両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 集魚材の有効性

 ヘラブナ釣りにおいて集魚材を使うことに対する考え方としては、当然如何に寄せて如何に釣り上げるかに掛かっているわけですが、根本的な話として集魚性というものに有効性をどのように考えるかです。


 海水や淡水での有効性として広く知られている集魚材としては、東の大関がサナギだとすると西の大関はオキアミでしょう。この二大巨頭を差し置いて集魚材は語れないと思うのですが、一体どうしてこの両者に対して魚たちが興奮するのでしょう。


 なにがしかの刺激成分がない限りサナギやオキアミに興味を示さないはずです。


 うなぎ屋さんの前を通るとウナギが食べたくなります。焼き肉屋さんの前を通ると同じように焼き肉が食べたくなります。この両者の共通点は醤油の焦げる匂いです。この醤油の焦げる匂いで食欲がわくのは醤油文化を持っている国の人限定となります。
 つまり過去に経験した食べ物としての学習効果で、その匂いに対して敏感に反応する事となるわけです。


 日本人的に香り成分の最大のものといえは松茸でしょうか。松茸の香りを嗅ぐことで一気に贅沢で惚れ惚れする香りだと感じてしまうのですが、西洋の人はかび臭いとか酷い表現では軍人の靴下の匂いだと言われます。
 果たして小さな子供や松茸をあまり経験しなかった人に対してまで、松茸の香りは高貴な香りだと感じるかは甚だ疑問ですが、人間の食欲を刺激する香りは人の生命に関わるものではなくて、単に経験に裏打ちされた匂い成分でしかないことがわかります。


 猫の好物が鰹節だとするのは日本人だけで、インドではカレーが大好きだといわれているのですが、猫も子猫の時代に食べた経験のあるものを好むようになっていて、仮にインドでカレーをだ続けていた猫に鰹節を与えたもキット食べたりはしないはずです。


 ところが魚類の多くは経験を全く必要としないのです。仮にサナギだとしても生まれてから1度たりとも食べたことはないはずです。ヘラブナの餌である麩やマッシュポテトに至っては、食べたくても食べられない代物のはずですがそれで釣れるのですから不思議です。
 川で育ったイワナやアマゴがイクラで釣れるのもあり得ないはずで、ミミズはまだ百歩譲ったとしてもクリムシに出会うことは全く無いはずです。
 海の魚たちもアミエビに出会うことがあったとしてもオキアミは日本近海には存在しません。それでも魚種の区別なくむさぼり食うのは一体どうしてかとなるわけです。


 やはり一つは刺激成分が存在していると思われるのですが、実はもう一つわかっていることとして養殖業界での実験結果ですが、何の病気か知りませんが魚を病気にさせてから魚粉を与え続けたグループとサナギを混ぜたグループとに分けて飼育すると、魚粉30%の飼料を与え続けたグループは11日目には全て死滅してしまったのです。ところが魚粉30%にサナギを混ぜた飼料のグループは12日以降も生き続けたのです。それどころかその病気から回復してしまったのです。


 ここにサナギの中に含まれている成分が作用したことは明らかとなったのですが、そのサナギの中身はドロドロの液体だということもわかっています。想像すると卵の中身に似ているのではないかと思うのですが、幼虫からサナギになった段階で全てが解けてしまって完全変態として生まれてくるのですから、サナギの中ではとんでもない変化が起きていることになります。それ程の生命力といいますか生命の神秘を含んでいるサナギですから、生物としての魚が欲するのかも知れないとの想像に結びつきます。


 とはいえそんな学問的知識があるはずもないのですから、サナギに含まれているアミノ酸による刺激を受けているのだろうとの想像が出来るのです。オキアミも同じようにアミノ酸による刺激の公算が高いです。


 そんなサナギが集魚効果が高いのかと話が元に戻るのですが、実際ヘラブナ釣りをしている限りでは特異な変化を見ることは出来ません。それよりも麩の粉末・マッシュの粉末・パン粉の粉末など、水中に漂う粉末状の植物体に強く刺激される事が確認できるのです。


 ということで・・・簡単な話として、集魚材はたいした効果がないのではないかと思うのですが如何でしょう。
 但し経験上集めに集めてしまって良い結果になったことはないのです。なんでも程々が宜しいようで・・・ハイ。