両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 厳寒期の対策

 アッという間に1月が終わりもう2月となってしまいました。歳と共に月日の流れるのはとても早くなっていますが、充実した日々を過ごすにはどうすれば良いのでしょう。
 やはり快適なヘラブナ釣りをすることに尽きるような気がするのですが、厳寒期でもヘラブナ釣りに行くための理由を探しているだけかも知れないですね。


 さてそんな厳寒期になると当然変温動物のヘラブナは餌を採ろうとしません。餌を食わないのですから釣れないのは当たり前となります。過去にもボーズとなってスゴスゴと帰宅したことが何度かありますが、そうならないためにも何をすべきか探る事になります。


 私のように両うどんの底釣りをしていますと、集魚効果が薄いので簡単に寄せることが出来ません。といってまぶし粉をタップリ着ければ良いかとなるのですが、やはりそれも逆効果の場合が多々あります。


 そこで両うどんではなくて団子餌が使える池に行く事になるのですが、残念ながら団子餌で集魚効果を発揮しようとしても上手く行きません。反対に寄ったけれど針の付いた餌は食ってくれなくて、余計にフラストレーションが溜まってしまうなんて事になってしまいます。


 やはり両うどんの底釣りの方が良いとなるのですが、厳寒期は待ちの釣りが定番です。そのためには餌に変化が起きないうどんが最適となります。団子餌で待ちの釣りをする場合簡単に開かない餌になります。またグルテンでも開きの遅いグルテン量の多い餌なるのですが、不思議とうどん餌より当たりが少ないのです。これはいったいどうした事か全く理由がわかりません。


 しかし現実にうどんの方が当たりが出るのですから、今度はそのうどんを使ってもっと当たりが出るにはどうすべきかと考える事になります。


 その前にただ漠然とうどん餌を着けて、当たりが出るまで待てるような忍耐強い人は良いのですが、私のような忍耐なんて言葉は全く知らない人間にとっては、当たりが出ない時間ほど苦痛なことはありません。


 仮にまぶし粉が剥がれて素うどんの状態になっていたとしても、そのまま待ち続けるのではなくて、まぶし粉を着けないで再度そのまま振り込み直す方法を取ると、案外早い当たりとして返してくれる事があります。多分餌の落下を見てうどん餌を追いかけて食ったのではと思うのですが、ただ漠然と待っているよりは打ち返す方が良いと思っています。


 ここで再度反対の意見として、その打ち返すタイミングが難しいのです。もう少し待っていれば当たったかも知れないのに、みすみす当たりを拒否したような餌の打ち返しですから、余計に釣果を減らしている可能性もあるのです。なかなか打ち返しのタイミングは難しいのです。


 当たりが出ないときの対処として、ひとつの方法が浮きの選択です。底釣りの浮きは比較的細身でムクトップや細パイプトップが定番です。しかし厳寒期になると単純に底釣り用の浮きではなくて、もっと繊細な浮力の弱い浮きを使うことで、とても弱い吸い込み力でも浮きに当たりが出るようにする必要があります。
 盛期であれば帰りの良い浮き、つまり浮力のある浮きが適していると思いますが、吸い込み力が弱い還元機では、その弱い吸い込み力でも当たりとして出るような繊細な浮きを使うようにします。


 次にハリス長です。過去には冬期ほどハリスは短くするのが両うどんの底釣りでは定番でした。その理屈はまぶし粉で寄せたヘラブナが少しでも上ずらせないためのものです。その結果底の餌を食うという考え方です。事実底より20~30㎝上方に居ると感じることがあります。ホンの少し上ずっているヘラブナを底に向けさせれるのは至難の業で、簡単には底に向いてくれなくて困ってしまいます。その対策のための短ハリスってことでしょう。


 この場合は下針のハリスを30㎝程度まで詰めてしまいます。夏場には36㎝でしたから6㎝短くした状態になります。


 ただ反対の考え方があります。ハリスを長くして沈下速度を遅くして、ヘラブナに対するアピール度を増す方法です。その結果餌に対する興味を待たせて底にまで誘導するようにします。最近の釣り堀は放流密度も高く食い気のあるヘラブナも多くいるはずとして、その少しでも食い気のあるヘラブナに対してアピールするのが良いとの考え方です。


