両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣りでの迷いと老後の楽しみ

 ヘラブナを釣りに於いて何を迷うでしょうか。


 いつもいつも良く釣れていると何も迷う事はないのですが、単純に釣れない人と比べて、釣れない当たりが出ないなど負の状態に陥っていると、色々な迷いが出てくると思うのですが、それが自分の釣り方に対する迷いではなく、その時期の特徴や池の状態、釣り堀の管理者の姿勢などで釣れなかったとするような、自分が釣れないのは池のせいで釣れないのだと決めつけてしまうと、何の解決策を見つける事も出来ないわけです。
 単純に人より釣れないのも、自分の仕掛けから餌に対しても絶大な自信があり、間違いないと思っている人程、この傾向が強いと思われます。
 特にヘラ歴何十年のベテラン釣り師は、昔は良く釣れたのにとか、この池も昔は良く釣れたのにと、過去の記憶や栄光による解釈で自分を納得させてしまう、そのような状態に陥ってしまう事が多々あると思います。
 相手のせいにするのではなく、今の池の状態からヘラブナの特徴、季節や水温などによる変化を自分なりに解釈して、それに適した攻め方の工夫をすると、結果が違ってくると思うのです。
 勿論良くなる結果だけではありません。今までの方法の方が良かった可能性もありますので、余計に釣れなくなった、余計に当たりが減ってしまったなど、悪い結果になりかねませんが、それは改善するためのデーターとして受け止めるものであって、やはり変えない方が良いとの意味ではないと思うのです。


 迷い出す1つは、先ずは餌でしょうか。何どのように配合するかでヘラブナの動きは変わってしまいます。
 軽い餌であればある程、水面近くに集めてしまうのは間違いないと思うのですが、ではその軽い餌に重いペレットを混ぜるとどうなるでしょう。全体として重くなると思うのは大間違いと思っています。単純に大きく上下の二層に別れてしまうと解釈しています。
 それを解決する方法として、大前提は沈むペレットを選べているかどうかです。ペレットには沈むタイプと浮くタイプに大別されますが、ヘラブナ釣り用には基本的に沈むタイプが利用されているのですが、実はその沈むタイプであっても浮いてしまうペレットが多々あります。


 全体を10として10全部が沈むペレットはありません。9割沈むのか6割沈むのか、はたまた2割しか沈まないものも存在しています。
 自分の使っているペレットはどのタイプなのかを知らない釣り人のなんと多い事か、ペレットは沈むものとの思い込みがとても強いと思っています。
 また同じペレットでも、粒の大きさによってその沈む割合が違ってきます。今お使いのペレットを水面に撒いてみて下さい。その状態を確認すると案外浮いてしまう事に気がつくと思います。
 もしこれが団子餌だとすると、沈めるためには先にペレットに吸水させてから他の餌を混ぜる事で解消しますが、うどんのまぶし粉に使用する場合は、先に吸水させてしまうとうどんに付着しなくなりますので、吸水させる事が出来ません。精々湿らせる程度で何とか付着しますが、簡単に剥がれてしまいますのでお薦め出来ません。
 やはりどの程度の粒の大きさにすると良く沈むのかを確認して、その粒に揃える事で思った釣り方が成立すると思います。


 またその沈む速度や沈み方を確認をした上で、極端な二層に別れないための工夫をする必要があります。つまり沈みの早いペレットを混ぜると二層に別れやすいといえますし、反対に軽い餌を混ぜない工夫も必要になります。
 ただ軽い餌程ヘラブナを集める事が出来るのも事実なので、使うタイミングなども大いなる迷い点となると思っています。


 また迷い出すもう1つとしては、ハリスの太さに針の大きさでしょうか。個人的な解釈としては、カラツンを無くすためには、また当たりを多く出すためには、出来るだけ細いハリスと軽く小さい針の組み合わせだと思うのですが、軽い針は活性の高いヘラブナにはもまれてしまい、餌落ちや食い当たりが出しにくいと思いますので、その状況判断が必要となります。その状況判断でこまめに針やハリスの交換が出来ている人と出来ない人には、自ずと釣果の差が出てしまいます。
 つまりその時その時のズボラさが釣果に現れると思っているのです。ただズボラだけでなく今の釣り時間が勿体ないと、仕掛けの作り直しを惜しむこともあるはずです。
 目の前の1枚を求める余り、その日の釣果を半減させてしまうこともあると思っています。私もどちらかというとその傾向があり、仕掛けの見直しや竿の尺数の変更がどうしても面倒で、今の状態を我慢して目の前の1枚を釣りたい願望に負けてしまいます。


 それを状況判断が出来て一つ一つクリアー出来ていくと、結果として釣果に明らかな差となって現れると思っています。


 餌の迷い、仕掛け全体の迷い、竿の尺数の迷い、釣り池そのものに対する迷い、どれから解決出来るでしょう。
 やはり自分で工夫する事が出来るものから迷って、その迷いを1つずつ解決する事で、コンスタントな釣果が恵まれると思っています。
 その迷いの結果は引き出しが増えて、あの人良く釣るなぁとの羨望ではなく、恨まれることになると思うのですが(笑)、その恨めしい眼を向けられるのも釣り師冥利に尽きると思うのです。


 いつも釣れない釣り師なんて蔑まれた評価よりは、恨まれる方が余程良いと思うのです。その為には何が出来るのかです。正直言いまして釣れない人は工夫や対策が出来てないと思っています。厳寒期でも真夏でも同じ仕掛けに同じ餌では、生きもの相手には難しいと思うのです。いつかの栄光がそのスタイルに固定させてしまったと思うのですが、状況判断をして何かを変えてみる勇気が必要でしょう。
 それが団子餌つりならまだしも、両うどんの底釣りとなると工夫の余地が少ないため、同じ事を繰り返してしまいがちになります。


 四国のヘラより河内のヘラが良いとかの話も良く耳にしますが、そうだったとしても池のヘラブナを入れ替える事は出来ません。では四国のヘラに合った釣り方を考えてはどうでしょう。私は現実的にその釣り場に居るヘラブナがどこの地方出身かは知りませんが、結果として良く釣れたらそれで良いと思っているのです。
 何を工夫するか。一つ一つやってみて良い答えが見つかると、毎日曜日の釣行が楽しいものになります。反対に何も工夫しないで結果だけを見ていると、ヘラブナ釣りそのものの面白さが苦痛に変化してしまい、もうそろそろ卒業する方が良いのかとの結論になる恐れがあります。
 他の釣りに比べて高齢でも出来る釣りが、釣り堀のヘラブナ釣りだと思いますので、良い人生を送り続けるためにも、今更と言わずにホンの少しの工夫をお薦めします。


 餌の違いより仕掛けの違いの方が釣果に反映出来る場合も多々ありますが、その答えは他人が教えてくれるものではなく、自ら釣り方に合ったものを見つけ出すものだと思っているのです。


 老後は人生の終焉の時ではなく、老後こそ有意義な時間とするためにも、創意工夫が重要と思っています。