両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 針とハリスの役割から

 釣り針の役割は当然魚を掛けるものに違いありません。それ以外の役割は全く無いはずですが、それこそ石器時代の遺跡から釣り針が見つかっているのですから人の知恵は素晴らしいと思いますが、その時代の針は決まって返しが着いていました。


 ヘラブナ釣り用の針には当然返しが着いていませんが、あれは一体どうした意味があったのでしょう。何時の時代から返しが着かなくなっているのでしょう。


 現代のルアー釣りやフライ釣りでもバーブレスと称して返しをペンチで潰していますが、その理由は再放流することが現代的釣り方の常識となっているからです。ではヘラブナ釣りの針にも返しが付いていないのは、再放流するいわゆるcatch and releaseのためだったのでしょうか。


 基本的に返しのない張りを使っても魚がバレることはないのですが、それはずっとテンションを掛け続けていることで針が外れないのだと思うのですが、他の釣り方においても道糸を緩めるような釣り上げる途中でテンションを抜くことは先ずありません。それにも拘わらず返しが着いているのが常識になっているのは一体どうした理由によるものなのでしょう。


 ひとつは水面上で跳ねるタイプの魚は、その跳ねることで針が簡単に外れてしまうことがあります。それは川魚のハエでもそうですか海のスズキなども跳ねる魚のひとつです。ただ水面でバシャバシャと暴れるのはヘラブナも同じですが、それで針が外れることは殆どないのではないでしょうか。


 その昔に真っ直ぐな木綿針で釣りをすることが出来ました。実際には3㎝程度のカットして両側を尖らせるのですが、その中心にたこ糸を結び竿の穂持ちの先にその針を刺して使います。その針には前もってミミズを刺しておくのですが、それを石の隙間などに差し込んで鰻に食わせるのです。
 鰻が食いついたら穂持ちを抜いてミミズの着いた木綿針を口にくわえさせるのですが、頃合いを見計らってたこ糸を引きます。そうすると真っ直ぐに入り込んでいた針が横に広がって鰻の両頬に刺さることで釣り上げる事が出来るという寸法です。
 この針を撞木針というのですが撞木とはお経や祭りで叩く鐘道具のことですが。シュモクザメはご存じでしょうか。英明ではハンマーヘッドシャークといいますが、あの頭が鐘木の形をしているのでシュモクザメですが、海外には鐘木の認識がないので金槌型をしているのでハンマーヘッドつまり金槌となるわけです。



 プロローグがいつものように長すぎましたのでそろそろヘラブナの針の話に移りますが、ヘラブナ用の針には大きく分けて関東スレと改良ヤラズの形状に分かれると思いますが、この針形状につきましては随分前に書いたことがありますので、ここでは形状については割愛しますが、物理の方策でヘラブナが吸い込むと間違いなく針が掛かるように針先が回転してしまいます。但しその針がどんなに状態のときに食いついたかは、口のどこに刺さっているかでわかります。


 針が底に着底している状態または宙釣りの場合では針がぶら下がって静止している状態の場合は、ヘラブナの口内であり間違いなく上唇センターに掛かりますが、沈下途中のまだ動きのあるときにヘラブナが食いついた場合は下唇に刺さるようになってしまいます。
 つまり底釣り限定池で下唇に掛かって釣り上げてしまうと、底に着いていない間に合わせたことがわかるので違反となります。これは宙釣りでも同じ事でハリスが張るまでに食いついた場合は下唇に刺さっているのですが、これも物理の法則でそのようになってしまうのですから仕方ありません。


 今回はその物理の法則についても省いておきますが、針先が口内の刺さることに大いなる関係をしているのがハリスの役割です。ハリスが結ばれている側には針先はありません。つまり物理の法則でヘラブナが餌を吸い込むと自動的に針先が回転して、針が必ず掛かる状態になって口内に入ってしまいます。その時のハリスの抵抗が重要になってくるのですが、抵抗が強すぎると針先そのものがヘラブナの口内の奥に入らないのです。


 さてこの状態を頭に入れておくことでカラツンで悩まされる状態になった場合は、ハリスを細くするか柔軟度が高い性質のものに変更することで解決できることがわかってきます。
 また少しでも口内奥深くに入ってくれるようにするために、針のサイズを小さくする方法も思い浮かべられるはずです。


 ただ不思議なことに小さなサイズの針を使うより大きめのサイズの方が掛かり良い場合があるのです。その因果関係は残念ながらまだハッキリとはしませんが、作った餌の関係か水温の関係かそれとも活性の高さによって口内に入り込みすぎて、針が外しにくいなんてことも多々起きてしまいます。その場合は反対にハリスを硬いものに変更することで上唇センターで掛かるようになったりしますが、その場合は反対に針が小さいほど口内の奥に掛かりやすいことも何度か経験しています。
 そういう意味でも下針の針を小さなものを使う理屈が成り立つのですが、ヘラブナを傷めないためには極端な小針は避けた方が良いのかも知れません。


 ヘラブナをより多く釣り上げるためにはカラツンを解消する必要がありますが、その前に食い当たりを出しやすくする必要があります。単純な論理では針は軽くハリスは柔軟度の高いものとの理屈が成り立つのですが、過去には反対に針は大きく太軸で重くハリスは硬い、そんな仕掛けで大釣りをしたことが案外多くあるのですから、なんか人が頭での考える程度の理屈では計り知れないのかも知れません。


 ただ色々な事を想定しておくことで現状からの脱却が図れることもしばしばありますので、それも引き出しのひとつとして用意しておくのも方法ではないでしょうか。ただ釣り場に持ち込む道具類が増えてしまうことには責任は持てませんけどね(笑)。


 色々な事を考えてそれがピタっとマッチし釣果を伸ばすことが出来れば、それはそれは楽しい釣りの1日となると思うのですが如何でしょう。


 そうそう初めに書きました返しのない針ですが、活き餌を使う場合は針から餌が逃げてしまわないように返しがあり、返しがある事で餌が割れたり上手く付けられない場合に返しがないのです。
 返しのない針としては渓流魚用の針で餌にイクラを使う場合、返しがあるとイクラを割ってしまうので返しのない針を使います。ヘラブナに限らず野池でうどん餌で釣る場合もうどんが割れないように返しのない針が使われました。反対にミミズや川虫または海釣り用のゴカイなどは針から逃げ出してしまうので返しが必要なわけです。なにも魚が逃げないように返しが必要だったわけではないことになります。
 その後catch and releaseの精神に合致するのでbarblessつまり返しのない針が使われるようになりました。
 但し餌を丸呑みにするタイプの魚にはねむり針の形状をしています。ねむり針の特徴は喉の奥深くに刺さってしまうとハリス切れが起きますので、奥で掛からず針が滑り出してきて口の縁にやっと掛かる形状をしているのです。また針先が内向きですから簡単に外れないような形状でもあるわけです。深海魚や延縄でねむり針が使われるのはその為ですね。