両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り シマノ 朱紋峰 本式 インプレッション

 今回は2014年に発売されていた朱紋峰本式についてインプレッションしたいと思います。発売されてから随分と経ちますので今更ながらのインプレッションですが、場合によってはそろそろモデルチェンジが起きてもおかしくない時期になっています。ただ今回普天元独歩が10年経って新しくされるのですから、本式も同じインターバルだとするとまだ4年あるわけですから、今更とはいわずに見直しても良いのではと思ってのインプレッションです。
 な~んて偉そうなことを書きましたが、実はやっと手に入れることが出来ましたので感想が書けるってだけのことですよ。

 既に釣り場でも見慣れた竿の1つになっているはずですが、初代朱紋峰が1983年に発売されてシマノがヘラブナ釣りの世界に参入したわけですが、その後ぬけさく・飛ぬけ・ 飛造りと続き、その後はそれぞれ特徴付けされて攻から神威に繋がる路線。嵐水から嵐馬・嵐月へと続く路線。初代煉から二代目煉に続く路線。そして2004年に朱紋峰凌が発売されてから10年後に本式が発売されて現在に至っている路線があります。
 これらの路線の意味付けをどの程度理解してヘラ竿を購入出来ているのかが重要で、単に新しく発売されたので買ってみたが、自分の釣り方には合っていなかったなどと、高価な竿購入して失敗だった経験もあると思うのです。


 実は私自身何度も失敗を続けてきました。私の釣り方に全く合っていなかったのが神威で、とんでもない腰の強い先調子で私の腕力が全く足りず、竿の特徴である早く浮かせる事が出来なかったため、少し大型になると簡単に伸させてしまったのです。但しこれも長尺になればなるほど強く、反対に14尺以下だと腰は案外弱いと感じるものでした。


 また煉は使う内に感覚は変わっては来たのですが、硬式胴調子であったがためにやはり非力な私には腕にかかる負担が大きくて使いこなすことが出来なかったのです。


 飛天弓閃光Xは軽量でとても使いやすかったのですが、その軽量さと柔軟度が上手くマッチして超お勧めの竿だったです。長竿では間違いなくお勧めの1本ではあると思っています。しかしダイワヘラFやFXを使ってみると調子の出し方は違っているのですが、価格的にも良心的で懐に優しいので閃光よりお勧め度合いが高いと感じたのです。


 ところがその後ダイワの兆を手に入れて使ってみますと、とてもしなやかで優しく釣り上げられる。まさに大人のシットリとした艶のあるしなやかさのある竿に出会ってしまったのです。そうなると超お勧めだったはずの軽量系の竿FやFXが、どうしても子供っぽいと感じるようになってしまいました。
 ダイワの兆を手に入れてその色っぽい調子を気に入ってしまったのですから、今度は同じ路線である朱紋峰本式を使ってみたくなるのが人情というものでしょう。


 但し短竿ではそれ程の大きな違いを感じることは出来ませんので、私的に1日使っても体力的に保つ最長寸である17尺を選んでの感想となります。他の神威や閃光に煉そしてFXやFそしてヘラXも基本的に17尺で比べています。
 でも各社17尺を出さなくなってきているんです。一番使われないサイズなのでしょうか。ダイワヘラSなんて7尺から21尺まであるのに17尺だけ欠尺になっているんです。シマノでは16.5と1.5刻みであったりして、17尺が嫌われてしまっているのがとても哀しいのです。18尺だと少し重くて1日使い続けるのに負担を感じ、16尺だと少し短いと感じてしまう私は変でしょうかねぇ。


 いつものように前書きが長くなってしまいましたが、朱紋峰本式17尺を使ってのインプレッションとなります。


 先ず始めにシマノのコマーシャルメッセージを紹介しておきましょう。


 「磨き抜かれた総合性能を誇る」と銘をうった『朱紋峰』シリーズの第一歩は、1983年にデビューした、初代『朱紋峰』からはじまりました。あれから30年、シマノへら竿は、ここまで進化を遂げました。それが、新たな技術製法によって誕生した『朱紋峰 本式』です。あえて太めのチューブラー穂先によるサオ先の頼もしさと「スパイラルX」による構造的な強化、そして被りすぎず、軽すぎない「心地よい振り心地」を発揮する「しなり調律Ⅱ」の三位一体となった相互作用によって"無理なく竿が立ち、それでいて釣趣に大事な手応えを持ち合わせた"汎用性の高い竿に仕上げました。つまり『朱紋峰 本式』は、パワフルな盛期の大型野べらにも屈せず楽に寄せ、軽快な手返しで数釣りも楽しめるという、広範囲に愛用できる竿なのです。



 このコマーシャルメッセージを読むだけでも、まさに私が求めている竿の特徴を兼ね備えているヘラ竿ではないかと思った次第です。


 今回の釣行は道糸0.8号・ハリス0.5号・約3mの底釣りです。餌うどん・団子・グルテンを使ってみました。ヘラブナの平均サイズは尺2~尺3で少し大型傾向です。一般的な尺程度のヘラブナサイズがとても少ない釣り場でしたので、取り込みなどもヘラ竿としての特徴がよくわかりました。


