両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り タピオカ餌の是非

 タピオカはご存じでしょうか。一世を風靡したタピオカドリンクとして使われていたものです。


 下記写真のように粉を丸く圧縮した状態で売られています。タピオカ粉を圧縮して丸く整形されているのですが、沸騰した湯に入れて少し透明にしてからポットに入れて中まで透明なにるまで湯を浸透させて作ります。

 香辛料メーカーのギャバンからも袋に入った状態で売られています。

 また業務用食品を扱っているお店では冷凍物もあります。

 マルキューから売られている力玉も同じような物ではないかと思うのですが使ったことがありませんので良くは知りません。



 野本釣具店からも売られています。



 以前このブログでも取り上げたことがあります。


 実は最近私の周りでもタピオカを使われる方が増えています。ワラビ粉やコーンスターチ粉にタピオカ粉などの粉から作るのは毎回一定に作るのも難しく、特に高温になる夏場はダレやすくて持ちが悪いなど、色々な欠点があったのも間違いないのですが、先に丸めてあるタピオカを使うことで、ポンプ出しをする必要もなく熱でダレる心配もないので使い安いと思われているためでしょう。


 ただ実際食べたことがある方はよくわかると思うのですが、このタピオカは落とすと跳ね返るほどの弾力があります。子供の頃流行ったスーパーボールの様子にとても良く似ていると感じます。確かに硬いので針保ちが良く管理のしやすいのはわかるのですが、ある事故が一時期ニュースになったことを覚えているでしょうか。


 それはタピオカドリンクを飲みすぎで腸にタピオカが溜まって、腸閉塞を起こしてしまう事故がありました。このレントゲンのように腸内でタビオかが溜まってしまっているのです。

 このレントゲンの持ち主は14歳の少女でしたが、他にベトナム人男性が食事代わりに食べ続けて同じように腸閉塞を起こしてしまって手術を受けたようですが、内臓壊死寸前だったとの事でした。


 腸閉塞を起こしていた人に共通するのがタピオカを噛まずに飲み込んでいたことです。それほど消化が悪い原因は、水分量が極端に少なく硬い仕上がりのためです。その為ボールのように跳ね返るほどになってしまうのですが、元々釣り用で使われていたワラビうどんは初めに粉を水で溶いて熱を加えることで、粘度を増してうどん状に成形することで釣り餌として使えたので、水分量がとても多くて柔らかく仕上がるために、そのままでも消化の良い状態に作れていたのです。ところが水分量の少ないタピオカはとても消化に悪い状態に仕上がっているがために、噛まなければそのまま腸内に留まってしまうのです。


 ただ人間の場合は腸や肛門も太くて大きいので、量が少なければ未消化であったとしてもそのまま排泄することが出来ます。しかしヘラブナの餌に使った場合はどうでしょう。ヘラブナが噛んで餌を食べるなんて事はしません。ヘラブナは口も大きいのでタピオカをそのまま飲み込むことが出来ますが、ヘラブナの腸や肛門はとても細く狭いので通過できないのではないかと思うのです。


 ヘラブナの消化能力がどの程度のものかは全く知りませんが、ヘラブナは無胃魚ですから一端胃に貯め消化してから腸に送ることが出来ません。口から腸の少しの間に消化液を出す器官があり数十分程度で消化して排泄してしまいます。その短時間でタピオカが消化できるのかどうかです。
 鯛などでは胃で10時間も掛けて消化しているようですが、食性の違いによる部分もお大きいのかも知れませんが、ヘラブナもそう簡単に消化できないように思います。
 タピオカの原料はキャッサバのデンプンですから植物性には違いありません。しかし胃もあり強い消化液を出せる人間ですら腸で詰まらせているのですから、ヘラブナはどの程度優秀な消化能力を備えているかはわかりませんが、腸を詰まらせて死に追いやっているような気がしてならないんです。


 元々両うどんの底釣りをする場合は、人間用のうどんを煮てとても柔らかくして使ったものです。その昔瓶詰めで釣具店に売られていましたが、それもいつしか消えてしまい釣り人が食用うどんを煮て柔らかくしてから使っていました。その後そのままでは柔らかくて針保ちが悪いために尿素で煮ることを発見されたのですが、聞くところによると料理研究家の土井勝氏が始めたとのことです。尿素がヘラブナにとって良いのか悪いのか解りませんが、尿素そのものには危険性がなく、人間用にも保水性を利用してハンドクリームなどにも使われているのですが、仮に体内に入ったとしても尿として排泄されてしまいます。


 その後食用うどんより柔らかくて弾力に富んだワラビうどんが作られるようになったのですが、それでもまだうどんと同じように粉を水で練ったものでしかないわけですから、まだまだ消化には良かったはずです。粉を固めた物としてはパンやうどんがありますが、共に消化が良く早くお腹が空くのもその証拠でしょう。


 ところが人間ですら消化できないタピオカですから、たとえ大助だとしても人間より遙かに小さなヘラブナですから、果たして消化出来ているのかどうかは大いに疑問に感じています。その為に過去にタピオカの餌として紹介しましたが、今になって後悔しているのも間違いないところです。


 もしタピオカを使うことでヘラブナを死に追いやっているとすると、結果して釣り人自身が釣れない環境を作っているのですから、自分で首を絞めているのと同じではないかと思えるのです。
 便利さはよくわかるのですが今一度留まって考えてみるのも良いのではないでしょうか。どうしても使いたい場合は極小さなサイズを使ってみて下さい。タピオカドリンク用は余りにも大きいと感じます。