少しばかり自虐的な話になるのですが、我が天釣会は日曜釣り師が集まりその1日を楽しむためとして小大会及び月例会を開催しています。いわゆる釣りクラブではなくてあくまでも釣り大会を行う会となっています。その為に他のクラブに籍を置いておられる方も自由に参加していただいているのですが、そんな競技を続けていまして最近特に思うことがあります。

　月例会の場合は小大会より厳しい規定を設けているのですが、釣り座に関しては事前に抽選をして次回開催する釣り座を決定するのですが、抽選に参加されなかった場合は事務局が釣り座を指定させていただいています。つまり当日は決まった釣り座以外に移動することは出来ないようにしています。競技会としては至極当然のことですが公平な大会になるように腐心しています。
　反対に小大会は当日偶然池で出会った釣り人同士で、では始めましょうというような気楽な大会としていますので、朝に入った釣り座から移動することも良しとしています。つまり通常の日曜日のように釣りを楽しみ同時に小大会をしているに過ぎないんです。

　関西では元々池主催の日曜タテや月間タテと称して長寸大会が行われていました。今でも堺市にある西池のように41㎝以上は1,000円、45㎝以上は3,000円との買取制があり、また同時に土日祝のタテが開催されて5位までを入賞として順位別の賞品が用意されています。ホームの天狗池でも以前まで日曜タテや2ヶ月タテが開催され大助賞400円だったのですが、先代から今の池主に引き継がれてから規模が縮小されてタテはなくなってしまいました。大助賞も少額の100円となっています。

　最近西池で感じたのですが皆さん買取金額が良い池ですから、釣果よりもサイズ競争の感が強くて、それも如何に大助サイズを釣り上げるかに関心が高く、サイズを測りに行こうとすると皆さんが持っているヘラブナのサイズを確認するように目線を送ってきます。場合によっては何㎝あった？と質問が飛びます。皆さんの会話を聞いていてもサイズの話ばかりになっているように感じます。
　そのやり取りや様子を見ていますと表現は悪いのですがパチンコ屋さんのような博打的要素がとても高いと感じてしまったのです。

　そこで我が身を振り返り見直すのですが天釣会はまさにその博打的要素とまではいいませんが、天釣会が発足した元々の原因が天狗池で日曜タテを辞められた事が切っ掛けでした。
　それまでは日曜タテとしてサイズ競争で33㎝以上が登録できるのですが上位3名までの賞金と10位までの景品としての日用品が用意されていたのです。それが無くなってしまったがために何か始めないかとの提案で小大会を開催する事になりその後月例会を開催する事となったのです。

　曰く何らかの刺激があった方が面白いとの提案から始まったのですが、純粋にヘラブナ釣りを楽しむという意味ではなんとなく違うのではないか、特に最近西池での出来事を見ることで余計にその感を強く受けることとなってしまいました。

　あの俳優の山村総氏は「釣りひとり」(絶版)との著書の中で次のように書かれています。
「競技会でないとファイトが湧かないというのは、いかにもみすぼらしい。」
　この言葉にハッとされる方も多いのではないかと思うのですが、私もその1人で西池に行くとついつい大助を狙っています。勿論天狗池でも大助が釣れると嬉しいので当然のように狙っているのですが、天狗池では100円で西池では1,000円での買取ですからチカラの入り加減が違っています。
　いつしか西池では大助が釣りたいのではなくて1,000円を釣りたいになっているのではと思ったのです。

　パチンコは出玉を喜びますがパチンコの玉が多いから嬉しいと感じるのは夜店での子供の話であって、大人は出玉はそのまま現金だと感じているはずです。それと同じように高額な引き取りはパチンコ店の景品の様相を呈していると感じてしまったのです。

　天釣会も大会専門の会ですからなんとなくこれで良いのかと思ってしまいましたが、そういう意味ではトーナメンターと称する人たちも山村総氏の言でいうならみすぼらしい人たちとなってしまいます。
　別に人の好みですからどのような思いでヘラブナ釣りを楽しまれてもいいのですが、純粋にヘラブナ釣りを楽しむにはどうすべきかと考えてしまいました。別に競技会を不純なものとは決して思わないのですが、いつしか賞金目当て名誉目当てになっているとするとやはりみすぼらしいと指摘されても仕方がないのかと思ってしまいました。

　競技会や大会に参加されている方に対して批判しているわけではないのです。あくまでも私の捉え方を語ったに過ぎないのですから気に障った方はお許し下さい。

　ん？私ですか？　　　ハイ・・・間違いなくみすぼらしいのであります(T-T)。。。