両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 道糸の性質

 何度かヘラブナ用に適している糸については書いてきました。結論を先に述べるのならナイロン製となります。
 道糸用としては、ナイロン、フロロカーボン、ポリエステル、PEとの素材の違いによる特徴差で、どの種類が適しているかを語ってきたのですが、実はお薦めするナイロン糸でも差があることを私的してみたいと思います。


 先ずは底釣り限定を前提としていることをご理解下さい。宙釣りは、深宙であろうが浅棚であろうが、それこそカッツケではそれ程問題にする必要はないと思っています。反対に言うと底釣りは、とても気をつけなければならない点があることです。


 底釣りの大前提は、床取りがしっかり出来ていることです。上針トントンでスタートしているつもりでも、ホンの少し底が切れた場合、反対に無意識にズレてしまった場合は、明らかに当たりの数が減ってしまうからです。
 これは不思議でならないのですが、底がホンの少し切れたとすると、カラツンが続いてしまいます。深めにズレたとすると、意識してズラした場合は気にならないのですが、無意識でズレてしまった場合は当たりが消えてしまいます。
 とてもシビアーな床取りが出来ていればこそ成立する底釣りですから、使用する道糸の性質の違いによって、そのバランスが崩れてしまうことを理解して使用する必要があります。


 何の加工もされていないナイロン糸の場合、吸水するのは防ぐことは出来ません。


 釣り初めは、道糸を意識して沈めてやる必要があったとしても、使い続けている内に沈むようになるのは、ナイロン糸が吸水した結果比重が増えて水に沈むように変化したことを意味します。
 このような道糸を使っていたとすると、次の3点に気をつける必要があります。
 1.吸水によって道糸が短く縮んでしまう。
 2.吸水によって道糸が長く伸びてしまう。
 3.吸水した道糸がしずむ事によって浮きの浮力を殺して沈めてしまう。


 糸の性質によって吸水した結果が違ってきます。釣り初めの段階で、道糸が竿のどの位置にあるかを確認して、釣り続けている途中に長さの変化が短くなったのか長くなったかを確認する事で、今使っている道糸のメーカーの糸は伸びる又は縮む性質がある事を理解する事が出来ます。
 当然、短くなっても長くなったとしても、床位置にズレが出来てしまっていますので、朝から快調に釣れていたにもかかわらず、当たりが止まったカラツンが多くなったなどの現象として現れますので、再度床取りをする必要が出てきます。
 また、吸水する事で道糸が重くなった場合、床取り位置や餌落ち位置が一節程度のズレが出てしまいます。この現象が出てしまうと、床取りをし直したとしても正確な床は取れませんので、仕掛けを新しくし直す以外方法はありません。


 次にナイロン糸に科学的処理をされていて、吸水率を減らしているナイロン糸があります。個人的感想でいえば、往々にしてその道糸は沈みやすい性質を持っています。
 浮きから竿先までの道糸を意識して沈める必要が無い道糸ですね。この糸を使う場合の注意点は、道糸そのものがどれほど沈むのかです。
 先に指摘しましたように、浮きの出目を変えてしまう程に沈めるのかどうかです。フロロカーボンの道糸は、1節は沈めてしまいますので、私は使わないようにしているのですが、沈みやすい道糸がどの程度沈むかで、浮きに変化をもたらすのかどうかを確認しておく必要があり、仮に沈みやすい道糸であれは長尺の竿では使い難いので、短竿専用に切り替える方が良いと思います。


 次にナイロン糸に化学的処理をして滑りの良い道糸になっているものがあります。この糸もどちらかというと沈むタイプのようですが、それよりも浮きの位置そのものがズレやすいようです。単純に釣り続けていても気にしない程度なのですが、カラツンやスレなどの合わせでズレるようです。初めはほんの数ミリ程度であったとしても、1日釣り続けていると結構ズレてしまっている場合があります。
 床計りをしてトンボ目印を付けていると思いますが、トンボと浮きの位置確認だけでなく、トンボそのものがズレる事もありますので、意識して床を計り直す事で、当たりが続くようになる事も多々あります。



 これから益々水温が上がってしまい、ヘラブナの活性も高くなってしまいます。そんな時期になればなるほど、見えているヘラブナに惑わされず、宙釣りより床釣りの方が数が上がる場合があります。
 宙釣りでは、確かにヘラブナの集まりが良くて、浮きに出る当たり方は激しい上下動を見せてくれますが、反対に食い当たりの見定めが難しく、仮に団子餌を使ったとすると、ヘラブナ達にもみくちゃにされて餌が持たないことも多くなります。
 そんな時は、しっかり目の団子を作って底まで持たせ、綺麗に落とす当たりを取る方が結果的に数が稼げるのではないかと思います。
 活性が高い時期のヘラブナ釣りは、ある程度の仕掛けバランスが崩れていたとしても釣れて来るでしょうが、水温変化などによって活性の高い時期でも食いが落ちてしまう日などでは、しっかりとしたバランスが取れていなければ、前回は良かったのに今日は駄目だとなってしまいます。


 釣れない原因は、池にあるわけでも無く、増してヘラブナにあるわけでもないわけで、その日に合った仕掛けとバランスが出来ていなかっただけだと理解すると、向こう任せの責任転嫁して今日は駄目だと諦めるのではなく、どんな工夫をすると今日も良い釣果が恵まれるのかと、自分の仕掛けを見直す事が出来ると思うのです。
 その手段の1つとして何が出来るのか、何をすべきなのかの判断の下として、今使っている道糸の性質を知っておくのもとても重要だと思っています。


 と、わかったような事を書いていますが、私的にはとても安い道糸を使っていますのでいい加減な話ですが(笑)。
 釣り仲間に話をお聞きしていても、私のような安物は全く使われていないのですが、そんな高価な糸でも吸水の結果、縮む伸びるなどの現象が起きているようです。



 メーカーお抱えのインストラクターがいます。そのメーカーのインストラクターが好んで使っている竿の長さが、実は1番研究されている道糸の性質に適している仕掛けの長さではないかと想像しています。
 トーナメンターと称される人達とインストラクターはダブル点も多々ありますが、トーナメントで長尺の竿を使われている事はとても少ないでしょう。仮に18尺21尺の竿でトーナメントに参加されている釣り師はいないのではないでしょうか。
 となると長尺での使い勝手はどの程度研究されているのかわかりません。長尺になればなるほど、この道糸の性質による影響が出てしまいますので、好んで使われているメーカーの道糸の性質を、自分の釣り方に合っているのかどうか、自分なりに理解しているだけで釣果が変わると思いますので、1度じっくりと調べてみることをお薦めします。