両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 反応速度

 ヘラブナ釣りは他の釣魚と比べるとよりも素早い合わせ動作が必要と感じています。基本川の魚は鯉やウナギを除くと即合わせが基本になります。ただ素早いとされているイワナやアマゴのような渓流魚は案外ワンテンポ遅れても釣れるのですが、オイカワなどは即合わせをしなければ針掛かりしません。


 その点海の魚はしっかりと食わせるために、浮きに出た当たりを少し送ってから合わせなければ素針を引くことも多いので、ヘラブナ釣りや川釣りに慣れている方は当たりが出ても暫く待つことが上手く出来なかったりします。


 さてヘラブナ釣りに於いては当たりが出ると即合わせをしますが、その反応速度はどの程度でしょう。


 人の反応速度には目で見て頭で解析する場合と、耳で聞いて頭で解析する方法があります。別に脊髄反射もありますがこの場合は生体反応ですから無視するとして、他には接触、嗅覚などがありますが、基本的に視覚は光を網膜に投影して視神経により脳に伝達されます。音は鼓膜の振動を聴覚神経によって脳に伝わるのですが、その神経伝達物質が放出されることで脳に伝わるのですが、この神経伝達物質のことをシナプスといいます。耳で捉えた音を脳に伝えるより、見たものが脳に伝わる方が神経回路が多いので、本来は見て反応する方が遅いはずです。


 しかし人はそれぞれで耳で判断するより目で見て判断する方が早い人がいます。今の競技ではどうか知りませんが、100m走などではピストルでパンという音を出させますが、あのピストルには黒い板が取り付けてあり、ピストルが鳴るのは火薬が爆発するためですが、パンとなるのと同時に煙が出るのでそれが良く見えるようになっているのです。それで競技の公平性が保たれています。


 いつものように横道に逸れていますが、ヘラブナ釣りの場合は浮きの動きを目で見て当たりであるかどうかの判断をします。浮きの動きを捉えてその動きが食い当たりであるのかそうでないのかをまず脳に伝えて判断しています。目に入ってきた浮きの動きを網膜で捉えるのですが、脳に伝えるまでの速度が0.4秒余りかかります。


 0.4秒ですから思った以上に早いことが解りますが、単純反応速度を測る方法があります。例えば明かりが点くとボタンを押すという単純作業ですが、この場合は0.2~0.3秒で処理が出来るのですが、仮に明かりが赤だとボタンを押さず青だと押すという条件を与えると、脳の処理速度と神経の伝達速度で大きな差が出てきます。


 ヘラブナ釣りのように浮きが動くと合わせるという単純なものではなく、浮きの動き方からスレ当たりか食い当たりかを判断して合わせ動作に入るのですが、合わせの力の入れ加減などコントロールが必要になると、反応速度は随分と違ってきます。


 ヘラブナ釣りのデーターはないのですが、車の運転に対する反応時間は調べられています。具体的な時間を明示するとなんとなく誤解を生みそうなので割愛しますが、年齢による反応速度の差も出てきます。


 ただ面白い事にヘラブナ釣りの場合は、長い経験年数もある事から反応速度には大きな差が出にくい傾向にあります。そのため歳と共に合わせ速度が遅れるとの自覚も少ないはずで、実は反応速度よりも認知速度に違いが出ているようです。


 つまり年齢を重ねることで一番肝心な浮きの動きを見て、食い当たりであるかどうかの判断速度が遅くなりがちということです。そのためあっ!当たったと合わせ動作が出来ないまま、浮きが戻ってから良い当たりだったなんて事を認識している場合があるのです。自覚できるほどその判断速度が衰えていると感じてしまいます。


 当たりが出ても即合わせが出来るようにと、知らず知らずのうちに竿を握る手にチカラが入ってしまいますが、実は合わせ動作の速度と竿を握るチカラには相関関係はなく、敢えて言えば竿に手が触れているが強く握ってない方が反応は早い傾向にあります。もっというと反応速度は静止状態から動作に移るより、動き続けている方が早いことも解っています。


 テニスプレーヤーがレシーブするときに、静止していなくて身体を左右に揺らしているのを見たことがあると思うのですが、素人目には身体が反対方向に動いていると反応が遅れそうですが、それでも静止状態から始動するより早いのです。


 ということはヘラブナ釣りで浮きの食い当たりを見て素早く合わせ動作に入るためには、竿の握りを優しく握っては離してと、にぎにぎと繰り返している方が反応が早いのです。とはいえにぎにぎしているのも何となくみっともないので実際にはしませんが、強く握るのではなくて優しく手を添える程度の感覚で握りを持つと、反応速度が上がると考えられるのです。


 まぁ素早い反応が出来たとしても、ヘラブナが即餌を吐き出している場合には間違いなく合わせ遅れしますので、人間の動作は至極遅いことが解ります。そうそう猿の方が人間の脳の処理速度より速いのも解っています。


 あっ。猿が出ましたのでついでの話ですが、猿の惑星って映画がその昔にありました。あれはアインシュタインの相対性理論に基づいたSF映画ですが、不時着した星は猿によって支配されている星だったのです。後にこの星は地球だったと気がつくのですが、地球を支配していたあの猿のモデルは日本人だったのです。人種差別極まりないのですが、日本人にも支持された映画だったのは皮肉なことですね。