 先ず竿のテーパーの出し方を見るだけでもその特徴がわかります。先径が1.1mmありますので少し太めに仕上がっています。反面元径は11.8mmと少し細めに仕上げられています。同じシマノの独歩が0.9mm/12.6mmですから明らかにテーパーの出し方に違いがあることがわかります。
 同じような調子であるダイワの兆も1.1mm/11.2mmですから、兆しの方がテーパーが少ない事がわかります。
 そうそう閃光Lが実はこの本式と同じ1.1mm/11.8mmのテーパーで仕上がっているのです。同じ軽量系の翼に至っては1.1mm/11.3mmですからもっと緩やかなテーパーに仕上がっています。ただテーパーの付け方だけで特徴は決まりません。やはり竿の特徴はカーボンテープの弾性に大きく依存していますので仕上がり方には違いが出てしまいます。
 ただダイワのヘラFXでは0.9mm/12.3mmでヘラFが1.1mm/12.4mmですから、使ってみた違いもダイワの方が先調子に上がっています。


 カーボンの特性の違いもあるのですが、穂先をやや太めにすることで7:3や8:2のような先調子とはならず、胴を積極的に曲げようとする意図が現れています。この性質は竹竿の穂先が削り穂ではなく3本や4本の合わせ穂と同じ考え方だろうと思うのです。そのために少し重い餌をぶら下げても穂先が負けることはありません。ただし削り補のようなしなやかさに欠けますので、軽い振り込みでピンポイントに打ち込めるという性質のものではなく、どちらかというとポイントに置いてくる感覚に近いでしょうか。
 つまり掛けても振り込んでも胴を積極的に使う竿作りがされていて、そのために合わせも穂先が水面を切る感覚ではなく、胴が曲がってスッと穂先を抜く感覚に近いでしょうか。とても負担が少なくどちらかと言えば穂先をあげるのではなくて、胴を曲げて合わせる感覚と言えば良いでしょうか。これはまさに竹竿の長尺での合わせ方そのものだと感じました。
 しかしどうも穂先の太さのためか引っかかる感じもしましたので、水面から竿先を軽く抜くためには穂先を深く沈めない事で対応出来ました。


 いったんヘラブナを掛けますと慌てて取り込むのではなく、胴を十分に曲げて竿全体でヘラブナの動きを受け止める釣り上げ方をする事で、本式の特長を十分に生かした取り込み方が出来ると感じました。手への感触も軽量系のカンカンとした伝わり方ではなく、ショックアブソーバーのような柔らかいしなりで腕に優しい伝わり方を示してくれました。
 この感覚はダイワの兆にとてもにているのですが本式の方がやや硬式に感じました。とはいえやその差は殆どなく、見た目も同じように赤く装飾された竿ですので、どちらを使っても遜色はないと言えるものでした。たた胴のしなりが効いた取り込み方が出来ますが、慌てて取り込もうとすると足下に潜られてしまいます。その点も兆によく似た現象で本調子の曲がり方そのものですから、沖で顔を出すまで慌てずにやり取りをする竿だとわかります。誰よりも早く浮かせたいと思うのであれば本式は選ばない方が良いと思いました。
 そういう意味では勝負竿ではなくて楽しむための竿といえそうですね。
 竿の特性は他の竿とは明らかな違いを感じることが出来ます。これは長尺であるからこそ余計にその特徴を体現できると思うのです。
 この写真で見る限り先調子に見えますが、この前段階ではヘラブナの引きによって胴に乗ってくるように曲がっていました。じっくりと待って浮かせるとこのような曲がりになります。


 イメージ的には6:4の胴調子ですが最近柔軟度が高いシマノの柳や伊吹、ダイワの玄むくのような極端な曲がり方とは違い、大助でもしっかりと取り込める安心感がある竿だと感じることが出来ました。
 私的な個人の感想ですが、ダイワの兆と共にシマノの本式はお勧めの1本といえるでしょう。というか本式の方が兆よりも先に発売されていますので、兆が真似たとは思いませんがよく似た調子だろうと思います。後で出た兆が改良を重ねて満を持して発売されたのでしょうから、もう少し趣味性が高いのではとも感じています。
 両者の感覚は竹竿からカーボンに持ち替える場合に、竹竿の味を残しながらも明らかなカーボンの良さが備わっていると感じて頂けるのではないかと思いますが、竹竿より当然カーボンに寄った調子には違いありません。
 今まで本式を使っておられる皆さんはどのような感想をお持ちでしょうか。


 実は次に15尺に適している竿は何だろうと迷っていたのですが、ダイワ兆にすべきかシマノ本式にすべきか、今回の体験でどちらを手に入れても間違いないと確信したとこみろです。
 

朱紋峰 本式 17尺 シマノ

価格:67,120円
(2020/8/26 09:15時点)
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 次回はこの本式と兆の両方使ってみて細かな違いを検証したいと思います。