両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 納得枚数は

 ヘラブナ釣りは他の釣りに比べても、依り多くの釣果を競うゲーム性が高いと思うのです。勿論どんな魚種だったとしても多く釣れると嬉しくなってきますが、その喜びを感じる基準値が違うように思うのです。


 確かにどんな釣りに於いても一般とは比較にならないほど多く釣り上げる猛者は存在します。その基準は1つには100を超す束釣りでしょうか。束釣りと聞くと誰しも思うのはワカサギ釣りやアジ釣りなどのサビキに代表される多段針の釣り方でしょう。春先の子鮎釣りもこれに属するでしょうか。
 これらの対象魚は釣る楽しみというよりは、釣った後の食味狙いの感が強いはずで、いってみれば漁的感覚の部類に入るでしょう。その為に多ければ多いほど嬉しいと感じるでしょう。まぁ釣り過ぎてしって後の処理が大変だぁって嘆くでしょうが(笑)。


 私自身が海釣りをしていた頃は、食べたい魚を求めての釣行が多かったものですから、イカ釣りやキス釣り、メバル釣りやカサゴ釣り、スズキや黒鯛釣り、真鯛やハマチ釣りとその時期の食べたい魚を釣りに行っていました。気がつけば部屋中道具だらけで、釣具店が開けるといわれたほどに数多くの道具を揃える結果となっていました。
 当然食べたい魚を釣り上げると家人達も喜んでくれていましたので、余計にチカラが入るというもので、1毎度も多く1㎝でも大きな魚を求めていたものでした。


 それが昨今は海の魚だとしても釣り上げては放流するような、ゲームフィッシング化してしまっているようで、大きなブリが釣れても大きな真鯛が釣れたとしても、そのまま放流してしまう人達が多いのには驚かされます。実際釣りタテを食べると美味しいと思うのですが、魚を食べなくなってしまったのか、それとも調理そのものが出来ないのか、または奥方のキッチンが汚れるとの苦情から持ち帰れなくなったのかも知れませんね。


 色々な釣りをしてきましたが、例えば磯の黒鯛釣りは良いサイズが上がりやすいのですが、40㎝級を1枚釣り上げる事である程度満足出来ます。3枚釣り上げれば上出来だとして、迎えの渡船に乗り込む時に感じる羨望の眼差しや、帰宅した時の家人の迎える姿などを想像して意気揚々と帰宅することが出来ました。
 スズキ釣りの場合も60㎝級の大型サイズが1枚でも上げれば十分で、70㎝や80㎝級が釣り上がると持て余すほどで、40~50㎝程度のサイズでも4~5枚も釣り上げると小躍りしたくなる程の満足感を得られました。


 舟の真鯛釣りだとしても40~50㎝級が5枚も釣り上げれば十分満足出来ていたはずです。70㎝級の真鯛などは成長しすぎて身が荒くて美味しくないのですが、その迫力には釣魚として十分満足するサイズでした。
 アジだって10㎝前後の小味は別として30㎝近い大型サイズが釣れると、そんなに枚数を釣り上げなくても十分満足出来る釣果でした。まぁキスやメバルなどサイズが小型になると、比較的数釣りをしたくなっていたものです。


 ところがヘラブナになると小さいといっても尺近くありますので、本来はそれ程の数を釣り上げなくても満足出来るはずです。ところがゲーム性を追求するためかわかりませんが、10枚以下では決して満足出来ないと思うのです。
 それが例えば厳寒期の激渋の時期だと、口では1枚釣れると満足だとか竿を出すだけでいいとか言ってみたとしても、心の底では決して満足出来ているわけではなく、どこかに不満が残っていると思うのです。
 ただ面白いことに釣り堀などでは、他の釣り人の釣果もある程度は解りますので、その比較によって1枚でも多く釣り上げる事が出来ると、それなりに満足出来るから面白いですね。