 果たしてどちらが正解かは簡単にはいえませんが、同じ厳寒期でもとても良い天気の日には、少しでも水温が上がるのかどうかは知りませんが活発に動く事があります。そんな日はハリスは長めが良いのではと思いますが、浮かせると手に負えませんので簡単には試しにくい方法ですね。


 そして両うどんのまぶし粉の漬け方ですが、真夏であればタップリと着けていても良いのですが、冬期は少なめが基本となります。それではただでさえ食いが乏しいのに、効果が出ないではないかと指摘されそうですが、タップリ溶けてもうどんから剥がれてくれなければ効果が出ません。
 冬期は餌を突くジャミも動きませんので、いつまでもまぶし粉が着いたままになってしまいます。勿論餌打ち回数を多くすることで付着力を弱めることが出来るのですが、待ちの釣りをしてしまうと、うどんにまぶしたペレットが簡単に剥がれなくなってしまっているのです。


 理由はわかりませんがうどんからまぶし粉が剥がれてからヘラブナは食ってきます。盛期などではまぶし粉が着いたままでも食ってきますが、圧倒的にまぶし粉が剥がれてから食いますので、冬期は余計に気をつけなければ、当たりが全く出ないなんてことになります。


 極端な言い方をすると、まぶし粉がタップリ着いた状態のうどんより、全く何も着いてない素うどんの方が当たりが出るのです。待ちの釣りをする場合は、素うどんの方が良いと私は思っていますが・・・。さてどうでしょうね。


 厳寒期でもやはり10枚程度は釣り上げたいと思いますが、他にはどんな工夫が必要なんでしょう。来週は月例会ですから実験してみる事と致しましょう。

 えーーーーっ!! シマノ 月影カタログから削除

 今回はシマノ月影の9尺と13尺のインプレッションを書いてしました。が!!!なんとカタログから削除されてしまいました。1月30日現在ではまだ紹介されていたのに31日には消えてしまいました。とっても良い竿だったので残念でなりません。


 翼が消えて続いて月影も消えてしまいました。次に出る竿に期待したいものですが、ヘラ竿の販売低迷のために、アイテムが単に減らされているだけかも知れません。またまた復活されることに淡い期待を込めますが・・・。はぁ


 余りにも突然なので現在メーカーに問い合わせをしています。


 しかしなんて勿体ない・・・というか、余りにも特徴がない竿でしたから、人気がなかった可能性はありますが、その特徴の無さが良かったと思うのです。今回も敢えて取り上げることにしましたのも、それほど優秀な竿と感じていたからで本当に残念でなりません。


 以下が今回書き上げていたインプレッションの内容ですが、全く無意味になってしまいました。(T-T)!!



 はじめにシマノの月影は14尺と9尺を持っていました。しかし14尺を使った時のことです。ヘラブナの引きを耐えている時に穂持ちのスゲ口近くでポキッと折れてしまったのです。使い出してから1年を過ぎた頃です。残念ながら保証期間も過ぎてしまったので修理しないまま処分してしまいました。


 このときから個人的には信頼が出来ない竿と思っていたのです。


 1年経っていたとしても毎週使うことはなくて、違う竿を使いながらでしたから、それ程に酷使していたわけではありません。それが何の原因かわかりませんが綺麗に折れてしまったのです。


 そのため9尺も使わないままにお蔵入れしていたのですが、あるきっかけで再度使うようになってからは、とても良い調子だと感じたのです。その後9尺は月影を多く使うようになったのです。
 とても使い良い調子で大助サイズでも普通に取り込めます。ヘラブナのサイズを限定することなく小型サイズから大型サイズまで、それこそ万能に使える竿と改めて見直したのです。
 実は9尺と13尺は本式を主流に使っていたのです。それが9尺の使い心地の良さで、月影の13尺を追加購入して、今は9尺と13尺は月影を主に使うようにして、本式を全て処分する決意をしたのです。


