両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 古い竿を軽くする無茶ブリ

 ここで少し無茶振りなはなしですが、押し入れの奥に眠っている古い竿はないでしょうか。新しい竿を使い出すとどうしても調子が古いと感じる竿がありますが、調子だけはどうしようもないので諦めるとしても、古い竿は持ち重りが酷くて使い難い竿と感じています。


 今でも持ち重り指数を掲示しているのはがまかつしかありませんが、それをモーメントとして表示されています。単純にモーメント指数が大きいと持ち重りのする竿となります。


 モーメントとは瞬間を意味するmoment(モメント)ですが、竿で採用されている力学的な回転モーメントは、回転させようとする力の強さで一般的にはトルクと表現した方がわかりやすくてチカラのエネルギーを表す言葉です。


 竿の場合は1本の棒の片方を持ついわゆる握りを持って竿先を上げる動作をしますが、竿尻から竿先を上げるということは竿を上方に回転運動させていることになります。まさにトルクでありモーメントとなります。


 がまかつで採用されているモーメントの計算方法はわかりやすく。


 竿の重さ (g)×竿尻から重心までの長さ (cm)÷1000


 で計算することが出来ます。


  仮に重量120gで21尺の竿の場合、竿の重心位置が仮に竿尻から2mの位置にあったとすると、120g×200㎝÷1,000=24となります。
 この方式で持っている竿のモーメントを簡単に割り出すことが出来ます。


 がまかつの製品にだけこのモーメント指数は公表されていますので見てみますと、がまへら 凛刀 迅の場合の21尺は竿重量が115gでモーメントが22.6となっています。これによって竿の重心位置は196.5㎝となります。6.3mの竿で中心位置が1.965で約2mの位置で重心が取れていますから3分の1のところに重心があります。


 また同じ凛刀 迅で18尺の場合94gでモーメントは15.9ですから、バランス位置は169㎝の位置となります。実は重心位置は21尺とほぼ同じで3分の1の位置にありますが、元々の重量そのものが軽いために21尺より随分と扱いやすいことが解ります。


 他の尺数の中でもたった1尺違いで扱いやすいと感じたことがあると思うのですが、17尺では14.4ですが16尺では12.6ですからこの1尺違いは扱いやすさは随分と違っていることが解ります。


 同じがまかつの製品ですが軽量系のがまへら 幻煌天は凛刀 迅より随分と扱いやすさが解ります。凛刀 迅の21尺のモーメントが22.6でしたが幻煌天では19.0となります。また18尺でも15.9が13.8、17尺が11.5で16尺は10.1と随分と軽く感じるはずです。


 この計算式を知っているだけでダイワやシマノのモーメントも計算することが出来ます。また同メーカーでも調子の違いがある竿がありますが、実釣をする前にこの計算をしておくとその竿の扱いやすさが解ると思いますので、釣具店で竿を繋いで重心を図る程度の事はさせてくれるはずですから、今持っている竿とどのように違うかも簡単に解るのではと思います。


 では古い竿は元々重いのですからモーメントをどのようにして下げることが出来るのかです。実は至極簡単に下げることが出来ます。
 計算式が竿の重さ×重心÷1,000でしたので、元の竿の重量が変わらないのであれば重心までの距離を短くすれば良いことが解ります。


 先の凛刀 迅の21尺は6.3mあり重量も115gモーメントは22.6でした。この場合の重心は計算しますと竿尻から196.5㎝の位置になります。この前提に置いて次の作業をします。


 竿尻にバランサーを取り付けるとどうなるかです。仮に10gのバランサーを着けると竿の重さは125gと増えますので、仮に重心位置が196.5㎝のままであればモーメントは24.5となり随分と重く感じるはずですが、竿尻にバランサーを着けていますので重心位置は竿尻側に移動します。結果として重心位置が手前に来ますので竿全体の重量が重くなっても軽く感じる竿が出来上がることになります。


 ヘラ竿の場合竿尻に栓はされていませんので加工は簡単ではないのですが、振り出しの竿であれば尻栓がありますので、底栓を開けてバランサーとなるオモリを入れれば良いことになります。では通常のヘラ竿ではどうするかですが、竿の握りを加工されている方を見受けることがあるのですがその中に熱収縮するゴムの握りがあります。そのゴムの収縮する握りを付ける前にヘラブナ釣りに使う板オモリを巻き付けてから、チューブ状になっているゴムを取り付けてドライヤーで炙ると収集してピッタリと張り付きます。
 これで竿尻が重くなりましたので重心までの距離が短くなっているはずです。勿論竿全体の重量も増しているのは間違いありませんから巻き方としては竿尻近くのみとなります。
 実はオモリなどのバランサーを着けなくてもゴムの握りを付けるだけでも竿先が一気に軽く感じるようになります。


 尻栓を抜く方法では硬貨を何枚か入れるだけで操作性は随分と軽く感じますので、竿尻を重くする方法は長尺になればなるほど有効で、竿尻を重くしただけで竿先が随分と軽くなった印象を受けるはずです。つまり反対の言い方をすると竿の重量が同じでも、竿先が重い設計か軽い設計かで操作性に随分と違いが出て来ることになります。


 竹竿などでは削り穂と合わせ穂があるのですが、竹竿ですからそれなりの重量があるのですが削り穂は竿先が随分と軽く操作性がいいんです。これは竿全体としては重くても重心位置が元竿に近づくためにとても軽く感じるのです。
 ただ竹竿の場合は何が何でも削り穂が良いわけではなくて、重い餌を使う場合は合わせ穂でなければ反対に扱いにくい竿となってしまいます。


 竿先の重さによってその竿の特徴が決められているわけですから、好みの調子を見つけることでヘラブナ釣りの楽しさは随分と違ったも感覚を受けるようになると感じますが、扱いにくいとか持ち重りがすると感じられる場合に、初めはホンの数グラム竿尻を重くすることで違いが感じられると思いますのでちょっとした加工をしてみるのは如何でしょう。


 実験をる場合は竿止めリングをいくつか着けてみるのは如何でしょう。少し重くするだけでも軽く感じると思います。


 それとゴム収縮の握りはカッターで切ることで簡単に外すことが出来ます。勿論カッターで竿を傷つけないように注意して下さい。