 では時期に拘わらず1回の釣行で何枚釣り上げると満足というか及第点を付けられるでしょう。


 それは10枚ですが?20枚ですが?30枚でしょうか。いつも束釣りとして100枚越えを釣り上げている釣り師にとっては、40や50では決して満足出来ないでしょう。反対にいつも10枚20枚の釣り師にとっては、40枚釣り上げる事が出来ると小躍りしたくなる程の喜びとなると思うのです。
 となると満足感とはいつも釣り上げている平均釣果によって違ってくる事になりますが、そういう意味では毎回束釣りをする人程にとっては、一般的な釣果だと決して満足出来なくなっていることになります。反対に日曜釣り師の平均値はどの程度かは知りませんが、仮に一般的釣果の釣り師が良い釣果を上げられるとそれはそれは満足の出来る1日を過ごせたことになります。


 この感覚の違いは競技者と一般釣り師の違いもあるのではと思うのです。競技者は単に1枚釣り上げる楽しみでしょうが、一般釣り師は的確な当たりを捕らえて上手く1枚針掛かりするところから、十分に引きを楽しんだやり取りをして、最後に玉に収まるまでの経過を楽しむのですから、同じ数量の枚数を釣り上げたとしても、楽しみや喜びは一般釣り師の方が大きいように思うのです。その結果として満足枚数も自ずと違っているのではと想像するのです。


 これはどっちのタイプが幸せでどちらが不幸かは一概には言えませんが、枚数についての感じ方は、いつもいつも抜きんでた釣果をしている人は、平均釣果に留まると満足出来ないのだとすると、日々の釣果は低い方が良いなんてことが言えてしまいます。
 勿論低い釣果で満足していると技術の向上はありませんから、いつまで経っても平均釣り師の仲間入りって事になるのですが、反対に平均釣果では満足出来ない上手い釣り師には、外野から見ていますと悲哀すら感じられるように思えてしまいます。


 何でも程々とは良く言ったもので、上を見すぎても辛いだけですし現状に満足すると向上はしません。ではいったい何枚の釣果を目標にすれば良いのでしょうか。それすら日々釣り上げている枚数に左右されるとしても、またいつも釣行している池によっても違ってくるでしょうが、やはり到達する枚数の目標は50枚になると思うのですが、1日6時間の釣行だとすると1時間平均8枚釣り上げる必要があります。実際には平均的に釣れる事はなく、ある時間帯は入れパクを演じる必要があります。


 1時間8枚とは7.5分に1枚の釣果です。じーっと7分間浮きを見続けているのはなかなか大変なことで、私には到底出来ない相談なのですが、増してカラツンや単なる餌の打ち返しも含めますと、7.5分に1回の餌の打ち返しでは決して1時間に8枚は到達出来ない数字です。案外忙しい釣りだと思うのですが、当たりさえあればそんなに難しい回数ではありませんね。


 ただ年中多くを釣り上げたいとは思っていません。湯ノ花釣りセンターのように束釣りが当たり前の釣り堀では、50枚なんて少ない数字では決して満足出来ないのですが、反対に言うと常に束釣りが出来る池は面白くも何ともないのです。やはり苦労して50枚に到達出来るような、そんな釣り堀が私は好きですが、厳寒期に50枚はとてもとても無理ですから、、30枚にまで落としても満足出来るでしょう。


 いずれにしても人の満足感なんていい加減なものですから、いつもいつも良い釣りを続けていると反対に不幸だと言えそうで、1度薬に手を付けてしまって抜け出せずもがき苦しんでいる状態に似ているような気がするのですが、それは私のような良い釣果が出せない釣り師としてのひがみがそう感じさせるのしょうかねぇ(笑)。


 いやいや決して薬に手を出してはいけません!
 ヘラブナ釣りだって調子にのって釣り過ぎるのも、決して良くないように思えてしまいます。
 昨日より今日、今日より明日、ホンの少し向上することが出来れば、人は幸せだと感じる事が出来るのですから欲張りは厳禁ですね。