両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 両うどんの科学 Ⅱ

 うどん餌についての続きです。両うどんの底釣りでは宙釣りのような大きな当たりは出ません。それは当然底より下に沈みようがないからです。つまり宙釣りであれば底から揚がってきたヘラブナが餌を咥えて反転すると、当然大きな当たりとなって現れるはずですが、餌が着底しているのですから必然的にヘラブナは上から食うことになります。
 上から食っていますので加えて反転する動作はし難くて、単純に静止した状態で餌を吸い込みますので、スッと吸い込む結果浮きにはツンとした当たりが出る理屈になります。


 この場合のツン当たりは餌が硬ければ硬いほどツン当たりとなって現れますが、柔らかいうどんを使いますとこのツン当たりがソフトになります。またとても小さな当たりとなって返してきますので、黒線程度のツン当たりもよく出る当たりとなります。
 グルテンやダンゴ餌で底釣りをしますと、極端に硬い餌は使うことはないと思いますが、小さなツン当たりよりソフトですがやや大きな当たりとなって返してきます。但し柔ネバのダンゴ餌を作りますとツン当たりよりもソフトでとても小さな当たりを返すようになります。


 餌の違いによる当たりの差は如実に出てしまいますので、私のようないつもうどんで釣っている者にとっては、ソフトな当たりが出るダンゴ餌の当たりは難しくて仕方ありません。またそんなダンゴ餌の当たりに慣れてしまいますと、うどんの場合に出るスレ当たりを合わせてしまって釣りにならないなんて事もあるわけです。


 そんな餌の違いによる特性をどの程度理解して取り組むかが釣果を伸ばす秘訣だと感じているのですが、だったら硬めの餌が良いのではとなるのは理屈です。実際は硬めの餌を使えはぎ使うほど綺麗なツン当たりが出るのと同じくらいに、綺麗なツン当たりのカラツンに陥ってしまうことがあります。
 それを防ぐには極端な硬い餌は使わない方が良いに決まっているのですが、長尺の竿を使った場合に私のような素人では、ついついうどんを飛ばしてしまって針に餌が付いてないなんてことに度々起きてしまいます。


 そこでどの程度のうどんを作るかですが、食用うどんの場合はどの程度煮るかで決まるのですが、ワラビうどんの場合に気温が高いと決まって直面するのがダレです。つまり保存が難しいのですが専用の液も売られていますので、それを使うのが手っ取り早いのは間違いありません。また牛乳を使う方もいますが暖かい時期ですと腐ってしまいますので、液糖を使うのが手っ取り早いと思っています。
 もう1つは保冷剤と共にクーラーに入れて釣り場に持ち込むことです。これが一番変化を抑えることができる方法と思っています。


 また仮に柔らかめにワラビうどんを作った場合はどうするかです。ワラビうどんは糊化(こか)と老化(ろうか)とあります。湯とデンプンが結びつくことで糊化しますが冷やすと硬化します。イメージとしてはご飯やお餅です。つきたてのお餅はとても柔らかく、多岐対のご飯もホカホカで柔らかいのですが、時間と共に硬化して硬いご飯やお餅となってしまいます。
 しかし電子レンジで温め直したご飯はふっくらしますし、網で焼いたお餅も柔らかくなるのと同じように、硬化したワラビうどんは温めることで柔らかくなります。但し温めすぎると溶けてしまいます。夏場にワラビうどんがダレるのもその為ですが、ワラビうどんも冷蔵庫保管をすると硬くなってしまいますので温め直さないと柔軟度は復元しません。


 但しこの作用を上手く利用する方法があります。それはワラビうどんが柔らかく出来てしまった場合に冷蔵庫保管して締める方法です。但し何日も保管を続けると硬くなりすぎて針に刺すと割れるほどになりますが、それを使うには再度温め直しが必要になるのです。反対に前日の夜に作ったワラビうどんが柔らかい場合は冷蔵庫保管をして硬く締め、硬く仕上がった場合は常温で放置するか、冷水でワラビうどんを完全に冷やす前に取り出して容器に入れてしまうと容器内で柔軟度が保てます。


 前回の釣行時に余ったワラビうどんを保管する場合は冷凍にしてしまいます。デンプンは0度以下で保管すると老化は起きないのです。但しそのまま常温に戻しても柔軟度は戻ってくれません。そこが市販されているお菓子のわらび餅との違いで、あのわらび餅は冷凍から単に解凍するだけで食べられるような柔軟度に戻るのです。
 それにはある薬品が必要なのですがここではナイショにしておきましょう(笑)。


 またデンプンを化学的変化をもたらした加工デンプンというものがあります。市販されている和菓子の商品説明をよく見るとわかりますが、加工デンプンが使われていることが書かれています。加工デンプンも柔軟度を保持する作用がありますので老化現象が起きないのです。ただこの加工デンプンにも数種類ありそれぞれは簡単には手に入りません。粉専門店で手に入れる必要があるのですが小売りしてくれるかどうか難しいでしょう。それこそ和菓子屋さんに知り合いがあれば分けてもらうのが一番簡単な方法です。


 ついでの話として加工デンプンには水で糊化する加工デンプンがあります。あのマルキューの感嘆(かんたん)などは正にその加工デンプンで、釣り場で簡単にうどんが作れてしまうのです。