 13尺を使っていて今のところ折れるようなことはありません。


 実は13尺を手に入れる前に21尺を手に入れたのですが、腰の強さと振り調子の硬さゆえ私には扱えないと思って、実釣することなく手放した経験があります。そういう意味では胴の硬さを感じる竿に違いありません。この調子はまさにシマノの他の銘柄の竿と同じように、先調子竿の特徴そのもので、先調子=腰が硬いと感じたのです。


 その胴の硬さによる扱いにくさは、中竿から以下では特に感じませんが、その腰の強さがとても取り込みやすさに繋がっています。この感覚はまさに万能竿としての位置づけが出来るのではと感じています。そのため長尺は別としますと、短竿から中竿までの範囲を月影だけで揃えても良いのではとさえ思うほどです。ただ腕力がある方であれば中長尺でも使いこなせるとは思います。


 コマーシャルメッセージにも次のように書かれていますが、まさにその通りと思えるものです。
伝承される誇り高き先調子、操作性に長けた穂先に自信。
[月影]は、へら竿としては少し硬めの硬さランク6~7に設定しています。釣技レベルを問わずしっかり引ける硬さのため、初心者~ベテランまで誰もが使いこなせ、釣り場・釣り方の汎用性が高いものです。


 振り調子
 特に特徴のある調子とは思えません。重量的にも特別軽いこともなく重くもありませんが、同じ重量帯であり紅月とは明らかに軽く感じますので、とても使いやすい竿と感じます。


 振り込み調子
 竿が13尺と9尺ですからかも知れませんが、送り込みもとてもスムーズに出来ます。また振り切りでの餌打ちでも、狙ったポイントに的確に振り込めます。多分胴ブレが少ないための的確性ではないかと思います。


 掛けおよび取り込み調子
 全体が上手くしなりますので、それ程に硬い先調子とは感じません。同時に取り込み段階で足下に潜られることも少なく、そのときになって腰の強さが発揮されているように感じます。


 価格帯とてしては中間的な位置づけですから、とても安く手に入るとは言えませんが、長く使い続けられる竿ではないかと思います。ただ万能竿ですから特徴的な部分は見つけられませんでした。
 低価格帯でも紅月のような大型魚を対象にした竿でもなく、柳や本式のような引き味を楽しむ竿でもありません。但し欠点は見つけられませんが、どちらかというと平均点が高い竿と紹介が出来ますので、まさに購入しても間違いのない竿と言えるのではないかと思いました。


最後にスペック表です。この表も1月30日にシマノのHPからダウンロードしたものでした。


 しかしとても良い竿と再認識していましたのに、突然カタログから削除されるに至って、大きく落胆してしまいましたが、中古市場で手に入れても失敗はないと思います。

 ヘラブナ釣り 向こう合わせで釣れないから

 釣りの対象魚は多数あります。私自身色々な魚を釣ってきましたが、多くの場合は上手く合わせなければ針を飲み込むほどの食い方をします。魚の習性といえばそれまでですが、海の魚の場合は特に、当たりが出たときにタイミング良く合わせなければ、喉の奥深くに針掛かりして外すのにひと苦労しました。


 淡水魚ではタイミングが合わなければ針掛かりしないと言われていた渓流魚でも、案外喉深くまで針を飲み込んでしまうケースが多くありました。鯉などは特に向こう合わせの感が強くて、鯉の釣り堀では流石にそんなこともなかったのですが、川や池では向こう合わせが基本的な釣り方となっています。


 例外的にヘラブナの向こう合わせで釣れる場合があります。その中でも日本記録と言われているヘラブナは鯉釣りをしていて釣れたものですから、向こう合わせで釣れたものと考えられます。


 ただやはり基本的にヘラブナは向こう合わせで釣れることはなく、中には竿を取られる人が出たりしますが、盛期のヘラブナが湧いているような状況の時であり、一般的な状況で竿を取られるのはホンの希なことでしょう。


