一般的にヘラブナは植物性プランクトン食とされています。私自身ヘラブナを食べる事はしませんので、海の魚のようにさばいた事もありませんから、胃の内容物を確認した事もありませんが、滋賀県や佐賀県、京都府の一部でも淡水魚を食べる方が居られますので、淡水魚としては、金魚や錦鯉以外で食べるための養殖魚としては、ウナギ、鯉、そしてヘラブナが養殖されています。
　ヘラブナ釣り師としては、ヘラブナは食べるものではないと思っている方は多数いると思いますが、滋賀県の名物である鮒寿司としてはニゴロブナを使うのですが、ニゴロブナの漁獲量が極端に少ないため、ヘラブナが代用として利用されていますし、スーパーでは洗いになって並べられています。
　佐賀県では生きたまま昆布巻きして煮る方法だったように思いますが、いずれにしても食べるために品種改良されて養殖された魚ですから、食べられる機会も多かったに違いないと思います。
　そのように食されている機会が多いのだとすると、ヘラブナが何を食べているかを知る機会もあると思うのです。ご存じの方は是非教えて頂きたいと思いますが、養殖されていたヘラブナではなくて、自然界で生息していたヘラブナの食性を知りたいのです。

　養殖場での餌は、元々鯉用を代用品として使われていたのですが、現在ではフナ用のペレットで飼育されるようになっています。そのペレットも養殖業者の独自性や養殖場の特徴などによって、その養殖場に合ったペレットに改良された飼料が与えられています。
　この飼料が手に入ると爆釣する！と考えるのは釣り人の常でしょう。ヘラブナ釣り師としては喉から手が出る程欲しい餌なので、養殖業者にあれやこれやと聞き出している方も多い事でしょうが、成長速度を速めるためや死魚を減らすため、病気予防や池の水の汚れを防ぐためなど、色々な思惑によって作られた資料ですから、釣り餌として有効とは一概には言えないのです。
　現に手に入れて釣りに使われている方もいるはずですが、その方はいつも爆釣しているかというと、残念ながらそうではなさそうですね。

　野池や琵琶湖水系などへ放流されたヘラブナが、自然界に於いて何を食しているのかを調べた事はないのですが、料理される方はキット胃の内容物も見ておられると思います。その時、どんなものが入っていたのでしょう。
　一般に言われているように植物性プランクトンを食べているとすると、それらしい内容物が出てきても良いはずです。鯉などでは胃には未消化の昆虫など、内容物が確認出来るのですが、その先の腸にまで至っては、消化が進み何を食べているか確認する事は出来ません。ヘラブナでも胃の近く（胃はないとされていますが）の内容物を確認する事が出来れば、ヘラブナが自然界に於いて何を好んで食べているのかがわかるはずです。
　もしその胃の辺りの内容物が確認出来たとすると、自然界でも植物性プランクトンを食べているのかどうかがわかるはずです。仮に綺麗に澄んでいる湖水では、植物性プランクトンが極端に少ないのですから、やせ細ったヘラブナになっているはずです。
　富栄養化が進み緑水が濃い状態だとすると、とても肥満したヘラブナになっているといえないでしょうか。

　釣り堀では、ペレットが撒かれていますので、当然そのペレットを食べているとは思うのですが、もし植物性プランクトンの方が好みの餌だとすると、そのペレットより池の緑水に多数いる植物性プランクトンを食べて、ペレットなど見向きもしなくなっているはずですが、どうもそうではなさそうに思っています。
　池の表面を覆う程のアオコが発生していても、上ずり現象のように水面に漂うアオコを食べている光景は、1度として見た事がないのです。
　世間でいわれといる程に、本当に植物性プランクトン食なのだろうかと疑問に思えてきます。

　渓流魚では、今何を食べているかを確認し、その季節にあった昆虫を調べて毛針を選択します。ユスリカを食べているとするとユスリカに似せた毛針しか見向きもしませんが、それを調べるためにストマックポンプを利用します。

　この大きなスポイトを喉の奥までさし込み、胃の内容物を吸い出して白い皿に出して、何を食べているかを確認するのが極普通になっています。
　＊画像を拝借しました

　このように何を食べているかは一目瞭然なのですが、基本的にこのストマックポンプを利用する釣り師はフライマンです。
　私もフライ釣りをしていた時期があるのですが、実は使った事がありません。人間に置き換えるととんでもなく酷い事と思えてしまうからですが、もしヘラブナにも利用可能だとすると、ヘラブナの食性がわかるような気がするのです。
　まぁ知りたい願望より残酷だと思う方が勝っているので、今のところ使いたいとは思わないのですが、知りたい願望は残っています。

　本当は何を食べているのか。何を好んで食べているのか。知っている方が居られましたら是非お知らせ下さい。お待ちしています。