両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り そろそろ新ベラが

 新ベラの放流はどこかパチンコ屋さんの新装開店に似ているように感じるのは私だけでしょうか。今では全く行くことがなくなったパチンコ屋さんですが、その昔は新装開店のパチンコ屋さんはとてもよく入るとの評判で、開店前からズラリと人が並んでいる光景をよく目にしていました。
 わたしはというと小心者ですから、目の血走った人たちが大挙して押し寄せる新装開店には行くことがなく、熱が冷めてから訪問しては負けてトボトボと帰宅するのが関の山でした。


 同じように鮎の解禁日などでは、前日からめぼしいポイントに入っての場所取りです。夜が明けるか明けないかの内から竿を出して、前日から買ってある鮎を囮にして送り出すのですが、その竿が川上や川下と振ると他の釣り人の竿とチャンバラを演じるほどで、なにか人の暗部をのぞき見しているような気がして、そんな混在する解禁日には全く行かなくなり、こちらもまた人が一段落する頃にやおら訪れては、こんなもんや!と釣果に一喜一憂することなく、心静かに楽しむ方が性に合っている釣り方でした。


 ヘラブナに限っていうところの新ベラ放流は、別に放流し立てが良いわけでもなく、放流されてからいつ頃が釣るタイミングなのかもわからないのですが、先を争ってその池に駆けつける必要もない、いってみれば長いお祭り期間の内に1日遊ばせてもらうような、慌てなくても良いよと言われているような、楽な釣り方が出来るのが良いところでしょうか。


 とはいえ新ベラが放流されると誰でもよく釣れるというものでもなく、やはり大釣りする人もいればいつもの釣果で撃沈する人も出てしまいます。そこはやはりその池の特徴や新ベラ特有の回遊性など、色々と想像の中で対応することで良い釣りが出来たと感じるのではないでしょうか。


 その中でも釣り餌と竿の尺数が大きな比重を占めるのではないかと思うのです。新ベラが放流される時期は概ね水温の低下を確認してからでしょう。輸送途中のスレや寄生虫に対する対応など、高水温ではヘラブナの負担が大きいために、11月を中心とした放流時期となるはずです。そんな中でも早いところは10月末から放流されると思うのですが、そろろ団子餌の終盤を迎える時期とも相まって、グルテンが絶対的な有効な餌となるように感じています。


 そんな場合のグルテン餌は、できるだけ小さくつけて案外早く開くように調整するようにしています。しっかり付けすぎると寄りが悪いだけでなくヘラブナの足止めが効きません。回遊性の新ベラですから少しでも長く足止めするには、ある程度のバラケさせる必要があると思っているのですが、バラケ過ぎると上ずってしまいますのでその点は注意が必要ですが、針残りするほどグルテン量の多いグルテン餌はバラケ性が悪いために、同じグルテンで攻めていても釣り負けてしまうと思っています。


 またどちらかというと沖合を回遊する性質がありますので、その池の中心近くを釣ることにしているのですが、浮桟橋であれば浮桟橋の足下は旧ベラが多いために沖合を狙うようにします。
 イメージ的には池周辺からは16尺以上が一つの目安としています。浮桟橋からは13尺以上を基準に捉えているのですが、その池の特徴を知ることで他の釣り人を圧倒する釣果を上げることが出来ると思っています。


 ついでに新ベラ特有の変わった当たり方を示します。うどん餌では同じようなツン当たりを出すのですが、グルテンや団子餌では綺麗なツン当たりよりも、言葉では表現しにくいような浮きに変化を表します。それすら実は綺麗な食い当たりだったりして、上唇センターで釣れるのですから、新ベラはそういう意味でも面白いと思っています。


 新ベラは新ベラ特有の強い引きも楽しみの一つです。強い引きを味わうのもまたある程度の長さのある竿が楽しくて、19尺や21尺でヘラブナを釣り上げますと旧ベラとは明らかに違う強い引きに魅了されることでしょう。それこそ腕が痛いとの嬉しい悲鳴もこの時期ならではのことではないでしょうか。