両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣りに使うハリスの考査 糸その5ー3

 ヘラブナ用のハリスについても考えてみようと思います。それぞれ好きな色、しなやかさなどのソフト感、糸の太さとしての号数、そして好きなメーカーがあると思いますが、結論的には自信を持って釣り込める糸が正解となるのですが、その思いから少し距離を取ってもう一度ハリスについて考えてみるのはどうでしょう。


 ヘラブナの警戒感に影響するのが、ハリスそのものでありヘラからの視認性が大いに問題となるのがハリスでしょう。
(あくまでも人間側の思いです、ヘラブナは気にもしてないかも知れません)
 また食いに影響を与えるのもハリスの性質ではないでしょうか。勿論大前提に針の存在がありますが、それはまた後ほどということで考察から削除するとして、今どうしてそのハリスを使っているのか、との問いに対して多くの方は、何となく決まってしまっている。が答えではないでしょうか。


 それまでに色々なハリスを使ってこられたことでしょう。色々な意見も参考にしながら使われてきたことでしょう。その結果として今の製品に落ち着いてしまったとするなら、日進月歩化学製品は進歩し続けています。昔の名前で出ていますではないですが、相変わらず同じメーカーの同じ種類を選んでいるのも芸がないとはならないでしょうか。


 ハリスを選ぶ基準として絶対的な条件は切れないこと。これ以外ないはずですが当たり前すぎて気にもしないのが本当でしょう。


 しかし選んでいる条件として重視しているのは価格ではないでしょうか。
 トーナメンターと称される人達、それもトップトーナメンターはメーカーから贈られてきますので、最高級を使われていると思いますが、日曜釣り師としては懐具合を考えると、いや元来の貧乏性の私にとっては価格はとても重要な要素です。
 例として50m500円程度から(私は圧倒的にこれです)50m4,000円を超えるものもあります。
 確かに500円のハリスは切れます。間違いなく弱いと思いますが、ハリスを後生大事に使い続けている人も少ないでしょう。頻繁に付け替えるとするならば、高価な糸をいつまでも使い続けるより強いかも知れません。
 尺1万円の竹竿を使っていたとしても50m4,000円は高く感じて使えないのです(T.T)


 ナイロンハリスの弱点は、なんといっても傷があると簡単に切れることです。知らず知らずに傷が付いていることもありますが、これくらい大丈夫とほんの少し傷があるのを知りながら使い続けてラインブレークを起こすことも多々あるのではないでしょうか。
 日曜日にのんびりと日向ぼっこをしているような釣りスタイルならいいのですが、どうしても他人と張り合ってしまうのも釣り人の性ですし、より多くより大きなサイズを釣りたいのも釣り人の願いでしょう。
 その為には、ある程度釣り続けると交換する方が良いと思っています。


 1つには、ハリスに傷が付いている可能性(切れる)
 1つには、ハリスがよれている可能性(光の乱反射で糸が見える)
 1つには、ハリスが伸びてしまっている可能性(強度不足)
 1つには、針先が鈍くなっている可能性(バラシの原因)
 1つには、カラツン対策


 安いハリスは太さが安定していない可能性が高い(確証はありません)と思っています。その為に上記のハリスよれやハリスの伸びが起きやすいと思っています。
 それを踏まえてもなお安いハリスを使うとするなら、使い方を変える事も1つの選択肢となります。
 ヘラブナ釣りは2本針がルールです。長スに掛けて釣ることが本来の釣り方だとすると、短スにも食いつくことはありますが、短スで釣れることは圧倒的に少ないのが現実ですから、短スに安い方のハリスを使う事で、経済的な釣り方が出来るのではないかと思います。
 私は、盛期中は長ス短スとも安いハリスを使っていますが、厳寒期は極力細いハリスを使いたいので、懐が許す程度の高価なハリスを使っています。
 それは安いハリス用の糸は、表示号数より太い傾向にあるからです。その結果として安いハリスなのに同じ号数を使っていても切れ難いと感じる事があります。
 つまり品質の悪さを太さで補っていると思いますので、繊細な厳寒期ではなくて、少々の太さなどお構いなく喰ってくる盛期に安いハリスが使える事になります。


