両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り ヘラ竿 インプレッション

 月影を通してヘラ竿に対する印象を述べてみたいと思います。
 もう随分前になるのですがシマノの月影は14尺と9尺を手に入れていたのですが、14尺は何故か簡単に2番の穂持ちがポキッと折れてしまった経験があります。シマノのヘラ竿の中では硬い部類に入るのですが、だからといって決して無理して引き寄せたわけではないのですが、2番のすげ口から15㎝程度の部分で折れてしまいました。


 実はヘラ竿が折れることは案外多いと感じています。特に軽量系の元竿での破断事故は釣り場でも結構目にしています。あるメーカーの営業マンからもその噂は耳にしているのですが、軽量系以外ではそれほど信頼が置けないとも思わないので、特に私のメインの竿になっている本式では、極端な本調子を示す短竿で大助を釣り上げても保持できていますので製品のバラツキがあるのかも知れません。


 現在も使用している月影の9尺ですが9尺は他に本式とダイワのHERA Xを使っています。この使い分けは釣り場の状況や対象魚のサイズによるところですが、特に本式を使う場合は引き味を楽しむ場合に使用し、大会などではHERA Xを使用していることが多くあります。いってみれば月影の出番というか使用シチュエーションが想像ができずに竿袋の肥やし状態になっていたのですが、使って見ると案外シャープな竿さばきが出来て少々良いサイズでもヘラブナに翻弄されることもなく、良い具合に主導権を取った状態で取り込むことが出来ています。


 そこで改めて硬さの体系を確認してみました。サイズが小さいので解り辛いのですが右に行くほど先調子で左に行くほど胴調子の表示で、縦軸の上に行くほど硬くて下に行くほど柔らかいことを表しています。
 一番硬いのはまたたきですが曲がり方は中間位置にありますので硬式胴調子を表しています。一番先調子が神威で次が新しく発売されている紅月で続いて>嵐月>翼>月影>皆空と続き一番の本調子か柳ではなくて伊吹か天童です。
 月影は案外先調子の部類になっているのだということが良くわかります。



 ただ実際に竿を振った印象では同じ硬さランクでありながら先調子で長尺になればなるほど胴が固くなっていますのでとても硬い竿の印象を受けます。
 イメージで表現すると硬さランクが同じですが神威は9:1で本式では6:4の印象です。但し同じ神威でも少し短い尺数になると印象が変わって、7:3程度ので曲がりますので柔軟度がアップしたように感じます。
 本式に至っては14尺以下になると6:4が4:6と逆転して極端な曲がり方になりますので本調子を通り越して胴調子になってしまいます。但しそれだけ曲がったとしてもその昔のヘラ竿のようなペラペラの竿ではないので、そこからは強さを発揮してヘラブナを上手く寄せることが可能になります。
 月影は尺数の違いによる曲がり方に差は少なくて、9尺を使った場合でも7:3程度で保持してくれるので扱いがしやすいのです。ついでの話でHERA Xは硬調子ですが全体としては本調子に振られていますので、程々は曲がるけれどそこで止まって主導権を竿が握ることが出来る印象です。

 釣り方の違いによっても竿の調子はとても重要で、チョウチン釣りであれば初めから竿と道糸が90度に保たれているので先調子の方が釣りやすいと思いますが、私の釣り方は沖の底釣りですから合わせた瞬間に竿先が上がらなければ伸されてしまいます。その為にはどうしても胴が良く曲がる竿の調子でなければ道糸と竿の角度が保てません。それが胴が固い神威など先調子の竿では竿が立たないために道糸と竿の角度が鈍角となってしまって、非力な私では簡単に伸されてしまいます。
 沖の底釣りの釣り方のために神威の17尺はさっさと手放したのですが嵐月1.6尺でギリギリの硬さと感じています。また月影も一時21尺を手に入れたのですが思った以上に胴が固くてやはり私には手に負えない調子だったので1度も使うことなく処分してしまいました。


 竿選びをする場合は自分の釣り方に合った竿の調子であるべきで、何が何でもこの竿であれば良い釣りが出来るというものではないと思うんです。チョウチン釣りで胴調子ではなかなか釣り上げられずに苦労する竿になってしまいますし、反対に沖釣りで胴の硬い竿では竿が立たずにこれもまた苦労する竿になってしまいます。
 反対に短竿では許容範囲が広いのですが今度はヘラブナのサイズによって選ぶのが良いのではと思います。勿論使用するハリスの号数にもよりますので冬期と盛期と使い分けるのも方法かも知れませんね。


 今までで失敗をしている竿の買い方としては、気に入った1本を見つけてその同銘柄の尺数違いを買いそろえる事です。上記の調子体系表を見ても判断しにくいのですが、これが同じ銘柄だろうとかと思うほどの違いを感じることがありますので、実際使って見なければ解らないことも多々あります。といって1度勝手から失敗したと手放すのも勿体ない話ですから、知り合いに使わせて貰うか少なくとも釣具店で繋がせて貰うことです。ただ高価な竿になればなるほど繋ぐことですげ口に擦り傷が付くので事を割られる場合があります。
 そのためにも展示会にでも行って多数の竿を触らせて貰うのが良いのかも知れませんが、餌の打ち込みから水切り掛け合わせなどの主要な要素が解らないままになっているのですよね。やはり実際のフィールドで展示会をされる場合がありますので、そんな機会に出くわすことが出来ると良いのですが、メーカーとしては常時貸し出しをできる体制を取るのも販売促進としては良い方法だと思うんですが難しいのでしょうか。