両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 高弾性カーボンの扱い方

 ヘラ竿は一時期軽量化が随分進んだ時期がありました。極最近でもダイワからHERA Rというとんでもなく軽量の竿が発売されているのですが、その軽量化から少し釣り味を重視した竿が見直されているような気がします。HERA Rの18尺では79gしかありませんがシマノの普天元 獅子吼では18尺で123gもあります。この重量差はとんでもなく大きいと思うのですが、実際に使うとそれ程の差が感じないと言われています。ただ釣り比べるとやはりこの重量差を埋めることは出来ないでしょう。


 HERA Rも最新設計ですから以前のようにピンシャンしたところはなく、軽量でありながらしっとりとした仕上がりになっていると感じるのですが、そのしっとり加減は普天元 獅子吼やダイワの兆のような胴からしなるタイプとは随分と違っています。


 技術革新が進んでいきますので古い設計より新しい設計の方が良いに決まっています。従来の欠点を補うように新しい設計となっているのですが、日本の製品の悪いところは発売されてから途中で修正を加えないところでしょうか。
 ドイツの車は発売された当初より数年経ってからの方が、色々と改良が加えられて信頼できる車に仕上がっているといわれたもので、あのメルセデスですら2~3年立ってから購入すべきだと今でも思っています。


 ところかこの釣り竿の業界はどの程度改良が加えられているのかわかりませんが、有名メーカーの軽量系ロッドは数年前に発売されていますが今でも折れてしまいます。どうして改良が加えられないのか不思議ではあるのですが、もし改良をしてしまうと欠点をメーカーが知っていることになるためでしょうか。欠点ではなくてメーカーとしての落ち度というか、失敗作を認めてしまうことになるために、交換の要求を受けになければならないとか、製造者責任の追及を免れたいために改良されないのかも知れません。この点は全くの想像ですから破損した場合はメーカーとやり取りして下さい。実は有力な釣具店では保証書を使った後にまた折れたりするとメーカーに責任を取らせる場合もあるように聞いています。


 高弾性であればあるほど軽量ロッドが作れるのですが、ある限界点を超えると折れてしまいます。弾性の低いロッドほど曲がりやすいので折れにくいといえるのかも知れませんが、実は高弾性で折れる原因は釣り人側にも多くの責任があります。
 ただヘラ竿はトーナメンターやインストラクターのような達人達だけが使うのではなくて、一般のヘラ釣り師が使うのですから使い方が粗かろうが、少々間違っていようがそんなことで折れては困るわけです。超ベテラン釣り師でも折ってしまうのは、昔に発売されていた弾性の低いロッドの使い方を、高弾性のロッドでも同じような使い方をしてしまったがために起きた事故でもあるのですが、その扱い方をメーカーは注意書きにでも載せておく必要があるはずです。少なくとも釣具店でこんな使い方はしないようにと伝える必要があるでしょう。


 使い方を間違わなければそうは簡単に折れることはありません。例え大助サイズのヘラブナのスレで縦横無尽に走り回られたとしても折れないのですが、口掛かりしていても扱いが粗いと折れてしまいます。ではどんな扱いをすると折れるのかです。


 1つは極端に限界を超えて曲げてしまうことです。最近は玉の柄を短いタイプを使われている方が多いのですが、1本ものを使って長尺のヘラ竿で釣り上げたヘラブナをすくい取るのはとても危険で、その時の穂持ちは逆Uの字に曲がっています。手でそれ程曲げるのは怖いと感じるはずですが、穂先などを見て取り込むことはしないので極端に曲がっていても知らないのか、平気で取り込み態勢を続けていたりします。
 もしあれが竹竿だったら簡単に折れてしまっているでしょう。短竿の場合は無視して良いと思いますが、軽量系の竿が使いたいのは決まって長竿のはずですから、少なくとも1本半できれば2本ものの玉の柄で取り込むとヘラ竿が折れることは少ないと感じます。


 もう一つが思った以上に穂先を水中深く入れている方がいることです。合わせの時に掛かる水の抵抗は相当なもので、その抵抗感で穂先や穂持ちが折れるのではなくて、実は手元が折れてしまいます。一瞬の掛け合わせの時に掛かる一番強い力は、手元とその次の継ぎ元近くで折れてしまいます。5本繋ぎあれば4番と5番の繋ぎ部分の直ぐ下で折れてしまいます。
 自分の合わせるチカラ加減を考えてどの程度水中に入れるかを決める必要があるのですが、軽くソフトに合わせている限りでは少々深めに沈めていても大丈夫ですが、ワッシャーと大合わせするタイプの人は深く入れないようにする方が安全でしょう。


 そして最後に取り込み態勢です。トーナメンターの皆さんは腕を上げないで竿の弾力だけで取り込むようにされていますが、素人が同じように真似るのではなくて竹竿での取り込みのように、腕を大きく上げて背中側にまで大きく引きながら取り込む態勢にすることで、穂持ちがU字のように極端な曲がりが出ないので折れにくくなります。
 その場合少なくとも竿掛けの枕の位置ですくい上げられる玉の柄の長さが必要です。それをしている限り超軽量系の竿を使っていたとしても取り込みで折れることはないと思います。


 超有名メーカーの軽量系の竿でも簡単に折れてしまうのですから、二流というと怒られますがサブディーラー的なメーカーの竿はもっと簡単に折れてしまいますので、取り扱いを間違わないようなければ折れて痛い目に遭うのは自分だって事になるだけです。


 最近は個人的に軽量系の竿は釣り味が落ちると感じていますので使わないようにしているのですが、少し重量が増えたとしても釣り味重視の竿はとても楽しいのです。やはりカーボン全盛の時代であったとしても、竹竿がいつまで経っても愛好家がいるのはそんなところにあるのではないかと思うのです。
 カーボンで竹竿の調子を出すのはとても難しく、軽量で高弾性であるカーボン繊維を柔軟性を高めるのは高い技術力がひつようなんでしょうね。結果として釣り味重視の竿は各メーカーのフラッグシップ竿となっているようですが、やはり行き着くところは釣りやすさよりも、1枚を釣り上げる楽しさを求めてしまうということなんでしょうね。


 しかしハリスが切れないでカーボンロッドが折れるなんて事は、カーボンが折れやすいのかハリスが丈夫になってしまったのか、それとも釣り人に責任があるのでしょうか。他の投げ竿や船竿では何号までのオモリを使うようにと使用制限設けられています。鮎竿では道糸か付け糸の号数制限も書かれています。ヘラ竿もハリス何号までとかの使用制限を掛けて良いのかも知れないと思うのですが必要ないんでしょうか。