 ではどうしてヘラブナは向こう合わせで釣れないのでしょう。


 想像しますにヘラブナの餌の食い方に起因しているのではと思われます。団子餌でもそうですが、一度食った餌を何度も吐き出す行動を繰り返しています。つまりヘラブナは塊の餌を食うことが苦手で、細かく分散した餌を吸い込んでいると考えられます。


 映像などを見ますと塊の餌を食うより、周りに散らばっている餌をパクパクと食べていて、何時まで経っても針の付いた塊の餌に関心を示しませんから、やはり塊の餌を食うのが苦手と見て取れます。


 そのために塊の餌でも何度も吐き出して、バラケた餌を食べるような行動を取ると思われます。結果として浮きに出る当たりは、その一瞬吸い込んでから吐き出すまでの動きであって、その時にタイミング良く合わせることで針掛かりするわけで、ホンの少し遅れるだけでカラツンとなってしまいます。


 そこでカラツンが起きないようにするためとして、前回月刊誌のヘラ専科にも発表しましたが、餌を吸い込んだ瞬間にバラケる餌を作ることで吐き出す事を防ぐ事が出来ます。反対にバラケない餌は直ぐに吐き出しますので、カラツンが多発してしまいます。今までにも硬い餌ほどカラツンになると言われていた通りです。
 つまりヘラブナが吸い込んだ瞬間にバラケる餌を作るとカラツンになり難いのです。


 勿論例外はあります。食欲旺盛の時や他のヘラブナと争って食っているときは、悠長になん度も吐き出していると他のヘラブナに食われてしまいますので、強い当たりが出るような食い方をしてまいます。そんな時に竿を持って行かれたりするので、竿掛けにしっかりとサオ受けで止めるように掛けることです。


 ただそこで面白いのがうどん餌です。団子餌は何度も吐き出す事でバラケて粒子が分散してしまいますが、うどん餌では何度吐き出そうがバラケることはありません。そのため何度か吐き出して食うなんて事は起きないのですから、1度目の食い当たりの時にタイミング良く合わせる必要があります。まさに一瞬に出る当たりを居合抜きのような、瞬発力を要する合わせ方で釣果に繋がるのですが、そのとても小さな食い当たりを合わせるのがうどん餌の面白さでもあるのです。


 浮きの動きを見ていて感いじられる情報は、団子餌であれば何度も上下動を繰り返して、適度なサイズになったときにツンと当たりが出る事が多いのですが、うどん餌の場合は静止している浮きが突然ツンッととても小さな当たりが出ます。その後再度当たりが出る事はホンの希で、一度当たりが出て合わせていなければ、随分と経ってから当たりが出る事が殆どです。例外的に2番当たりが即出る事もありますが、希なことですから団子餌のように2番当たりを合わせた方が、カラツンが少ないなんて事もないのです。


 その突然に出るツン当たりをタイミング良く合わせるところに、両うどんの底釣りの魅力があると思っているのですが、ヘラブナの食い方を映像的に頭に描くことで、釣り方にも大きく影響します。
 やはり団子餌に比べるとうどん餌のカラツン率は高いのは、ヘラブナの食い方による習性と考えるのが妥当ではないかと思うのです。


 向こう合わせで釣れない原因が少しは解って戴けたと思いますが、餌の食い方を理解した対応が、そのまま釣果に繋がるのではと思うのですが如何でしょう。


 しかし触りが出れど食い当たりが出ない、あのジレンマはとてもストレスを溜めてしまいますよね。

 ダイワ HERA R インプレッション①

 インプレッションを前にご注意!最近ネットでダイワの兆やシマノの独歩のコピー商品が出回っています。よく見ると違いがわかるのですが、竿袋まで似せていますので注意してください!


