両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 魚を食べる・・・生食文化に対する警告

 今回はへらぶなつりとは少し離れる話題を取り上げてみたいと思います。


 私の場合は単なる釣り好きですから対象魚は多岐にわたります。ただ現在は歳も歳ですから無理は出来ませんので、随分と対象魚の種類は減っているのですが、ヘラブナ釣り師の中にはアマゴやイワナの渓流魚を釣られたり、夏期には鮎を釣られている方も多いのではと思うのですが、他に海で黒鯛やグレそして鯛やマグロなんて対象にしている方もいることでしょう。
 そんな魚たちですが食する場合に気をつける必要があります。


 先ずは渓流魚です。肝吸虫=肝臓ジストマが生息している可能性があります。北王子魯山人の死亡原因となった寄生虫ですが、渓流魚の生息域は綺麗な川だから安全と思いがちですが、カワニナ等の綺麗な水域にいる回を第一宿主としている寄生虫で、それが他の魚が食べたり鱗の隙間から侵入して、魚自体が感染してしまってそれを生食すると人が感染してしまいます。
 何故か日本人は新鮮だからと生食をしたがるのですが、鮮度の善し悪しでは決して決められないのが菌やウイルスそして寄生虫です。


 次に鮎ですが鮎にも寄生虫が存在します。横川吸虫で肝臓内の胆管に寄生する吸虫です。この横川吸虫は横川博士が鮎から発見した寄生虫ですから鮎も背ゴシで生食しますが、養殖であろうが自然であろうが生食は危ないのです。


 次はドジョウやナマズです。戦後の食糧難の時期に雷魚を食用にと中国から輸入して養殖されたのですが、寄生虫がいることがわかり食用とされなくなったのですが、実は同じ寄生虫がドジョウやナマズに寄生しているのです。それが有棘顎口虫と棘口吸虫です。関西ではドジョウを食べる文化はないと思いますが、関東や九州では食べられているはずですが、基本鍋物などしっかりと火を通して食べられているから良いのですが、生食をされる場合は寄生虫に感染すると思っていた方が良いでしょう。


 生食の定番はアニサキスですが、近海魚の殆どの魚に寄生していると思って間違いなく、イカなどにも寄生していますのでスーパーで売られているお刺身には、殆どの場合寄生していると思っても間違いがないかも知れません。しかしアニサキスはよくよく見ると発見できますので、スーパーでは取り除かれている可能性は高いと思います。
 それ以上の大型の線虫は間違いなく取り除かれているはずですが、線虫を食べたからといって害はないのですが気持ち悪いですから・・・。


 釣魚と関係ないのですがホタルイカについて付け加えておきます。ホタルイカは鮮度が保ちにくい事もあって茹でて売られているのが殆どですが、流通技術の向上で生で運ばれて生食用として売られている場合があります。私も一頃好きで良く食べていたのですが、このホタルイカにも寄生虫がいて旋尾線虫幼虫が約10%の確率で発見されています。


 次は静岡で有名なシラスです。本来は茹でたり干したものでしたが近年シラス丼として生食される場合があります。しかしこのシラスには大複殖門条虫が寄生しています。主に小腸上部に寄生し、下痢、便秘、腹痛などの軽い症状を起こしますが、シラスだけでなく鰹や鯖にも寄生していますので極力生では食べない方がいいのです。


 寄生虫ではないのですがマグロやカジキなどの大型魚で注意する点があります。それは水銀です。海水中から取り込んでしまって体内に蓄積されていますので、妊婦では食しないようにと注意されているのです。別に妊婦でなくとも水銀を無理に食べる必要はないのですから選んで食べるようにしたいですね。
 そうそう深海魚の金目鯛にも多くの水銀が含まれていますので注意が必要です。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf


 寄生虫やウイルスに菌などは火を通すことで予防することが出来るのですが、水銀などはどんな調理方法を採っても除去することは出来ませんので、無理に食べないことを選択する以外はありません。但し一般の人たちは少量であれば気にする必要はありませんが、妊婦や幼児には避けた方が良いと思っています。


 今回は魚についてでしたが牛や豚そして鶏にも多数の細菌が生息しています。牛は比較的少なくて消化器官や排泄物にいることが多いのですが、有名なO157は消化器官にいますので大腸菌といわれているのです。157は大腸菌の157番目ということですからとても多数の種類の大腸菌がいることが解ります。牛はそのように消化器官に細菌がいることが解っていましたので精肉は生食が可能だったのですが、今では処理方法に問題があるために生食禁止となりました。


 豚は牛以上に多くの細菌に感染していますので生食はされてないのですが、最近の流行なのでしょうか、肉の中心までしっかりと火を入れない調理法が取られていたりします。あれは私的には危険だと思っていますので食べないようにしています。
 鶏に至っては生きている段階で細菌に既に冒されていますが、鶏専門店で鳥刺しがでたりします。全く無防備で何しているんだろうと思うのですが、生きている鶏の70%が冒されている現実をどのように理解されているのか不思議です。


 そして馬です。馬刺しとして生食されているのですが、馬は元々体温が40度と高くて細菌に冒されにくい性質を持っています。但しザルコシスティス・フェアリーという細菌に冒されている場合がありますので、マイナス20度で48時間冷凍することでこのザルコシスティス・フェアリーが死滅することが解っています。その為馬刺しは必ず一端冷凍してから生食用に提供されるのです。
 但しやはり大腸菌に冒される可能性があるため、トリミングをするのですが肉の塊の外側をそぎ落とします。牛のユッケを食べて死亡事故が起きましたが、このトリミングをしていなかったが為に汚染された牛肉を食べてしまった事によります。


 しかし本当に日本人は生食したがりますね。玉子かけご飯を食べる文化は日本にしかありませんが、玉子にはサルモネラ菌に冒されている可能性があるために諸外国では食べられないのですが、日本での衛生管理がしっかりしているために生食が可能となっています。但しサルモネラ菌の感染率は全くの0ではないために、幼児などには決して食べさせない方が良いのです。
 そうそうサルモネラ菌は20度を超えると繁殖率が上がりますので、過程では冷蔵庫保管が正解です。スーパーなどでは保冷されていないことが多々ありますが、回転が良いので保冷されていなくても良いのですが、自宅では買ってから使い切るまである程度日数が掛かりますので冷蔵庫保管を守るようにしましょう。