両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 餌の添加剤有効性

 添加剤の前に両うどんのまぶし粉の基本はペレットです。マルキューなどから出ている粒戦などもそのまま使えますが、うどんのまぶし粉専用ペレットも各種売られています。それこそ爆釣しそうな名前が付けられていますので、ついつい買ってしまうなんてことも多々あるわけです。
 そんな名前に釣られて買ったまぶし粉で良い思いをした人は案外少ないと思うのですが、良く釣る人とそうでもない人との差は一体何があるのだろうと思うわけです。そこで昔からそのまぶし粉に何かを添加することで爆釣できるのではないかと思うのはまさに人情そのものでしょぅ。
 その昔にはそうやって色々と工夫する人のことを薬剤師と呼んだものですが、今でも両うどんの底釣りを愛する関西人の中には、そんな添加を色々と試している人も案外多いと思います。


 そこでどんなものが添加剤として有効か試していくこととなるわけです。一番有名なのがガーリックパウダーでしょうか。市販されているダンゴ餌にも混ざっているものがあるようですが、ペレットに振りかけるだけで簡単に出来上がりますし、誰でも簡単に購入できるものですから試しやすい添加剤の一つです。


 次に有名なのがバニラでしょうか。マルキューで昔から長く売られている赤ヘラなどはその典型でしょうが、バニラエッセンスはまぶし粉に付着しづらいので、うどんそのものに数滴落とすだけでバニラ香の強いうどんが出来上がります。


 他に多く使われていたのがアミノ酸の一種であるグルタミン酸つまりうまみ成分です。人が美味しいと感じるのですから魚だって美味しいと感じるはずだと思うのは当たり前のことで、こちらも誰でも手に入りやすいものですから手軽に使っていた代物でしょう。グルタミン酸は昆布のうまみ成分であることは誰でも知っていることですね。


 グルタミン酸が出てくると当然のように考えるのが鰹のうまみ成分であるところのイノシン酸です。鰹に含まれているうまみ成分ですがグルタミン酸にイノシン酸を添加してうまみを増幅さる事が出来ます。


 次に出てる来るのが甘みです。当然筆頭が砂糖となるわけですが、砂糖をまぶし粉にではなくてうどんを付着させる方法です。実際問題ヘラブナが甘みを好むかどうかは別としてうどん同士をくっつけないためにも利用できます。


 甘みが出れば当然反対の塩味が出てきます。砂糖を使ったのだから塩を使ってみようと思うのもこれまた人情というものではないでしょうか。オキアミなどでは塩漬けにしたり砂糖漬けにして差し餌に利用することがありますが、柔らかいオキアミをしっかりさせる事は出来るのですが、良く釣れる餌になったとは思えません。


 ここまでは人間が美味しいと感じる添加剤でした。自分が美味しいと感じるのだからヘラブナも美味しいと感じて当たり前だとする考え方です。しかしごく当たり前に考えてみるとわかるのですが、仮にヘラブナの主食が植物性プランクトンだとした場合、その植物プランクトンを人が食べて美味しいと感じるかどうかです。いってみれば無調整の青汁を飲んだのと同じ印象でしょうから、人が美味しいと感じる成分をヘラブナも同じように美味しいとは感じないのではないかと思うわけです。


 つまり今まで書きました添加剤はあまり有効ではないのではないかと思うのです。実際これらを使ってみましたが明らかに釣果の差となっては現れなかったのです。


 そこで次のものを探すわけです。ある釣り堀のまぶし粉にはマル秘とされた餌があります。これに使われているのは養殖用の飼料であるペレットですが、添加剤としてビール酵母が使われています。