 今回はダイワHERA R16尺のインプレッション①です。今回は初めて1日中使ってみた印象を述べますが、もう一度使ってみて再度インプレッションしたいと思います。それは1回目と2回目では印象が変わる可能性があるからです。そのため今回は1回目の経験した感想ですから、次回のインプレッションと合わせて読んで頂ければと思います。


 現在中心的に使っている竿は軽量系のHERAFやSです。そのFやSと比べで何がどのように違うのか、また同じように感じるところが多いのか少ないのかを確認してみました。


 今回のHERA Rはダイワ製としては高価な部類に入る竿です。以前から気にはなっていたのですが、やはり高価ですから幾ら気になっていたとしても、なかなか購入するまでには行かなかったのです。まぁ当初はそれ程に食指が動かなかったのも事実です。それはFやSとは、カタログ上でそれ程の違いを感じることが出来なかったからです。


 価格的にはシマノの閃光Lにぶつけてきた製品で、長尺を用意したことでアドバンテージを取ったのでしょう。しかし閃光LもⅡになって長尺と短めを出すことになり、双方が真っ向勝負の様相が見て取れます。その結果として釣り人からの支持も二分されることでしょう。ただ塗装などの仕上げを見ると、閃光に分があるように見えてきます。


 ダイワは1958年に創業していますが、シマノは1970年に釣具事業部が発足していて、釣具としてはダイワの方が老舗でもありますので、個人的にダイワの製品が優秀との印象を持っていました。しかし企業内容や規模を単純に比較すると、シマノに大きく水をあけられている形になります。またこのところはシマノ製の品質が良いとの評判のためか、人気的にもシマノ製が優位に展開しているような印象を受けます。


 発売されたのはいつだったのか調べてみますと2020年の10月です。ということは既に3年余り経過していることになります。初期はそれ程に欲しいとは思わずにいました。それは本式や兆のような優雅な曲がり方をする竿が好きだったためです。またFとの違いもそれ程感じず、その当時は軽量竿特有のヘラブナから伝わる手応えが好きになれず、既に持っていたFも使わずにいましたので食指は動くことはなかったのですが、このところまたまた軽量竿に嗜好が変わってきましたので、ダイワの軽量系としては最高峰のHERA Rを使って見たいと思うようになったのです。
 ただ何度も言いますがスペック表を見る限りですが、Fとの違いが見いだせないとの否定的な思いもあって、購入までには至らなかったのです。


 それがまたまた魔が差してしまってHERA Rの16尺を衝動買いをしてしまったのです。実は釣具店では品薄が続いていてなかなか入荷しないようで、今回は偶然16尺が手に入ることとなり、思わず買ってしまったのです。


 先にも述べましたが同じ16尺でHERA Fを持っていますので、そんなに違いはないだろうと思ってはいるのですが・・・。実はHERA Rは17尺からSUPER-SVFナノプラスが使われていて、16尺はHERA FやSと同じ超高密度SVFカーボンが使用されています。同じ素材を使ってどのような味付けの違いがあるのかを確かめたくて購入することといたしました。
 その味付けの差が価格差を埋めることが出来るのかどうかが評価のポイントになると思います。もし同じような印象を受けたとすると、Fの優秀さが改めて知ることとなりますが、やはりこの高価格帯が納得出来る事を期待します。


 まずスペックです。今回手に入れましたので16尺ですから、16尺で比べますとRが71g、Fが76g、Sが79gです。この程度の差はまさに誤差の程度で、殆ど実感出来るほどの差ではないはずです。閃光LⅡは16.5尺となりますので、重量を単純に比較できないのですが75gです。またRの17尺は16尺と同じ71gですから、この軽さは17尺から素材がSUPER-SVFナノプラスを使った結果と解釈できます。


 また穂先と元竿の太さの差でテーパー度がわかりますが、テーパーが強いほど竿先が軽く感じますので竿の扱いは楽になりますが、表で見る限りこれもそれ程大差ないように見えてきます。


 下記がそれぞれもスペック表です。


 また竿の曲げ調子はFとRは殆ど同じって事になっています。曲がりが腰の強さを表しますのが、比較表だけではやはりFとの違いは見いだせません。

 そして尺数の違いによる調子の表ですが、12~13と28~32尺はわかりますが、15~16と17~26尺はなんとなく解りにくいですね。
 他のへラ竿の調子としては、短竿になるほど本調子側になるのですが、同時に柔らかな調子になりますが、このRは反対に本調子によりながら硬くなる調子体系になっていますが、ダイワの調子体系がこのような調子になっているようです。
 HERA R

