両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 仕掛け糸アレコレ

 ヘラブナ釣りで使われている多くの道糸やハリスはナイロン糸だと思います。そこにフロロカーボンやポリエステルにPEラインが使われたりします。実際のところどの仕掛け糸がヘラブナ釣りに合っているのでしょう。


 先ずは代表としてのナイロン糸です。元々ナイロン糸は傷が付きやすく傷が付くと簡単に切れるとされています。また比重が軽いために水面に浮きやすいとされていました。その弱点を防ぐために表面にコーティングされて傷が付きにくくなっていたり沈みやすい糸が作られるようになりました。そのような加工がされている糸程高価で販売されています。


 ナイロン糸の欠点を補填するような糸がフロロカーボンで、ナイロン糸より傷に強くて比重が重いので沈めやすいので道糸だけでなくハリスとしてその地位を確立していきました。


 エステルラインは元々船釣り用に編み込まれたいととして出ましたが、後にモノフィラメントの糸が発売されるようになり、どちらかというと海のライトゲーム用の道糸として使われていました。比重もナイロンより重くフロロカーボンより軽い中間的なものです。


 PEラインは一世を風靡しだしていますが、この糸の最大の特徴は強度がとても強く今までの太さを全く必要といないので、随分と細い道糸が使えるようになりました。結果としてリールに巻く量が増える事とスムーズな糸の出方をしますので、飛距離が随分稼げますので海のルアーフィッシングでは大面から小物に至るまで広く使われるようになっています。


 この糸類は一通り使ったことがあるのですが、ナイロン糸はヘラブナ釣りの主流となっていますが、フロロカーボンは使えないのかエステ類はPEはと比べてみました。科学的根拠は横に置くとして個人的感想を述べていきましょう。


 基本はナイロン糸です。そのナイロン糸に比べてどうかで判断していきました。先ずはフロロカーボンを先ずは道糸としての利用してみました。ヘラブナ釣りでは浮きから細きまでの道糸は必ず水中に沈めなければなりません。ナイロンでは水を吸収するまで比較的浮きやすい傾向にありますが、フロロカーボンではいとも簡単に沈んでくれます。見ていて気持ちの良い沈み方を示しました。その点だけを取ればとても使いやすいと感じましたが、デメリットとしては糸が重すぎて浮きの餌落ちメモリをもう1節余分に沈めてしまいます。浮きが立ち餌の重さが浮きに乗ってなじむのですが、その後で道糸が完全に沈むことでもう1節よけいん浮きが沈んでしまい当たりが上手く出なくなってしまいました。
 但しこれは底釣りに限定した話で、宙釣りの場合は道糸の重さでもう1節沈んだとしても浮きの感度には影響しませんので使えるのではと思いました。
 ただハリスに使った場合は同じ号数では明らかにフロロカーボンの方が弱く、簡単にハリス切れを起こしてしまいました。それも結び目とかではなくて中間で切れてしまいます。これは伸びの差と感じます。実はヘラブナ用の道糸とハリスでは随分と性質の違いがあます。道糸は的確な合わせを伝達するために伸びが少なく、ハリスは合わせショックで切れないようにするために伸びがあります。その性質を無視してハリスで仕掛けを作ると伸びて伸びて全く使い物にならないことがわかります。
 反対にフロロカーボンは伸びが少ない特徴がありますので、海釣りのようなハリスを長めに使う場合には適していますが、ヘラブナ用のハリスには伸びが少ないために号数の選び方で簡単に破断してしまいます。ただここに少しの誤解があったのです。それは後記致します。
 


 エステルラインですがこちらはほど良い沈み方をしますので極端な沖打ちをしない限り使いやすい糸です。ただショックに弱い傾向にありますのでピンシャンしたヘラ竿には向いていないかも知れません。またその比較的ショックに弱い性質のためににも極端な細い糸は使わない方が良いと思います。ヘラブナ釣りでは少なくとも0.8号か出来れば1.0号から使う方が安全ではないかと感じました。そういう意味からもナイロン糸より不安感が残ってしまうんです。


 PEについては私には全く使い物にならないと感じました。とても軽くて水面に浮かんでしまいます。幾ら沈めるようにしたところで比重が水より軽いのですから駄目です。水の比重を1とした場合ナイロン糸は1.14ですがフロロカーボンは1.78もありPEは反対に0.97ですから簡単に浮いてしまいます。
 また思った以上に瞬間的ショックに弱くて合わせ切れが起きた事が数度ありました。ナイロン糸の引っ張り強度が1とするとPRは2.5倍の強度を示します。ところが結束強度はナイロン糸が70%~80%の強度を維持しているのに対してPEは40%しかありません。つまりPEは強度があるので細い糸が使えるにも拘わらず結束強度は40%しかないのですから極端に弱い事になります。つまり1号のナイロン道糸と0.4号のPEの引っ張り強度は同じですから、製を使う場合は0.4号で良いことになるのですが、結束強度が4割に落ちますのでナイロン糸の0.4号と同じ強度しかないことになります。その結果として穂先に結んでいた八の字のところから簡単に合わせたショックで切れてしまったのです。
 またPEこそ殆ど伸びませんのでハリスに掛かる負荷が増えてしまいます。そういう意味でもPEを積極的に使う理由は見いだせません。


 またフロロカーボンは伸びが少ないと思われているのですが、実態は思ったより伸びることがわかりました。また強度もナイロン糸より随分と弱いのです。
 1.5号の道糸での比較です。引っ張り強度はナイロン糸が3.8㎏あるのに対してフロロカーボンは3.1㎏です。伸びに対しては2mの長さに対してナイロンが36㎝でフロロは27㎝でそれ以上引っ張ると破断します。
 つまりナイロン糸は18%伸びでフロロは13.5%伸びることがわかったのです。ということはフロロは弱くて伸びるとの結論に達することが出来たのです。
 但しこれはヘラブナの道糸用と比べたものであってハリスとは比べていません。イメージとしてナイロンハリスでは道糸の5割以上多く伸びると思います。そのナイロンハリスとフロロカーボンと比べると倍以上の伸びの差が出るのではと感じました。これも使っていた感想が実際の科学的実験でも証明されたことになりますが、それでも尚フロロを使いたい方は止めはしませんが、PEもエステルも高価ですから安価なナイロンで十分だと思ったのですが如何でしょう。