合割合と同時に水分量も大きな要素となります。また粘度を最高の状態にするための温度もデンプンの性質が違いますので、混合割合によって全く違ってしまいます。
 電子レンジで作ったとしても、いつの時点で攪拌(かき混ぜる)するのかも実は違っています。まだどの程度攪拌するかによっても出来上がったうどんが違ってきます。何回も混ぜれば混ぜる程良いものが出来るとは限らず、混ぜすぎると粘度が下がってしまうことも起きます。その違いも残念ですが全て経験でしか見つけることが出来ないのです。


 私のワラビうどんは、どのデンプンとどのデンプンをどの程度の混合割合にするか、また電子レンジ温度やかき混ぜるタイミングも全て決まっていますが、それでも季節によって混合割合と水の量は加減しています。また使用される電子レンジの性能の違いもありますので、単純に何ワットで何分とか何度とかも言えないのです。私的には温度が加わっていく状態を目視して、私が最適だと思うタイミングで一旦取り出し、1度かき混ぜた後に再度レンジに入れて温度を上げていく作業をしていますから、こうすれば良いとは到底言えないのです。


 作ったワラビうどんが理想的であるかどうかも、釣り場に持ち込んで針保ちやヘラブナの吸い込み状態など、その季節毎に確認してやっとわかると思っています。
 市販されているワラビうどんの素を使うのが簡単でしょうが、自作浮きと同じように自作のうどんで釣果を上げる事が出来れば、やはり同じ1枚を釣り上げるヘラブナにも、感動の違いがあるというものです。
 また太さによっても全く違ってきますので、絞り出すノズルの太さもアレコレ調整をして、その違いによる当たり方も試すと、コレもまた楽しいヘラブナ釣りとなると思います。


 また作り上げたワラビうどんを1日中使えるうどんにするためには、欠かすことが出来ないのが保冷です。夏場は特に必要ですのでお忘れなく。そうするだけで安定剤なども必要ないと感じています。


 そうそう、単純にデンプンを水に溶いて作り上げるだけでなく、そこに何かを混ぜるなどもまた工夫する余地があります。


 表によるデンプン性質の違いです(三和澱粉工業株式会社より拝借しました)




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