 他のダイワの調子体系です。

 シマノの調子体系です。シマノ製の方が短竿になるほど胴調子で柔軟度が高いことが解ります。


 竿袋はなんと金色です!!これはなかなか恥ずかしい色ですが、シマノの普天元 独歩も竿袋は金色でした。ただ独歩の竿袋の方が竿名なども刺繍でしたから、高級感があったように感じます。
 今回のRはこの袋に関しいえば、正直に金色=高級イメージはどうかと思いますが、またHERA Sの竿袋と同じように、一重式で二層式にはなっていません。たしか竿同士がぶつかって傷を付けるのを防ぐこことから二層になっていたと思うのですが、どうして一重を採用しているのでしょう。ただ布地そのものは2重になっています・・・。考え方は色々って事ですね。


 竿はとても地味です。何の変哲もない印象を受けます。釣り場でも栄えることはありません。

 あえて特徴的部分は握りでしょうか。ただ握りそのものはF・S・Xと同じ新触感へらグリップですが、違いとしては新触感塗料かされています。ちょっとラメが入っているような塗装です。餌の汚れが付かない仕様は好感が持てます。


 竿を持った印象では、数値的に違いがないはずですが握りの違いでしょうか、Fよりとても細身に感じます。


 振り込み調子について
 実際に仕掛けを着けて振り込んでみますと、数字以上にとても軽さを感じます。全体としてはとても先調子ですが、胴の張りがあるにもかかわらずその固さを感じさせません。これにはびっくりしました。硬いのに竿さばきはとても軽快に出来ます。この感覚は今までには全く経験したことがありません。


 ただ振りきりでは何の苦もなく振り込めるのですが、送り込みは先調子の竿特有の振り込みにくさを感じます。やはり少し胴調子に振ったFのほうが送り込みは楽ではと感じますが、この点はまた確認したいと思います。


 合わせ調子についいて
 先調子といえばシマノの神威や嵐月ですが、胴が硬すぎて私には手に負えませんでした。それが同じような調子にもかかわらずとても合わせも楽で疲れません。神威では簡単に伸された経験もあります。嵐月では1日使い続けられないほど腕に負担を感じたのですが、それが全く感じません。これには驚きを隠せませんでした。
 空合わせも短竿のように軽く出来てしまいますので、とても楽で使いやすい竿との印象を受けます。


 掛け調子について
 この曲がりを見て頂くと先の方だけが曲がっているのがわかります。ヘラブナのサイズも小さいものでしたから余計ですが。驚くほど楽に引き寄せられます。



 次にもう少し大きなヘラブナを釣り上げたときの曲がりです。やはり圧倒的な先調子に感じます。


 そして35㎝を釣り上げたときの曲がりです。このときもあまり胴から曲がる印象はありません。またヘラブナが突っ込んだときには胴がしっかりと曲がって受け止めていました。ただ他の先調子のサオのように、空いている方の手を添えて引きに耐える必要は全くなく、片手で軽くいなしながら寄せが出来ます。


 このときのヘラブナです。

 35㎝でもとても軽く簡単に浮かせる事が出来たのも驚きです。


 全体としての感想です。
 硬式先調子としてはHERA Vがとても手に入りやすい価格でダイワから販売されています。実は先にVも16.5尺と13.5尺を手に入れたのですが、どちもとても胴が硬くて先が重くて、竿単体の重さからは感じられないほど使い辛かったのですが、このHERA Rの使いやすさにはビックリさせられました。


 正直言いまして高価格帯ですから優秀でなければ困るのですが、想像以上の優秀さを感じました。
 ダイワのコマーシャルメッセージには次のように書かれていました。
「その剛さ想定外!」大型べらにも負けないパワーを確保
軽量=弱いの常識を覆すパワーを実現。
株理論設計による絶妙なバランスと、スムーズな曲がりでパワーを逃がさない『V-ジョイントα』やカーボンブランクスに竹の節のような構造を加えることで、軽量肉薄でもパワーを蓄えられるチャージリングなどにより大型べらを深場から持ち上げる十分なパワーを実現。


