ヘラブナ釣りに於いては色々な工夫があるはずで、仕掛け全体として道糸の号数、ハリスの号数にハリスの長さや針のサイズは勿論のこと、道糸とハリスの接続方法や浮の取付方法に至るまで、釣り師それぞれが独自の方法があるようですが、それをそっくりそのまま真似たとしましても釣果には差が出てしまいます。

　また餌についても団子餌であればブレンド比率や水分量など、それこそ千差万別な組み合わせが出来るはずです。釣り師によってはメーカー推奨のブレンド方法をそのまま使用している方も多々あるとは思いますが、自分なりの考えで組み立てられているのではないでしょうか。

　そこであるベテラン釣り師から仕掛け全般について教えを請い、餌のブレンド内容や割合についてもそっくりそのまま利用させて戴いたとしても、釣果については全く違っているなんてことが起きていると思います。

　私は釣りクラブには所属していませんので、先輩から教えを請うことは全くないのですが、物心ついた頃から魚釣りをしていた経験を通して、どうすれば効率的に仕掛けが作れてどうすれば簡単に餌が作れるかなど、経験則からの仕掛け作りの効率性を優先しているのですが、餌に至っては釣り餌メーカーの情報だけでなく水産試験場や水産学の論文など、文献をアレコレと読んでみて参考になるであろう部分を取り上げ試しています。勿論その中には全く有効ではないものもあったり、仕掛けとしての使い難さなどもあって、全てが好成績には繋がってはいないのですが、諸先輩の何気ない会話から参考になる部分を拾い上げて使わせて戴いていることもあります。

　どんな名人のhow toをそのまま真似たとしても、それは徒労に終わっていることが多々あるはずです。そこにはいったい何が違うのでしょう。

　料理の世界にはこんな言葉があります。
「どんなにレシピを真似したとしても名人の味にはならない」

　how to本も色々とあります。標準仕掛けなるものは普通に真似ることが出来ます。カッツケの場合、浅棚の場合、深宙の場合、底釣りの場合などそれぞれの仕掛けや浮きの形状など、今では本を買わなくてもネット検索すると簡単に見つけることが出来ます。
　餌についても餌メーカーが詳しくブレンド比率なども公開していますし、それぞれの釣り方に合わせた餌も公開されていますので真似事は簡単にできるはずです。

　しかしそれで釣れたら誰も苦労はしないはずで、日曜釣り師がトーナメンターの真似事は出来たとしても、家庭料理からお金が取れるほどのプロの味にはならないわけです。
　ここにはいったいどんな差があるのだろうと思うのです。釣れない日だとしても誰かは釣り上げているわけですから、やはり攻め方の違いに何かコツが隠されているのではないかと思うのです。
　それはいったい何だろうと思うのですが、それもまた簡単には見つけることが出来ませんので、レシピ通りではなく塩をひとつまみ増やしてみたり、鰹だしを濃いめにとってみたりと、もう一工夫して変化を付けなければ置いて行かれてしまいます。
　勿論餌に塩や鰹は入れませんが（笑）、何でもないものを入れるだけで違ってくるのではないかと思ったり、仕掛けももう一工夫する予知はないかと思ってみたりと、アレコレと考えて見るのですが、両うどんの底釣りをしている限り団子餌のような工夫の余地は残されてはいません。

　しかし、そうはいっても何かが違うのは間違いなく、仕掛けや餌だけでなく仕掛けの振り込み方や餌の付け方など、チョットした何かの差だけで釣果に差が現れるとすると、そこには動物的勘が必要なのかも知れないと、なんか神がかった話になっていくのであります（笑）。
　ただ最近の傾向としましては、色々と得た情報をそのまま積み上げていくったとしても釣果に反映されていない現実があります。そこで最近の傾向としましては、色々と得た情報を少しずつ削除していくようにしています。案外そのほうが良い結果となるような気がしています。
　勿論の情報の中にはある時期にのみ有効であったり、ある時期になると弊害でしかない場合もあるわけで、その時々をどのように対応するかは自身の感覚でしかないわけです。得た情報を自分の中にしっかりと取り込んでから、それを工夫する余地がまだまだあってそれを整理しながら釣行することで、案外良い釣果に恵まれるような気がするのですが如何でしょうか。

　いずれにしてもう少し釣技を磨いて爆釣の連続と行きたいものですがさて何をしましょうかねぇ。
　あっ、そうはいっても爆釣のし過ぎは面白くはないですよね。今噂の池があるのですが1日170枚釣れるとのことである釣り師は2時間で40枚上げていましたが、そんなに簡単に釣れると流行面白くないように思うのですが・・・・。苦労して釣り上げた方が楽しいと感じるのは私だけでしょうか。