 ついでに素材についてですが、当然ナイロンハリスを選ぶべきと思っていますが、乗っ込み時期の超大型を狙う場合は、フロロカーボンでも良いのではないかと思います。
 ナイロンハリスは圧倒的にしなやかで吸い込みも良いと思いますので針掛かりが良いことになりますが、大型のヘラブナが集まってハリスの太さなど気にせず、ヘラブナの動きに餌が舞い上がらないためには、ハリスの張りが必要ではないかと思います。
 それと重要なことは、乗っ込み期は葦際など障害物があることでハリスに傷が付きやすいことです。傷に強いのはやはりフロロカーボンの方だと思います。
 ヘラブナのハリスの長さは、長くても80㎝程度でしょうか。乗っ込み時期の浅場であれば30㎝程度でしょう。ハリスの長さで補うしなやかさは期待し難く、障害物が少ない釣り場では、針近くのハリスのしなやかさを求める限り、ナイロンハリスに軍配が上がると考えています。


 次にハリスの色についても考えてみましょう。ハリスは透明や!と声が聞こえてきそうですが、ヘラブナの視力がどの程度あって何色が見えるのかですが、使い分けてみると違った答えが出てきたりします。
 これはあくまでも底釣りを限定としていますので宙釣りはわかりませんが、


水の屈折率は1.33です、一番近いのがフロロカーボンで1.42でナイロンは1.58フロロカーボンより視認性が高い事になります


 となるとフロロカーボンの方が安心して食いつくのかとの結論になりそうですが、そうはならないのが面白いところで、試しに黒色のハリスを使ってみて下さい。いつも通りかいつも以上に釣れたりします。これはどうしたことでしょう。
 ヘラブナからの視認性は関係ないのかとなるのですが、そうでもないので簡単には結論が出ませんが、1つの答えが実験によって導き出されています


 魚の視力は、おおむね0.2程度です。人間で表現するところの近視ではなくて、網膜の荒さが起因しています。つまり解像度が悪いのです。昔の白黒のブラウン管と思えば良いでしょうか、現代テレビのように4Kや8Kのような解像度は全くないのではっきりとは見えないのです。
 ですが、光は感じることが出来るので、キラリと光るとヘラブナにハリスを認識されてしまいます。つまりよれていたりすると全く釣れないのです。
 そして実験によって透明ナイロン糸が水中に垂直に立っていると光らないのですが、斜めに入っていると光って見える事もわかっています。
 そして色が付いていると垂直でも斜めでも光らないのでヘラブナには見えないのですが、実験では、黒色、赤色、濃い緑、濃い青、灰褐色については糸を横に張ると見えるようです。つまり浮きまでの道糸は見えないがハリス近くの道糸は見えることになります。
 水に屈折率の近いフロロカーボンは、水中で見えなくなるのではなくて、斜めにするとナイロンより見えやすいのもわかっています


  竿先からオモリまで、オモリからハリスまでを如何に直線にしておくかが重要になります。宙釣りなら自動的に垂直になるので良いのですが、底釣りの場合は餌がアンカー状態に沈んでいることがあります。当然斜めになっていると想像出来ますので光って見えているはずです。となると余り斜めにしない方が良いはずなんのですが、カラツンが多いときは浮きを上げハリスの斜めを多く(ズラシ巾を多くする)取るように演出して食い当たりを獲ようとするのですから訳がわからなくなります。



 最後に色々な実験の結果とても面白いことがわかっています。


 魚に見えない方が良く釣れる!は人間の思い込みでしかないことです。


 ここまでグダグダと書き続けてきて思い込みで終わりかい!となるのですが(笑)
 釣れる釣れないはヘラ釣り師のような遊びの釣りではなく、職業漁師としては死活問題ですので確実な実験が行われているのです。但しマグロの延縄などで実験されている結果ですからヘラブナにも当てはまるかどうかは保証の限りではありませんが、色によって釣果の差は出なかったのです(笑)
 但し一本釣り漁師は、道糸は色糸である場合があるのですが、ハリスは間違いなく透明なナイロン糸が使われているのです