両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り ブレイクスルーかイノベーションか

 コロナ感染で良く目にするようになったブレイクスルーとの言葉ですが、元々breakは破壊するでthroughは通り抜けるを意味しています。つまり通常の進化や進歩の変化ではなく障害になっていたまさに障壁を突破していくことを意味しています。


 一方イノベーションは新しい発想や技術の元で生み出すことで、障壁を突破するのではなくその障壁がある事をふまえて、新たな発想を生み出して解決する方法となります。


 この両者の間には大きな違いがあるわけですが、ではヘラブナ釣りに於いてはどんな発想で攻めるべきでしょう。


 単純ヘラブナ釣りに於いての負の結果は釣れないことです。釣れないのなら今日は駄目だとして諦めるのか、それとも何か打って出る工夫を考えるように迫られます事になります。ベテラン釣り師の皆さんは当たり前のように自然と工夫されているはずですが、今日は駄目だとかこの池は釣れないと嘆いている方は、嘆きの言葉とは裏腹に結果として釣れないことを受け入れている事になるのではないでしょうか。私としては受け入れるなんてことは到底出来ませんのでなんとかして釣ってやろうと思うのです。


 そんな時の発想はブレイクスルー的発想なのかそれともイノベーション的発想なのかです。極当たり前な話してしては、尺数の変更や仕掛け糸の変更などではどちらでもなく、今まで通りに極当たり前のことをしているに過ぎません。そこには何ら新しい発想も湧いてこないないはずです。


 実際には誰もしませんし釣り堀では違反行為ですが、植物生食といわれているヘラブナ釣りでミミズを餌にした場合はどちらに該当するのか難しいですが、誰もしていなかったことへの挑戦には違いないわけです。以前小さなジャミが釣れてしまって池にポイッと捨てたところ、くにいるヘラブナがパクッと食べてしまったことがありました。多分条件反射で食べてしまっただけで、ジャミを積極的に食べた野ではないと思うのですが、ヘラブナは植物性しか食べないと思っているのは誤解で、事実ペレットは有効な餌になっているはずです。ペレットの主成分は魚粉ですから、まとめるために小麦粉などが使われているとしても、魚粉に集魚効果風ある事は知られている事実のはずです。また蛹粉も集魚材としては有効なのだとすると、ヘラブナが植物生食だとは言い切れないように思えてきます。


 また道具類で言えば竹竿が当たり前だった釣り竿ですが、そこにグラス繊維を導き入れたことは正にイノベーションそのものでしょう。カーボンロッドについてはカーボン繊維そのものは全くブレイクスルーといえるほどの発想ですが、竿に使ったこと自体はグラスロッドの延長戦でしかないはずですから目覚ましい進歩や変化ではなかったかも知れません。


 ヘラ浮きといえば茅かススキで胴を作っていたはずですが、羽根が使われ出したのはイノベーションでしょう。また延長戦にあるポリカーボネートもそうでしょうが、その前のセルロイドは画期的な発明だったのではないでしょうか。


 今後ヘラブナ釣りに於いてどんなイノベーションが起きるか、それともアッと言わせるようなブレイクスルーが起きるのか大いなる楽しみですが、ヘラブナ釣りの原型であるゲンゴロウブナが釣りの対象魚となたのは案外ブレイクスルーだったかも知れません。その昔琵琶湖周辺では網で捉えられたとしても釣れない魚とされていたのです。それが偶然鯉に使っていた蒸かしイモで釣れたことから、釣り対象魚へと変化していくこととなるのですが、同じように今後また新しいイノベーションによって釣り方そのものが変わるかも知れませんね。


 個人的に何かイノベーションによって誰にも釣れない時に爆釣出来たとしたら、そんな新発想の餌を見つけられると・・・なんて考えは無理ですかねぇ。でもねフナがうどんで釣れることを誰かが発見したのは間違いないのです。
 滋賀県ではいつ頃始まったのかは知りませんが、その昔からカバタが各家庭に用意されていました。水路から台所の床に水を引き入れてそこに鯉を飼っていたのです。その水でスイカを冷やしたり野菜や鍋釜を洗うことで、その残飯を鯉が食べて処理してくれていたのです。当然鯉は雑食ですから残飯処理には適していた魚でしょう。しかしそのカバタにはフナやゲンゴロウブナを飼うことはなかったはずです。


 ヘラブナもいわゆる食用うどんで釣っていたのですが、これも誰だか知りませんがわらび餅をうどんの代わりに使うようになったのもひとつのイノベーションでしょう。わらび粉から片栗粉やタピオカ粉にコーンスターチが使われ出すにはそんなに時間を必要としなかったのですが、次の展開へ移行するにはまたなにか新しい発想が必要になります。


 そういえば出ては消えていくヘラブナ釣り仕掛けの小物類ですが、もっともっとアッと言わせるような新発見がないものでしょうか。
 しかしこんなことを考えているって事は、従来のままではベテランさん達には勝てないと自ら負けを認めていることになりますね。皆さん従来の範囲で良い釣りをされているのですから・・・


 私的に使っている特殊なものとしては刺繍糸です。綿の刺繍糸を使うことで浮きの松橋仕掛けやトンボに使っています。また道糸を穂先のリリアンに止めるにも使っていますが事故が起きたことはありません。


 それよりもなにか新しい発想で間違いのない当たりを見極められるものがないでしょうか。浮きに出る当たりでコレが食い当たりだと断言出来る当たり方を答えられますか。単純にツン当たりと表現されますがそれだってスレやジャミでもそんな当たりが出ることは多々あります。反対にフニァとした触りのような当たりでも上唇センターで釣れるのですから、まだまだ当たりを読み取れる能力が私には足りていませんが、確実な当たりを見極められる浮きが発明されると、反対にヘラブナ釣りが面白くなくなってしまうのでしょうか。


 ヘラブナ釣りは難しいから面白いわけで、その難しさを克服して爆釣を演じてみたり、40㎝を超える大助の引きに魅了され、夢の50㎝を追い求めたくなるのでしょう。釣り堀組には釣り堀の難しさと楽しさがあり、野池組にも野池独特の難しさと自然児的ヘラブナの強烈な引きを堪能したりと、人それぞれに魅了されるポイントは違っていたとしても、その魅力をどのように後世に伝える事が出来るのか。
 ヘラブナ釣り界の人口比は間違いなく超高齢化していますので、釣具店でも片隅に追いやられています。そんな扱いの中でイノベーションは期待してはいけないのかも知れないですが、このままでは衰退の一途をたどることになってしまうのでしょうね。


 素人の私にはなんの解決策も持ち合わせてしませんが、釣具メーカーによる起死回生のイノベーションによって、死にかけているヘラブナ釣りを復活して頂きたいと切に願うのであります。