 ではビール酵母を添加剤にするとよく釣れるのかとなるのですが、実はビール酵母が使われている主な理由は、養殖用の飼料を食わせるのは当然成長促進が主とした理由なわけです。養殖用のペレットを飼育している熱帯魚に与えると、熱帯魚用の餌より遙かに成長速度が速いのです。それを見てもわかるようにペレットそのものがとても食いが良いように作られているのです。そういう意味からもペレットをまぶし粉に使うのは適しているわけですが、食いが良いということは便秘にもなりやすいのです。
 養殖用の魚が便秘を起こすと人と違って死が待っています。それを防ぐために整腸作用のあるビール酵母を添加するわけです。同時に抗酸化作用もありますので養殖ペレットに最適な添加剤となるわけです。
 ではビール酵母を添加するとよく釣れるのかとなるのですが、単に整腸作用のための添加剤であって食いが良くなるとは思えないのです。


 釣り用より養殖用の方が当然資金を掛けて研究されています。何を添加すると食いが立つのか、成長速度が速いのか、残餌による腐敗を防ぐなど養殖業者にとっては死活問題ですから、当然飼料メーカーも生き残りをかけて研究を続けているわけです。時間と資金を掛けて研究されている飼料ですから、日曜釣り師が考える程度のことは全て試された後のことでしょう。


 良く自宅でカレーを作るときにあれこれと入れてみては、やはりコーヒーが良いとかチョコレートを入れると美味しいなんて素人ママさんが作っていますが、当然そんなことはカレーメーカーの研究室で試された後のことで、もしコーヒーを入れると美味しくなるのであれば市販の段階で既に入っているはずです。
 それと同じようにまぶし粉として使っているペレットには、素人釣り師が考える程度のことは既に研究室で試された後となるわけです。


 実際私自身も色々と試してみました。大阪府立環境農林水産総合研究所が研究された内容では、成長速度の違いによる食いの良さを調べるものであり、また残餌の少なさによる池の水質悪化を防ぐためのものでした。その結果として食いが良いのだから釣り餌としても有効であるとの結論を示されていたのです。
 その大阪府立環境農林水産総合研究所が有効と発表しているアミノ酸も試してみましたが、明らかな違いとして確認することは出来なかったのです。


 最後の最後に落ち着いたのは養殖用の飼料であるペレットをそのまま使うことでした。市販されている釣り用のまぶし粉は、そのペレットに色々と添加された結果として売られていると思いますが、釣り用の餌など例え釣れなくても釣り人は今日は釣れなかったで済ましてくれますから少々食いが悪くてもいいと思いますが、養殖産業として成り立てるためには今日は食わなかったでは許されません。如何に食わせて成長させるかがとても重要なわけです。
 に数と費用を掛けて研究が重ねられている飼料ですから、釣り人程度が何かを添加して良く釣れるようになったなんてことはないと思うのです。


 それは家庭用のカレーと同じく何かを混ぜることで美味しくなると主婦が言ったとしても、研究室で研究を重ねた結果として売り出されているのですから、そのまま指定道りの水加減で作るのが一番美味しく出来上がるはずです。つまり飼料をそのまま使うのが一番有効だとの結論に達したのです。
 ただ成長促進だけが飼料ではありません。30㎝に育てたいヘラブナ群もあれば40㎝まで成長させたい群もあります。混在してしまうと釣り池の要望に応えることが出来ませんので養殖分けをするのですが、それに適した飼料が作られているので何が何でも成長する方が良いわけではないのです。


 但し釣り用として最後の最後にそのペレットをどのサイズに粉砕するかが重要です。それは自分の釣り方に合ったサイズを見つけること以外ないわけです。2C・3C・4Cとクランプサイズがあります。または粉末もあるでしょうが、どの粒サイズが自分の釣り方に合っているのかを探す方が、何かを添加するよりは有効のような気がするのですが如何でしょう。


 ただ魚には人の感じない何万倍もの嗅覚の能力を持っています。人間でいうところの嗅覚とは少し違っているのですが、アミノ酸による食性の違いは既に解明されていますので、各種アミノ酸が何らかの形で有効なのだろうとは思います。それこそ飼料には高価で使えないがとても有効なものがあるのだとすると、費用対効果を無視している釣り人であれば使えそうには思います。そんなものがあれば良いのですが・・・その結果として一人爆釣を演じることが出来れば、やはり痛快だと思うのですが・・・そうは上手く行かないですよねぇ。