両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 飼育の側面から解釈する

 ヘラブナは釣りの対象魚であると共に食用に利用されています。元々は食用のために養殖が始まった魚ですから、如何に病気を減らし早く育てるかと効率が問題にされるわけです。
 そのように飼育面からヘラブナという魚を見直すことで、釣りをする場合のスタンスといいますか釣り方が少し見えてくるのではないでしょうか。


 何度か書いてきましたがヘラブナにかかわらず魚は全て変温動物です。その為に水温に影響されるのは当然のことですが、生息に最適な水温が魚種によって決まっています。
 寒冷帯に生息する魚は不飽和脂肪酸によって凍結しない細胞を有しているために、極地や深海の魚は凍ることもなく生息できます。その証拠として深海の魚はとても脂がのって美味しいのですが、反対に人間には消化できない脂肪を有しているバラムツやアブラソコムツのような魚もいます。この魚を食べてしまうと大人用おしめ必須となります。つまり人が消化出来ない油のためにそのまま垂れ流してしまうのです。


 ついでに上記2種以外に食べてはいけない魚として、
オニカマス(シガテラ毒)


イシナギ(多量のビタミンA)肝臓限定


アオブダイ(パリトキシン様毒)


ホシゴマシズ(油脂)


があります。
 実はオニカマスは以前まで味噌付けなどでよく売られていました。今でも美味しい魚に分類されているのですが厚生省から販売禁止になっています。
 イシナギは肝臓以外はいいので肝臓を取り除いた状態で普通に市場に並びます。アオブダイも沖縄の市場ではよく見かけるのですが、食中毒事故が起きることも多々ありますし死亡事故もありました。販売禁止と販売自粛とありますので何れにしても君子危うきに近寄らずで食べない方が賢明でしょう。


 初めから横道に逸れていますが適水温が魚によって決まっていますので、海の魚などでは決まった漁期というものがあります。海の場合は地上の気温より1ヶ月か2ヶ月近く遅れて水温が下がりますので、2月から3月の初め頃に掛けて最低海水温期となってしまいます。つい最近まで漁師などは旧正月を祝っていて新正月と言われる元旦には漁に出ていたのです。それが市場が閉まることで漁には出なくなったのですが、2月の旧正月辺りが低水温時期となりますので漁が成立しないわけです。


 魚の適水温はそれ程広くなくて精々10度程度の範囲とされています。その為その前後の時期は餌の捕食量が落ちてしまいます。当然養殖においてもその時期は全く餌を与えないか極力減らしてしまうのです。金魚などでは冬期の1ヶ月ほど与えないほどですからね。


 ということで色々と解釈すべき事項が出てきます。基本的水温の上昇と共に体温が上がりますので生体機能が活性化し出します。反対に水温が低下し出すと生体機能が落ちてしまうことになります。当然の結果として餌の食う量は変動しますので、低水温時期や反対に高水温時期は餌を食わなくなりますので釣れない時期といえるのです。


 ざっとした目安ですが6度を下回ると魚の活動が停止してしまいますので餌を与えなくなります。食べない水温ですから餌が底に溜まり水を痛めるだけになってしまい、結果として魚を死なせてしまう事に繋がります。
 7度以上12度以下の場合は、活性が落ちていますが陽の照りが良い日が何日か続く場合は少量与えてます。
 13度から18度の範囲は生理機能が徐々に上向きますので活発に餌を食い出すのですが、それでも盛期に比べるとまだまだ良くないために給餌制限がされる時期です。
 19度から24度に掛けては生殖機能が発達する時期になりますが、給餌量は8分目程度に抑制されています。
 25度から30度は一番成長する時期になりますので給餌料が最大になる時期になります。
 31時から36度になると暑さのために食欲がなくなってしまいます。
 37度以上は既に限界水温に達していますので餌は全く食わなくなります。


 私的には毎回池に到着しますと水温を測っているのですが、その水温から今日の活性度を推理してどのように攻めようかと考えるわけです。


 以前までは水温によって動物性タンパク質が多い餌と少ない餌を使い分けていました。当然活性の高い時期にこそ動物性タンパク質を多く含む方を選んでいたのですが、反対に水温低下から身を守るために動物性タンパク質が多い方が捕食性が高いのだろうと、両方とも実験を繰り返していた時期がありました。


 私の結論は時期に関係なくヘラブナは動物性タンパク質が少ない方が捕食性が高いとなりました。


 魚の飼育においては格言的なものがありまして、餌は魚に与えるのではなくて池に与えるというものがあります。これは水温や水の色を見て与える量や時間帯などを決めるためのものです。池の水に影響を与えるものの中には雨による水温低下と池の水が新しくすることになります。当然水温が食いに影響を与えますので、雨による酸素濃度の上昇より水温低下の悪影響の方が強く出ると思っています。その為に自分なりの水温低下時期の釣り方へと変化させるわけです。また水が新しくなる事で魚の活性化が抑えられる場合がありますので、こちらも様子を見る必要が出てくるわけです。そういう意味では雨が続いている時期はとても釣りにくいのかも知れません。
 またアオコの発生がありますが当然この時期は食いが落ちてしまいますので餌は与えないのです。


 このように解釈しながら今日の釣りを組み立てることになるのですが、結論的には冬期は釣りをしないで暖かいコタツに入っている方が賢明となります。にもかかわらずノソノソと出かけては釣れない当たらないと嘆くのですから、そんなの行く前からわかっていることですよね。
 ヘラブナ釣り師のクレームには耳を傾けない方が良いように思います(笑)。


 そうそうそんな低水温時期にもかかわらず釣り堀の池主が餌を撒いているのを見かけます。当初開設した池主であればヘラブナの飼育に対する知識もあったのでしょうが、二代目三代目になるとその知識が受け継がれなくて、厳寒期でも平気で盛期と同じように餌を撒いている管理者がいます。
 あれでは全く餌を食わないか食い残しが出てしまいますので、池の水を汚すだけでなくただでさえ食いの悪くなっている池では余計に釣れなくなってしまいます。釣れない池は案外池主の管理間違いの可能性も高いのです。
 もし見かけたら注意しても良いと思うのですが・・・わかってるって怒られますかねぇ。


 私ですか?怖いから絶対にいわないですよ!!当然釣りなくてもクレームも付けません。ハイ