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ヘラブナ釣り用うどんの違い
うどん池での規定は両針ともうどん餌であり、両針とも床に着いている事がルールとなっています。昔のうどん池であれば食用うどんに限られていて、今流行のわらびうどんは不可となっていました。それは池の底に落ちてしまったうどんが、いずれは分解するとしてもわらびうどんの分解速度が遅いことです。
人間の場合は、わらびを主としたデンプンを分解するのは唾液に多く含まれているアミラーゼです。あんかけうどんや中華どんぶり・天津飯を食べていると、あのトロってした餡がサラサラになっていく経験をした方は多いと思いますが、あの作用は食品が冷えたからではなく、食べている箸やスプーンに着いた自分の唾液によって、消化酵素のアミラーゼによって分解が起こった結果です。
デンプンは元々粉末ですが、水と熱を加えることによって糊化していきます。この時のデンプン濃度によって、出来上がったものに硬さが違ってきます。この安定した状態は放置している温度によって決まってくるのですが、池のような水温が比較的低い場所では、自然分解がとても遅くて食用うどんのように早く分解してくれないのです。そういう意味もあってわらびうどんは禁止されていたのですが、時代と共に使って良いようになりました。
実は人間でも多数食べると消化出来なくなってしまいます。常識的な範囲で食している限り、唾液アミラーゼで分解し、小腸に進むと膵液によって消化が進むのですが、本来はデンプンは多糖類として難消化の性質を持っていますので、腸まで分解されずに届き腸内細菌の餌となるのですが、その量が余りにも多い場合は、デンプンそのものが不溶性の為に消化不良を起こしてしまいます。最近流行のタピオカ飲料を飲み過ぎて腸にタピオカが詰まって病院搬送される事故も起きているくらいです。
現実問題としてヘラブナがデンプンの分解酵素をもっているのかどうかは全く知りませんが、うどん池のヘラブナが大量に死滅したとは聞きませんので、多分大丈夫だろうとは思っていますが、冬場のヘラ池の底には多数溜まっているかも知れません。
実はデンプンの多くは食用ではなく、工業用糊として利用されています。それほど安定した物質である事は理解しておく必要がありそうです。
前置きが長くなりすぎましたが、デンプンは糊の原料に使われているほど粘度が高く、当然まぶし粉の付着量は、食用うどんより多いのは間違いありません。
そのデンプンの元原料によって粘度の違いがあるのですが、片栗粉、わらび粉、吉野葛、コーンスターチ、タピオカ、小麦、米と色々な植物からデンプンを取り出すのですが、その元原料によって糊化する温度も違いますし、デンプンの粒子の粗さも随分と違っています。出来上がったうどんも付着力が変わってきますので、色々なデンプンを混ぜることによって、好みの硬さや付着力のあるうどんを作ることが出来ます。
その出来上がったうどんの状態によって、まぶし粉の付着量が違ってきますので、一概にどれが良いとは言えないのですが、付着しすぎても付着力が弱すぎても使い辛いでしょうから、色々と試行錯誤を繰り返して自分に合ったうどんを作り上げることです。
現在インスタントで作れるわらびうどん用の粉が売られていますが、それをそのまま利用しても良いでしょうが、そこに何かのデンプンを混ぜるのも良い方法でしょう。
そして出来上がったわらびうどんに、どのまぶし粉が適しているのかを確かめていくとすると、軽く1年は掛かってしまうような気がするのです。
まぶし粉の最適な付着量は、当然気候水温によって違ってきます。ヘラブナの状態によっても当然違ってくるのですから、1年程度では答えが出ないかも知れませんが、あれやこれやと確かめ考えていくとすると、それもまた楽しいヘラブナライフとなる事でしょう。
団子餌では、釣り人それぞれのブレンド方法があるはずです。夏場の配合はこれ、冬場の配合はコレと試行錯誤の結果、独自の配合をされていると思いますが、うどんでもうどんそのものの性質とまぶし粉の状態を探って、自分なりの答えを導き出すことが出来たとしたら、夏場は得意、冬場が得意などと釣果差の原因から、季節要因は排除出来るようになるのではないでしょうか。
使いやすいうどんもあれば使い難いうどんもあります。簡単に熱で老化してしまううどんもあります。安定剤なるものが市販されているようですが、保冷しておくだけで1日中使い続けることが出来ます。これから益々気温が上昇しく時期に入りますから、保冷は欠かすことが出来ません。
今日はうどんで苦労したなんて釣りそのもの楽しみが、餌の状態で邪魔されないためにも、試行錯誤を繰り返して見るのも楽しい作業と思えるのではないでしょうか。
明日のヘラブナ釣りライフのために、先ずは一歩踏み出しましょう！！
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