 まさにこのコマーシャルメッセージの通りで、腕力を必要としないパワーロッドだと感じました。これには心底驚きが隠せません。スペック上では決してわからなかったことが、実際に餌打ち、餌切り、掛け合わせ、取り込み、どれも一級品と感じました。


 以前HERA FXも所有していまして、Fの硬調子との位置づけでしたが、それに比べてももっと腰が硬くて扱いが軽い竿です。何度も言いますが腰が硬くなればなるほど疲れる竿になるのですが、それを微塵も感じさせないのですから凄い!と感じました。
 まっ大助サイズがまだ釣れていませんので、重量感たっぷりのヘラブナを掛けたときの調子は解りません。いつ釣り上げられるかは解りませんが、その時の感想が書ければと思います。


 F・S・Rの比較です。単純に比べますとFはとても軟調子に感じます。SはFを硬くした印象ですが、Rとの差ほどの違いは感じません。まさにRは次元が違った軽さと硬さを示します。ただしあくまでも16尺で比べたものですから、もっと短竿や長尺では違った印象になる可能性があります。特に17尺からは使用されるカーボン素材が変わりますので、印象も一気に変わるか可能性が高いです。


 今のところ12尺や13尺でRを使うのが良いかどうかはわかりません。個人的には重量なども含めてSで十分だろうと感じています。私も14や15尺はSを利用していますが、今のところ全く不自由は感じていません。実はRの16尺ではなくてSの16尺を手に入れようかとも思ったほどです。


 ただ敢えてRの難点を取り上げるとすると、小ベラでは即浮かせてしまいますので引き味が楽しめません。兆のような本調子の方が余程楽しめますので、何を求めるかによって使用する竿は使い分けるべきでしょう。


 最後に価格に見合った竿なのかどうかですが、日常使いとしてはFやSで十分ではと感じます。敢えてRを購入する必要はないと思うのですが、購入して失敗だとは感じないでしょう。やはり価格には意味があると改めて感じられるものでした。
 実際他の竿では購入して即失敗だと感じるものもあったのも事実です。期待も込めて購入したにも拘わらずガッカリさせられるのです。メーカーの技術者は別として、釣り師としてアドバイザーはどのように感じられたのだろうと思ってしまいます。長い経験を通して竿作りにアドバイスする立場でしょうから、底から出来てきた新製品を紹介する段階で、誰でも使いやすいような美辞麗句を並べているのは困ったものです。


 日曜釣り師は素人集団です。我こそはとの腕自慢だったとしても、竿さばきが全て上手いとは限りません。そんな日曜釣り師が使う竿として竿作りに協力し、どんなシチュエーションに向いているのかは、竿の特徴をしっかりと説明する責任があると個人的には思っています。それこそ非力には向いてないとはいえないのでああれば、腕力のある人向きとの紹介でも良いのではと思います。まっメーカーお抱えですから難しい立場なんでしょう。


 そういう意味からも素人の私が使ってみての感想ですから、理解して戴けるのではと思いますが、同時に私より遙かに釣技に優れた方が使用すると、もっとその良さが解って戴けるのではと思う今回のHERA Rでした。高価格帯ですから誰にでもお勧めとは言い難いのですが、お薦めの竿の1本には違いないと思いました。


 今回の印象が再度使うことで同じ印象を得られるか、それともまた違った側面が見えてくるか。次の出番はまだ先になりますが、また使ってそのときの感想を取り上げたいと思います。

 ヘラブナ釣り ヘラ竿の好みの変遷

 ヘラブナ釣りをし出した当初は、どんな竿でも釣果には違いないと、低価格なもので釣りを開始して、高価な竿など全く興味がなかったのです。ところがやはりヘラブナ釣りは竹竿だ!となって、竹竿を色々と手に入れるようになったのですが、私の通っていた釣り場では16尺や17尺が定番として使われていましたので、竹竿でも同じような長さを手に入れて使い出していました。


 当然竹竿ですからとんでもなく重くて、直ぐにこれは無理!とお蔵入りになり、精々15尺が限度と思っていたのですが、それも14尺13尺と短くなるに連れて、竹竿そのものが使うのが辛くて、合成竿に移行することになってしまいました。


