両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 自家製うどんのお話

 元々両うどんの底釣りで使われていたうどんは、決して特別なものではなくて食用に売られているうどんを、鍋で柔らかくなるまで煮直してからカットして使っていたものです。
 記憶のに残っているのは釣具店で水色の瓶に、水と一緒に入って入れたうどんが売られていました。時代が進み瓶からプラスチック状の入れ物に変わりましたが、カットうどんや長いままのうどんを好みサイズでカットできるものも売られていましたが、いつ頃から売られなくなったのでしょう。しかしこのうどんはとても柔らかくて操作性に問題が残っていましたがそれでも釣りが成立していたのです。


 昔の小さな箱池であれば使用する竿も短くて、長くても10尺程度のものだったはずですから、その程度であれば送り込みでそっと餌打ちが出来まいので、千切れて飛んでいくなんて事はなかったわけです。
 ところが15尺程度の竿を使い出しますと、竿の操作性に優れた釣り師は別なのですが、私程度であれば簡単に飛んでいってしまいました。当然そうなると少し硬めに煮るようになるのですが、今度は割れてしまったり上手く振り込めても当たりが出にくいなど、餌として良くない状態となっていました。


 そこで考えられたのか尿素で煮てデンプンを変質させてしまう方法です。この方法は料理研究家の土井勝氏が考え出したと伝わっていますが、尿素で煮るととても粘りが出て軟らかく煮ても飛んで行くことはなく、とても使いやすい餌となっていました。
 ただ実際問題として尿素で煮たうどんはヘラブナに対して害はないのでしょうか。


 実は人間的使用方法では色々な実験がされていまして、主に天然保湿成分として利用されているのですが、皮膚アレルギー性や眼刺激性・皮膚刺激性については安全が証明されているのですが、経口毒性の安全性については全く知りません。私自身口に入れたいとは思いませんので、やはり使わない方が良いような気がしてきます。


 その後誰の発見か知りませんがワラビうどんが作られるようになりました。ワラビうどんと言ってもわらび粉が使われているわけではなくて、わらび粉と称する市販品を使われるのですが、この原料はサツマイモのデンプンです。
 このわらび粉で作るうどんは小麦粉で作るうどんに比べますと、それはそれはも簡単に作れるようになりましたので、自家製の釣り用うどんを作る主原料となっていきました。


 それからが面白いのですが、ヘラブナ釣りは一種の職人芸でもありますので、自分なりに色々と考えて作るようになっていきます。当然良く釣れるものもあれば扱いにくいものまで作られてしまいます。日々研究を重ねても毎回同じ調子で作るのは至難の業となっているのですが、そこに目を付けた釣り人が誰でも簡単に作れるうどんの素を発売されるに至ります。
 今自家製でワラビうどんを作っている方の大半は、このワラビうどんの素が使われていると思うのですが、私的には誰もが使っているであろう市販のうどんの素よりも、どうすれば良く釣れるうどんが出来るだろうと研究するわけです。


 案外元に戻って小麦粉で作ってもいいなぁなんて思うのですが、それはあくまでも素人考えでそうは簡単に作ることは出来ません。小麦粉でうどんを作るためにはグルテンの作用を利用する必要があります。その為に水と混ぜた小麦を何度も練ってから足で踏みつけ、そのままある一定時間放置してからうどん状に裁断して、また10分程度煮ては水で冷やしてと手間がかかります。


 それがわらび粉で作るうどんはスーパーなどで市販されているわらび餅を見るとわかるとおり、基本的にデンプンと水を温めて結合する性質を利用しているだけですから、鍋で煮たり電子レンジでチンするだけで出来上がってしまいます。
 ただ1つ難点があってこのワラビうどんは透明に仕上がってしまいます。透明なうどんはヘラブナも見つけにくいと思うのですが、良くしたもので透明なうどんも池の水にある一定の時間が経過すると白色に変色してしまいます。そうするとヘラブナからも見つけやすくなるのでしょう当たりが出るようになるのですが、変色するまでの時間が惜しいわけです。


 そこで如何にしてワラビうどんを白く仕上げるかです。一つは良くかき混ぜて細かな気泡を練り込むことです。ただこの場合は相当な力仕事になりますので毎回作るのが面倒になります。やはり如何に簡単に白色にするかですが、身の回りで白いものは何だろうと見回すと、直ぐそこに牛乳があるじゃないですか、これで簡単に白色に変色されることが出来ます。


 次に直面するのはうどんの太さの調整です。おかゆポンプを使用する場合は先の穴の径を広げることで調整が出来てしまいます。簡単にカットしてしまっても良いのですが、焼き火箸でスッと抜く方法もいいです。ただ溶け過ぎるとやっかいな仕上がりになりますので熱し加減には注意が必要です。


 うどん絞り器で調整する場合は、ステンレスで作られていますので径の変更は素人には手が出ません。やはり旋盤加工されているところに持ち込んで広げていただくしか方法はありませんが、広めの口が用意されていたりしますので、それに付け替える事も方法の1つでしょう。


 最後にうどんにはまぶし粉を付着させて使うのですが、どうやってまぶし粉を付着させるかです。依り多く付着させるためにはうどんの表面が濡れている必要があります。但し濡れ過ぎていると付着したまぶし粉が簡単に剥がれてしまいます。また反対にそのまま時間経過をすると今度は剥がれなくなってしまいます。


 元々のうどんに粘着力があれば付着しやすいのですが、デンプンの種類によって粘着力が全く違っています。どのデンプンを使うのが良いのかどのデンプンをどの程度の割合で混ぜるのか。まさにここにこそ各釣り人の腕の見せ所になります。


 まぶし粉によってヘラブナを集めることはそんなに難しいことではないのですが、最後の最後如何に食わせるかはとても難しいと感じていますが、そのうどんの仕上がり方で食うか食わないかになるはずです。
 うどんの見た目や口触りが釣果の差となって現れるとするならば、うどんをアレコレと研究する価値は高いと思っています。但し市販のうどんの素を仕様通り作ると、ある一定の水準のうどんは出来上がりますのでアレコレと考える必要はありません。
 でもそれだと他の人たち同じになってしまいますから、餌によって頭1つ抜け出すことは難しいですよね。 


 何かを入れて爆釣できるかそれとも当たりを消ししてしまうか。創意工夫することも楽しいヘラブナ釣りではないでしょうか。私はまだ試していませんがスポーツドリンクで作る方法もあるそうです。1度試してみましょうかねぇ。