両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 種の順位制から見るポイント選び

 魚の種の順位制について話を進めたいと思いますが、実は同じ種が集まるのは生物界では常識的な事で、その種が集まる原理は個々の負担の軽減やテリトリーの誇示などがあるのですが、その群には順位制が働くことがあります。


 つまりその群のリーダーが決まりそのリーダーによって群れの行動が決まるのです。基本順位を決めることで同種間の争いを防ぐためでもあるのですが、鮎などは個々に縄張りを持ちますので、他の鮎が縄張りに侵入すると追い払う行動を取ります。その原理を利用したのが鮎の友釣りですが、同じ鮎でも縄張りを持たない個体もいて、その個体は集団になってトロ場などの水域に集まっています。


 その集団の中で優位な鮎は縄張りに空きが出来ると、そこに縄張りを張るようになるのですが、他の鮎は空きが出来るまで集団のままです。場合によっては集団のままで一生を終えてしまいます。


 群を作る動物の中でもその順位を決めるものと決めないものがいます。猿のボスはとても有名ですが、鶏や馬にオオカミなどは順位を決める性質があります。反対に羊や牛は順位を決めないので、集団で移動する場合も先頭は決まっていないよう、移動途中に先頭が入れ替わってしまいます。


 さてではヘラブナはどうかですが、どうも順位制は取らないようです。もし順位制を取るのであれば、先に釣れて来るのはボス的存在のはずですから、魚体の大きなヘラブナが先に釣れるはずですがどうもそうではなさそうです。


 ヘラブナの群は、生まれた年齢かどうかは解りませんが、概ね魚体が同じサイズで群を作るようになります。そのため尺程度のヘラブナが釣れていて、その中に40㎝を超える大助が釣れることはとても希で、大助が釣れる場合はその前にも尺2程度のヘラブナが釣れていることが多々あります。


 この現象を見ているとやはりサイズが揃った集団を形成しているのではと思えるのです。


 私たち天釣会の釣り大会は枚数ではなくサイズ競争をしていますので、例え1日5枚しか釣れなかったとしても、その中に良いサイズが混じれば優勝ることが出来るのですが、反対に50枚釣り上げたとしても、サイズが小型であれば優勝することは出来ません。そういう意味では腕の差というよりも偶然の結果の競争でもあるのですが、不思議と良いサイズを釣り上げる人は決まっています。


 少々数多く釣り上げたとしても、そこに良いサイズが混ざることはとても少なくて、如何に大型サイズが釣れるようにするかに掛かっています。そこで先ほどの例ですが、釣っても釣ってもサイズが伸びない場合は、竿の尺数を変更して少しでも大型の集団がいるポイントを探る事になります。
 とはいっても早々大型サイズのいるポイントなんて解るわけがないのですが、尺数の変更をして探るのはとても良い方法と思っています。1尺変更するだけでサイズアップするなんてことも多々ありますからね。勿論釣り座が変更出来る場合はさっさと変更するのも方法です。


 ヘラブナの群には順位制はないと思いますが、同サイズで群を作る習性があると考えます。もし従量制の大会だとすると良いサイズほど重いですから、良いサイズの集まっているポイントを如何に探るかではないでしょうか。面白い事に竿の長さが1尺違うだけで釣れてくるサイズが違っている事がありますので一度試されるのは如何でしょうか。


 そして種の順位制のもう一つが同種で集団を作ることです。私は熱帯魚を飼っていますが、多品種を同じ水槽で飼っていたとしても、それぞれの種で集団を作り遊泳しています。餌を与えたときだけその集団は乱れるのですが、基本同種で固まっています。また同種でも魚体サイズが近いもの同士で固まる傾向にあります。


 そこでヘラブナ釣りに当てはめますと、釣り開始すると2~3枚はポンポンと釣れたとしても、その後はジャミが浮きを揺らしだします。それを我慢して餌打ちを続けるとジャミの動きが落ち着いて浮きの動きが弱まり出し、ヘラブナの食い当たりが出るようになります。


 つまり釣り始めはジャミも混ざって餌を追いかけますが、暫くするとヘラブナに主導権が移り、ジャミは少し離れたところに移動します。底釣りの場合では底にヘラブナで30㎝程度上層にジャミが集まります。


 ジャミに悩まされるとついつい餌打ちを控えたり、まぶし粉の量を加減したりしますが、それは逆効果で餌打ちを早めたりまぶし粉を多く使う事で、ジャミとヘラブナの棲み分けを早めるようにすると数も稼げるようになります。


 朝方はジャミの猛攻に遭ったとしても午後からはジャミが消えたと感じることがあると思うのですが、それこそ種の順位制による棲み分けだと解釈しています。