 合成竿は穂先と二番がカーボンですから、オール竹よりは軽くて扱いが楽だったのですが、やはりカーボンに比べると寄りが悪くて疲れてしまいました。ただそれこそが本調子の特徴でもあり、優雅な曲がりを楽しむ釣り方でもあるのです。


 その頃でしょうか。利き腕が腱鞘炎を起こして竿が持てなくなってしまったのです。酷いときはマグカップすら持ち上げられないほどになったのです。そうなると軽量竿が欲しくなります。


 元々は煉やXなど大助用にと手に入れていたのですが、その硬さや重さが負担となってしまったので15以上は全て手放して、閃光XやHERA Fなど軽量系を手に入れて使い出すことになりました。当初これは良いとこの場でも軽量竿こそお薦めの竿としていたのですが、いつしか竿に伝わる鋭角的な振動で、とても釣り味が悪いと感じるようになり、兆や本式のような竹竿に似た本調子のヘラ竿がいいと思うようになりました。実際各メーカーのフラッグシップの竿は、竹竿に似せた本調子になっています。


 その間には月影やHERA Sなども手に入れてはいたのですが、やはり本調子の釣り味には適わず、メインロッドとして兆や本式を尺数違いで揃えたのです。しかしまたまた歳でしょうか。本調子の17尺や18尺では扱い辛く感じるようになりました。


 そして何のことはない短竿系の9尺や8尺の本式を持っていたのですが、柔軟度が高すぎるのが気になり出してしまって、手放すことになったのです。今は軽量系のHERA Fの16尺とSの15.14尺がメインロッドになっているのですが、9尺は月影を8尺は龍聖を7尺はHERA Xを使うようになりました。
 最後のまで残していた13尺の本式でしたが、とうとうその座も月影が取って代わることになりました。


 しかし終活を進めているにもかかわらず、またまた別の竿が欲しいと思うのですからら困ったものです。でもね、我が天釣会の松本の長老は御年80数歳でいて、今でも新しい竿を購入されているのです。この前は新しい龍聖と桔梗を使われていましたから、まだまた終活には早いのでしょうか。楽しみはまだまだ続きそうですね。


 ってことで歳と共に・・・というか、年齢を重ねても使いやすい竿としてはHERA FとSがお薦めです。但しそれも14尺や15尺以上の竿限定で、それより短い竿であれば重さはそれ程影響しませんので、それこそ好みの調子のもので良いと思います。
 本調子としてはなんといっても本式または兆です。大型主体ではやはり煉か龍聖そしてHERA Xでしよう。・・・と人には勧めますが、今はやはり軽量系が楽で良いですといってしまいます。


 HERA F

 HERA S


 もう17尺以上の長尺は全て処分してしまいましたので、特に大型主体の池で長尺を出す事はないのですが、私の場合大型魚対象の竿は全てHERA Xで統一していますが、これから手に入れるのであれば間違いなく赤月でしょう。なんといっても低価格ですから手に入れやすいことです。また竿としても竿先が軽くて腰も程々の強さがありますのでとても使い易いのでお薦めです。


 各メーカーのフラッグシップ竿は本調子で釣り味重視ですが、中長尺では使い辛いかも知れません。最後に手に入れる竿は何にすべきか、実は一時期枯法師の13尺が欲しいなあと思ったりしたのですが、やはり手に入りやすい月影で妥協しました。見た目は段撒きと塗装ですから同じなんですよねぇ(笑)。


 枯法師

 月影

 もうそろそろ新しい竿の購入は辞めようかと思ったりしますが、また悪い虫が動き出すかも知れません。


 ってことで悪い虫が衝動買いをさせてしまいました!!


 明日はその衝動買いしたHERA Rのインプレッションを発表します。ただ1度使っただけでは断定は出来ませんので、明日は1回目で数日たってから再度のインプレッションを発表する予定でいます。
 また途中で買い足した月影13尺と9尺についてもインプレッションしたいと思います。