両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り ヘラブナは警戒心が強い?

 良く耳にすることですがヘラブナは警戒心が強い魚だと聞きます。それは本当のことなんでしょうか。


 警戒心が強いとする根拠はいったいどこにあるのでしょう。人の影に怯えますか?物音には警戒しますか?1度散ると再度集まることはないですか?


 私も警戒心が強い魚だとする噂を聞いていましたので、基本的に警戒心が強いためにハリスも出来るだけ細くしたほうが良いと思っていました。同時に浮きも出来るだけ繊細なほうが良いと教えられるままにそう思っていました。この情報は40年前の話です。


 道糸0.3や0.4号ハリスは0.2号、浮きはボールペンの芯程度の太さで当然見えるぎりぎりの1mm以下のムクトップでした。勿論これは両うどんの底釣りの仕様です。


 多分現代でも警戒心が強い魚との思い込みがあると思うのですが、色々な状況を見ている限り到底警戒心が強い魚とは思えないのです。


 一般的警戒心が強い魚としましては渓流魚が上げられます。人の影にはとても警戒しますが、それは透明度が高く澄んだ清流で水量もそれ程多くない狭い範囲に生息しているが為でしょう。人の足音や人影には特に過敏に反応しますので、1度警戒して岩陰に隠れてしまうともうその日は釣れないと思ったほうが良いでしょう。
 ただ渓流魚も繊細な細い仕掛けを使うのですが、これは目が良いとか警戒心が高いというよりは、水流に逆らわず自然に流すためのものであって、ハリスなどが見えないようにしているわけではないと思っています。事実餌を先にして流しに上手く流れに乗せると簡単に食ってくれますが、反対にどんなに細仕掛けでも仕掛けが先に流れて餌が後を追う状態では、全く釣れないと思って良いでしょう。
 つまり仕掛けの細さよりも釣り方そのものが問題だろうと思っています。


 ヘラブナの場合はどうでしょう。野池では場合によって藻刈りをしてからポイントの確保をすると思いますが、もし渓流でそのようなことをすると金輪際釣れませんが、ヘラブナはそれから餌打ちを開始しすると集まってくれて、餌を食ってくれますので釣れてくれるるはずです。
 また釣り台を池の中にグイグイと押しつけてセットして、水面に姿をさらすように高い位置で仕掛けをセットして釣り出しても、やはり反応を示してくれるはずです。


 野池の乗っ込みシーズンのような時期の仕掛けに至っては、ハリス1号や1.5号なんて当たり前の世界ではないでしょうか。そんな太仕掛けでも餌を食ってくれるのですから、警戒心が強い魚といえるのでしょうか。


 一方釣り堀ではどうでしょう。ハリスは0.3で十分だとか0.5は必要でしょうとか、また当たりはとて小さいから浮きも繊細にムクトップでないとダメだとか、これはヘラブナの警戒心を心配するがための方策なのでしょう。


 正直いいましてヘラブナは全く警戒心が強い魚ではない!といえるのではないでしょうか。


 仮に0.3号のハリスの方が0.5号を使っているよりも比べものにならない程釣果に差が出たことはありますか?
 ムクトップの方がパイプトップより釣果が良い経験はありますか?
 仕掛けの振り込みは静かに静かに、物音を立てない方が良く釣れた経験はありますか?


 何もピンポン浮きでも良いとはいいませんが、当たりの小ささも反応の鈍さも仕掛けの問題ではなくて、単純にヘラブナという魚種の性質でしかないのではないかと思うのです。
 黒線程度の当たりだとしてもそれはそんな餌の吸い込みをする魚だというだけで、警戒して小さな当たりしか出さない訳ではないと思うのです。また同時に繊細な仕掛けにすればするほど、当たり方も繊細な当たり方を示しているに過ぎないと思うのです。これは不思議な現象なのですが、鯉はトンカチで叩いたような当たりを出すといいますよね。素人集団が釣りを楽しんでいる池では、ホントにズボッと入るような当たり方をしていますが、毎日攻められているコイの釣り堀では、繊細な仕掛けで釣っていると繊細な当たりしか返してこないのです。決してトンカチ当たりなんて出ないのです。


 つまり釣り人が繊細な当たりしか出ないような釣り方をしているが為に、警戒心が強い魚だという固定概念に陥っているのではないかと思えてくるのです。


 水面に盛り上がるように集まるヘラブナの事実
 スレて1度散らしたヘラブナがまた集まってくる事実
 餌の振り込みには音を立てた方が寄り多く集まる事実
 何枚釣り上げようがまた集まり続けて釣れ続ける事実
 人影の映る足下に多数集まってくる事実


 ヘラブナほど警戒心が薄い魚は無いのではないかと思ったりします。


 学習能力があると仮定してそれなりの警戒心を持つかも知れませんが、事実何度も釣られてくるヘラブナを見ていると、学習能力なんてないのではないかと思ったりします。反対に全く学習能力が無いとはいえない部分としましては、給餌に対する学習をしてしまうことでしょうか、事実餌打ちポイントには盛り上がるように集まってきますし、我先に食い出すと多数釣れてくれではないですか。


 となると攻め方にも違いが出るのではないでしょうか。
 ある猛者は釣り堀でも道糸1.2号にハリス0.8だと聞きます。ひょっとして違反では無いかと思うのですが(笑)。それでも遜色なく釣れるのですから、変に細仕掛けにしてハリス切れを起こしヘラブナを傷めるよりは、しっかりと釣り上げる方が良いのかも知れないですね。


 案外警戒心の薄いヘラブナだとすると、ヘラブナという魚の性質を考えることで釣り方が決まってくるように感じます。
 鯉ほど強い吸い込み方はしない
 我先に餌を追う
 人影に怯えない
 物音には過敏に反応する
 釣られる警戒感は薄い


 その他魚類全般に等しい性質として
 水温には過敏に反応する
 風雨の影響は受ける


 さてこのようなことを考えていきますと、仕掛けそのものも案外無頓着で良いような気になって来ませんか?
 どんな対応の仕方が正解となるのでしょうね。


 複雑に考えれば考えるほど泥沼に入り込んでしまいます。釣れても釣れなくても良いなんて気楽な釣り方が正解なんでしょうか。私のような素人としましては、人より頭1個抜きんでることが出来ればと、小市民丸出しの姑息な感覚を持っているのであります。