ヘラブナ釣り スポーツフィッシング?
ヘラブナ釣りは日本発祥のスポーツフィッシングとして有名ですが、スポーツフィッシングの定義は至極簡単で職業漁師以外を全て指します。釣れた魚をリリースする事が前提では無いんです。
釣った魚を食べてしまうとスポーツフィッシングではないと思われがちですが、世界的なスポーツフィッシング組織であるIGFA=インターナショナル・ゲーム・フィッシュ・アソシエーションでは放流することは規定されていません。トローリングのカジキマグロの大会では釣り上げたカジキをクレーンにぶら下げてあるのを見たことがあると思いますが、クレーンで吊り下げてその重量を量りますので放流しないんです。
また記録は関西的には全長などサイズを重視しますが関東方式の重量が世界的な基準となっています。それはゲーム性を高めるために仕掛けの太さが重要になるためです。つまり如何に細い仕掛けで重い魚を釣り上げるかがポイントになっているためです。但し面白い事にサイズの規定もあってヘラブナの場合は45㎝以上が最低条件となっています。それがマブナの場合は30㎝以上ですから平均的にヘラブナの方が大きく育つ事になっているようです。
IGFAの日本組織はJGFAがその役割を担っているのですが会員以外の申請料はなんと10,000円です。我こそはと思われる方は申請をしても良いのですが10,000円は懐が痛いですね。但し根本的なところとして残念ながらリールを使わない竿釣りはルール違反となりますので申請できないんです。
確か日本記録の青森県姉沼で釣れた64cmですがこちらはリールを使ってコイ釣りをしていて釣り上げられたはずですから、世界的な記録として申請すると認めらるはずです。但し申請には仕掛けが重要ですからハリスの見本も併せて提出する必要があります。また釣り上げてから30日以内との規定もありますので、今から64㎝のヘラブナの記録申請は出来ないんですよね。
私的にはスポーツフィッシングとの表現があまり好きではないんです。生きた魚を相手にしてスポーツといえるのでしょうか。スポーツに含まれる意味合いはゲームですから、相手は命がけですから相手の命を奪う事にスポーツ性は存在しないでしょう。
確かに諸外国の狩りなどではスポーツとして猟銃を使うようで、本来禁止されている野生動物をターゲットにした狩りが行われています。それを合法化すべく家畜化した獣を撃たせるようにしているところもあると聞きます。
もし再放流することでゲーム性を担保しているのだとするのも人間の勝手な考え方で、釣り番組で釣り上げた魚を再放流するときに、釣り人が「ありがとう」と声を掛けて放流しているところを見ることがありますが、感謝の言葉を投げかけることで罪の意識を和らげているのか、それとも私はゲームをしているのだからその相手をしてくれてありがとうなのかも知れませんが、人間的反応をするとするなら感謝ではなくて謝罪の「ごめんなさい」ではないかと思ったりします。だからこそ余計な言葉を言わない方が良いのではと思うんです。
なんて勝手なことを言っていますが私自信ヘラブナ釣りをしていてごめんなさいなんて謝罪の言葉を述べたことはありませんからいい加減な話ではあるのですが、ありがとうではないだろうとの変な疑問を持っています。
全国にはヘラブナの供養塔が幾つも建立されていますが、日本人的感覚なのかも知れませんね。最低限命を相手にしている事は忘れてはならない気がしますので、スポーツフィッシングやゲームフィッシングとの表現は、なんとなくスッキリ来ないところがあるのも事実です。
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