両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 竿の曲げ調子

 ダイワのヘラ竿では竿の調子を表している曲線図形があります。同じ程度の重量を持ち上げようとするとどの程度の位置まで上がるか、どの程度の曲がりになるかを表しているものです。
 それ以外に竿の調子一覧や調子体系として竿の特徴を表しているものがダイワにもありました。ありましたとの過去形はダイワが随分長いこと改装中と出ていて一向に更新がされないのです。
 それがコレですが改装中のままです。
DAIWA : ダイワ並継へら竿掛け調子一覧


 シマノでは調子体系が作られています。ここに独歩が載っていますが、残念ですがカタログ落ちしましたので表示されません。
へら竿 並継硬さ・調子体系|ロッド|製品情報|シマノ -SHIMANO-


 シマノではこんな仕様一覧もあります。設計の違いや握りの違いなどそれぞれの竿の特徴が書かれています。
http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/pdf/spec_hera_rod_2018.pdf


 この調子体系表では実際の調子とは随分と違うと感じています。例えば煉ですが比較的胴調子となっていて硬さランクも中間ですが、実際は胴に乗るタイプですが胴がとてもしっかりとした硬調子です。煉より硬調子の位置にある閃光Lは明らかに煉より柔らかく感じます。煉の近い位置に本式が載っていますが全く違う調子です。そういう意味では実釣の感覚はこの表からは読み取ることが出来ず、この表を元にして手に入れてしまうと想定とは随分とかけ離れた調子に感じるはずですから、ホンの少しの参考程度に留めておく方が良さそうです。


 ダイワではその竿の曲がりを図形で表現しているものがあります。その見方もパッと見ただけでは理解しにくいのですが、単純に持ち上げる力を考慮するのではなくて、同じ重量のものを竿先にぶら下げることでどの程度竿先が下がるのか、またどの程度胴が曲がるのかをわかるようになっています。またどの位置で曲がり始めるのかなどによって胴調子や先調子など竿の曲がる頂点を表しています。


 下の図形はダイワ龍聖の2代目と3代目の新旧を比べたものです。同じ重量をぶら下げているとすると竿先が下にある方が柔らかい竿という受け止め方になります。つまり新しい龍聖の方が硬調子に仕上がっていることを意味します。



 こちらの図形は荒法師武天と枯法師の調子の違いを表している図形ですが、先の龍聖と同じように荒法師の方が竿先が上にありますので荒法師の硬さが表現されています。同時にカーブ曲線の頂点が先にありますので先調子とわかります。
 この曲がり曲線を見ますと前記の龍聖の図形と見比べますと、龍聖の方が先調子で枯法師の方が胴調子だとわかります。
 また下の中の図形と右側の図形は荒法師の尺数の違いによる曲がり曲線の出方を表されています。この図形を見る限りでは6~10尺までは胴に乗るタイプで17尺以上は胴がしっかりしていて先調子に仕上がっていることがわかります。結果として17尺以上は相当な腕力がなければ竿を立てるのが難しいことがわかります。それ程に胴がしっかりした調子でなければ大型サイズを釣り上げる場合に、釣り人側が主導権を得ることが出来ないとの考え方ではないでしょうか。
 ただ私のような非力な者にとっては荒法師の長尺は使いこなせないことがわかります。反対に胴がしなやかな枯法師のタイプだと非力な私でも対応出来ることもわかります。
 


 次の図形は兆と枯法師そして2代目龍聖との違いを表している図形です。現行の3代目龍聖はもっと硬調に仕上がっていますので、この曲げ曲線よりもっと立っているはずです。また上記の龍聖とこちらの龍聖では曲げ曲線が違っていますが、仮定している竿先に掛かる重量の差かまたは尺数の違いによるものでしょう。これも同じ重量や尺数などて同条件で表現されているともっと比較しやすいのですが今のところは望めないようです。


 さて下の図形でわかるのが枯法師と兆の曲がり方の違いが面白いのです。コレでわかるのは兆の方が枯法師より竿先が硬いことを意味しています。同時に大きく孔を描く全体調子といいますか胴調子だとわかります。枯法師の方が竿先が柔らかくて胴の曲がりの頂点が竿尻に寄っていますので、全体として本調子的な曲がりをしているのがわかります。また兆と枯法師の竿先の位置を見比べますと、曲がりの頂点が高い枯法師の方が竿先が下がっていますので、兆より胴が硬くて竿先が柔らかいことがわかりますのて兆より先調子に仕上がっていることを意味します。


 兆のカタログには硬式胴調子とのコマーシャルメッセージが添えられているのですが、竿先の堅さから胴を積極的に曲げようとの意図が感じられますが、実際には硬式とは感じないのです。それは腰の柔軟度の高さ故かも知れません。


 実はシマノの煉も屈強なる本調子との表現が使われていますが、煉は竿先だけでなく胴もしっかりしていますので、煉と兆は表現こそ同じ硬式胴調子ですが、この両竿の違いは全く比べることが出来ない程の違いがあります。


 次がこの軽量系の調子の違いです。見た通りHERA Sが一番硬い事がわかります。先のブログにも書きましたがFと新発売されているRと殆ど同じ調子の曲線ですから、懐に優しいFで良いのではないかとと思えてしまいます。但し明らかにRの方が自重が軽いのでもっともっ軽快感が感じられるとは思います。


 ただこの曲線は軽量系の竿ということもあって21尺の長尺で比べられていますので、一般的な15尺~18尺程度では随分と調子が違うのではと感じます。それを表されているのが下の図形です。このように尺数の違いで調子が明らかに違えられていますので、実釣ではどのような違いとして感じるのは試してみなければわかりませんね。事実私がシマノの神威で感じたように長尺になると腰が殆ど曲がらないほど硬式先調子ですが、14尺程度の中尺になると腰の強さは全く感じなくなっていたのです。



 最後に既にカタログ落ちしている烈火SとFXとを比べた調子図ですが、ヘラXがしっかりと硬くてFが一番柔軟度があることがわかります。中間的と言いますか軽量でありながら硬調子の部類に入っていたFXですが、この調子図でもその違いが確認できるところですが、ヘラRが烈火Sのモデルチェンジというかバージョンアップだとなんとなく想像できるのですが如何でしょう。


 このような曲がり調子を同じ尺数で表現してくれると、ヘラ竿の特徴がわかりやすくて購入段階で迷うこともないと思うのですが、全メーカーが統一基準でこんな曲がり調子を図式化してくれると、他メーカーとの比較やヘラ竿の特徴が一目瞭然でわかると思いますので各メーカーさんの改善を強く望むところです。