両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 当たりが厳しいときの浮きのお話

 基本的に私は底釣り専門ですから宙釣り用については全く見識がありませんので、宙釣り用の浮きに関するお話は出来ないでいます。今回の浮きのお話につきましても底釣りを想定したお話となります。


 浮きには色々な形状があります。それぞれ釣り方に適した浮きなのでしょうが、どんな釣り方であろうが浮きの素材やトップの太さに節の刻み形については、同じ意味合いがあるのではないかと思っています。


 さて浮きと言えば昔からクジャクの羽と相場が決まっていました。勿論クジャクの羽は昔から高価ですから、素人に手が出せる代物ではなくどこにでも生えていたススキの穂を使っても作っていたものです。最近は流石にそんなに細いうどん浮きを見ることは減りましたが輸入される葦素材が主流となっているようです。
 その葦も湖近くで自生している葦とはまた別のようで、国産の葦は葦簀や御簾に使われる中空になっているのですが、浮き素材の葦は中が詰まっているようです。あれはいったいどんなところに生えているのでしょう。


 羽が使われた主な理由は軽くて丈夫だったからでしょう。少々荒い使い方をしても故障することはなく、トップを付け替えるだけで長く使える素材でした。その点葦の方が弱いとは思うのですが、ごく普通に使っている限り簡単に壊れるようなことはありません。


 さてそんな羽素材であろうが葦の素材であろうが、釣りにダイレクトに影響を与えるのが浮き自体の浮力でしょう。


 底釣りをしていますと返りの良い浮きが良いとの意見を聞きます。返りが良い浮きの方が実際使っていますと当たりがハッキリと出ますので使いやすいとは感じるのですが、それは時と場合によるのではないだろうかと思うのです。


 ヘラブナが活発に動く時期であれば返りが良い浮きを使っている方が、ヘラブナの動きに対して変な動きをしませんので、的確に乗る当たりを見極めることが出来ますが、冬期のどちらかというと動きの悪い時期であれば、その返りの良い浮きが災いとなって当たりが出難いと感じることがあります。


 単純に弱い当たりを上手く出せるかどうかではなくて、返りの良い浮きという意味だけを取れば、浮きが勝っているバランスになっていることになるはずです。その結果仕掛け全体の張りが強くなっているために、ヘラブナに対して抵抗感のような違和感を与えてしまって、当たりそのものが出ない状態になっていないだろうかという問題です。


 その点どちらかというとシモリ過ぎるような浮きの場合は、ヘラブナに与える抵抗感が少ないために食い当たりが出やすくなると思うのです。当然これは冬期の全体として動きの鈍い時期に関したことであって、年中シモリ気味の浮きが良いとは言えないと思っています。


 傾向として胴の張りが細く全体としてスリムでムクトップが使われ、足も竹ではなくカーボン素材、そんな浮きが冬期には適しているように感じます。
 勿論この浮きを使うことによって必然的にオモリの量は少なくなりますので沈下速度も遅くなります。結果としてヘラブナに対するアピール度が増すことで、また当たりが増えるのではないかと想像するわけです。


 ただあまりにも浮力が弱い浮きは使い難くなりますので、若干長めの浮きを使うことで浮きの特性を生かしたまま、扱いやすさが期待できるようになると思っています。ここで注意が必要なのは、このようなスリムタイプを使いますと、波風で当たりが読みにくい場合も多々あります。その為にもやはりスコープ必須となるわけです。


 実は陽を背中に背負う位置で浮きがとても見やすいポイントに入っていたことがあります。とても浮きが見やすいのですからスコープなんて全く使う必要がないほどよく見えているのですが、その時は当たりが出ない時間が長くなっていたのです。しかしスコープを出して覗いてみると小さいですが節当たりが出ていたのです。それを裸眼状態では全く見落としてしまっていたことがありました。
 これは太めのパイプトップであれば、その動きが捉えられていたのだと思うのですが、反対にパイプトップではその小当たりを出すこと自体が出来ていなかった可能性もあります。


 それからは当たりが減り始めたと感じた時期から、浮きが負け気味になる浮力の乏しい浮きにチェンジをしてしまいます。極端な場合はたすき掛けで打ち込むと浮きが水没してしまうような浮きです。そんな場合は少し竿尻を手前に引いて浮きが立つのを待ち、浮きが立った頃合いを見て竿尻を前に出すことでトップが見えるような浮きです。
 その手尻をどの程度引いてどの程度前に出すと頭が出るのか、また見やすい節数を出すことが出来るのかは浮きの負け加減によります。勿論餌の重さにも左右されますので、一定のサイズで釣り続ける必要もあります。


 そうそう肝心のことを忘れていました。トップの素材ですが良い当たりが出やすいと感じたのが1mmのセルトップです。それはセル素材ですから柔軟度がないために浮きの起ちがとても良いのです。その結果として底釣りで気をつけるべき長スの弛みが出来にくいので、結果として当たりが綺麗に出ることにらなるという理屈です。
 ただ大きく難点があります。それは簡単に折れてしまうことです。ヘラに引き回されてたり餌打ちで波除けパイプに当たることで、セルですから柔軟性が乏しく折れてしまいます。波除けや障害物がなければそうは簡単に折れることはありませんので気にすることはないのですが、実は今季だけで既に3本も折ってしまいました。まっ下手くそだってのも原因なんですけどね(T-T)。


 軽めの浮きを使っていると季節風が強い日は全く使い物になりませんので、オモリをしっかり背負いながらも長めのムクトップの浮きを使うことで対応するようにしています。


 しかし釣れない時は何をしても釣れないものですよね。無駄な努力と知りながらアレコレとしてしまうこの貧乏性は如何ともしがたいですが、もがき苦しんだ結果として仮に釣果に結びつくことが出来たとすると、やはりなにがしかをしたくなるのも小市民的感覚なんでしょうねぇ。
 それに何か工夫を加えることで結果が出れば、まさにしてやったり!とその1枚は喜びの1枚となりますからね。