両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 漆の取り扱い注意!!

 ヘラブナ釣りの用具には漆が使われていることが多々あるのですが、竹竿は勿論のこと浮きにも使われていることがあります。多くの場合はしっかりと硬化していますのでかぶれることはないのですが、肌が敏感な方や漆に対して弱い方は、しっかりと硬化していてもかぶれることがあります。
 *漆は乾くのではなくて硬化と表現します。


 もう随分前になりますが、祇園の料理屋さんのカウンターが朱色の漆を塗られたことがあり、私は大丈夫だったのですが、漆に弱い方はカウンターに触れただけでかぶれた方がいたそうです。


 この店の揚げた素麺の椀がとっても美味しいんですよねぇ。祇園にはコロナになってから全く行かなくなってしまいましたが、また・・・・もう無理かなぁ。このお店は祇園甲部にあるおまかせ割烹井筒屋さんです。宴会でも何度も使わせていただいた店ですが・・・数年訪問していないだけで懐かしく感じます。


 お店の話ではなくて漆の話です。私自身竹竿の拭き漆をするのですが、京都には漆専門店がありますので、生漆や黒漆など本格的材料が簡単に手に入れることが出来ます。私は株式会社佐藤喜代松商店で購入していますが、誰にでも販売してくれますので気楽に訪問しては購入させていただいていますが、最小では10gですから手軽に購入できます。


 漆のかぶれには十分注意していたのですが、慣れてくるとまだ硬化していないのにうかつに触ってかぶれてしまったことがあります。始めは何が原因か全く解らずに医療センターの皮膚科で診てもらったのですが、一番酷く出たのが左足でこの写真の状態になってしまいました。ところが・・・

 日を追う毎に症状は酷くなるばかりで下の写真のように症状が悪化したのです。何度も通っても漆によるかぶれと診断されず、色々な薬を塗っても良くならず、最後には免疫抑制剤を処方されてやっと沈静化する事が出来るほどで、それもたった指先に少し触れただけでしたが、全身にかぶれが発生してしまいました。


 指先に触れただけで左足はこの状態で、右足の指の付け根からお腹や背中にも、また左右の腕にも出てしまって全身のかゆみに耐えていたのです。後日漆店の佐藤社長にこの写真を見て貰うと、一言で漆かぶれです・・・と。解っていれば皮膚科でもそれなりの対処をしてくれたのでしょうが、皮膚科の医者だとしても余り経験がなかったのかも知れないですね。


 今回取り上げたのは実は又最近少しだけ漆を使っのですが、またまたうっかりと指先にほんの少量生漆が付いてしまったのです。大急ぎで洗ったのですが・・・後で考えるとテレピン油か化粧落としを使って洗う必要があったのですが、単に手洗い用の泡石けんを使って洗ったがために、翌々日からひとつ又ひとつとかぶれと水ぶくれが出始めたんです。


 今も両足と両手に出ていますが・・・もう経験積みですからステロイド軟膏を塗ってかゆみに耐えています。知らないととても不安になりますが知っていると案外気楽なもので、いつかはかゆみが消えるだろうと放置しています。


 そうそう釣具店に売られている漆の多くは合成品ですからかぶれません。またカシューと称する塗料がありますが、カシューと銘打ってるものの多くはウレタン塗料で作られていますのでかぶれませんが、本カシューはウルシ科の植物ですからとんでもなくかぶれますので注意が必要です。前出の漆問屋の佐藤社長は漆を幾ら触ってもかぶれないので、指で漆をかき混ぜるのも平気ですがカシューだけはかぶれると言われていました。


 竹竿や浮きを塗装するのには、ウレタンなどに比べると何十分の1程度と、漆はとんでもなく薄く塗れますので良いのですが、取り扱うには十分に注意して下さい。かぶれるかどうか解らない間は、しっかりとゴム手袋を二重に填めて使用されることをお勧めします。
 ただゴム手袋のメーカーに確認したのですが、ゴム手袋で漆の浸透が防げるかは解らないとのことでしたので、使い終わったらしっかりとテレピン油か化粧落としで洗って、再度石けんで手を洗うようにしましょう。事前にクリームを塗っておく方法もあるのですが・・・。


 漆の良さはとんでもなく薄く塗り広げることが出来る事で、その薄さにするためには一度塗って全てを専用の紙で拭き取ってしまうのです。これ以上は拭き取れないほど拭きと取り紙に漆が付かなくなるまで何度も拭きます。それが拭き漆の基本ですからとんでもなく薄く塗っている事になります。それを何度か繰り返すととても綺麗な艶が出て防水機能が発揮されます。
 拭き取りが疎かになると色がまだらになってしまったり、熱く濡れているところはしわになってしまいます。そうなるとサンドペーパーで一度こそぎ取ってから再度塗り直しが必要になりますので注意して下さい。但しその場合のサンドペーパーも高番手のものを使い水に浸けながらゆっくりとこそぎ取ります。決して削り取るような荒いサンドペーパーは厳禁です。


 漆の硬化には湿度が必要ですから梅雨から夏場に掛けてが扱いやすく、特にムロなど必要としませんが、埃などが付くと失敗の原因になりますので、出来るだけ早く硬化するようにして、使ってない部屋や押入など埃の出にくい場所で硬化させるようにします。
 秋から冬期の乾燥気味の時期には1ヶ月ほど掛かってもまだ硬化しないかも知れませんので注意が必要ですが、間違っても硬化しているかどうかを素手で触らないようにして下さい。ひとつの目安は漆を拭き取った紙を残して置いて、その紙がカサカサと音がするほど硬くなっている事を確認することで、竿や浮きの漆が硬化しているか確認できます。


 実は前出の佐藤喜代松商店では、冬期など乾燥と温度の低い時期でも硬化しやすい漆が手に入れることが出来ますので、相談されると良いアドバイスをいただけます。


 でも、冬期にはあれほど苦労していた漆間の硬化が、梅雨から真夏に書けては至極簡単に硬化してしまいますので、慣れない人が手を出すには梅雨まで待った方が良いですね。