両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 厳寒期のハリスの太さ

 前提としていつものように釣り堀での話であって、野池では全く違った判断になると思いますのでこの後の話は当て嵌まらないと思います。


 厳寒期になると細いハリスで良いとの話を聞くことがあります。仮に夏期は0.5号のハリスを使っていたとしますと、厳寒期になると0.4~0.3へと細くされているようです。これは正解なのでしょうかそれとも不正解なのでしょうか。
 同時に針のサイズも小さくされると思います。当然それに合わせて餌のサイズも小さくなっている事でしょう。


 厳寒期にハリスを細くする考え方には2つあるようで、1つは厳寒期にはヘラブナの吸い込む力が落ちているので、小さな吸い込み力でもヘラブナの口内へスッと入るように細いハリスの方が良いとする考え方です。
 1つの考え方としてはあり得る話のように思えます。ヘラブナ全体としての動きが悪くなっている時期ですから、遠くからヘラブナを寄せることは出来ないとされています。何となくそのようには思えるのですが、私的には水温低下に伴って餌食いの吸い込み力まで落ちているのかどうかは、厳寒期でも釣っている限り甚だ疑問に感じています。


 我が家では色々な魚を飼っています。屋外の設置した水槽にいる魚は、水温の高い時期にはサッと集まってくるのですが、水温が0度近くまで下がってしまいますと、習慣的に与えている餌に対してでも、のらりくらりと寄るようになっています。場合によっては無視を決め込んでいる魚もいます。
 ですがそんな中でも餌を食い出す魚が居るわけですが、その魚の吸い込み力が落ちているようには到底思えないのです。当たり前のようにスッスッと吸い込んでいるのが見受けられます。


 冬期の水温低下に伴ってヘラブナ自体のエネルギー消費が減るために、高カロリーの餌を必要としないとの考え方もありますので、その結果餌食いが落ちてしまうのはその通りだと思うのですが、そんな時期でも餌食いをする魚は必ずいるわけです。それは100匹の内10匹なのか50匹なのかはわかりませんが、盛期のように100匹の内で100匹が活発な餌食いを見せる状態とは明らかに活性は落ちています。だとしてもその食ってくるであろう10匹のヘラブナがそのまま餌を吸い込む力が落ちているとは思えないのです。


 またもう一つのハリスを細くする理由としましては、ヘラブナの動きが弱くなっているので切られないとする説です。動きが緩慢になっているのは間違いないと思うのですが、身の危険を感じた時に逃げ出すチカラは、夏期と冬期に違いは無いのではないでしょうか。足下に寄ってくる与太ベラが、冬期は簡単に掬い取る事が出来るなんて経験はしたことがありません。それこそ生死の狭間に漂うヘラブナならまだしても、動きが緩慢に見せているのは仮の姿であって、いざというときはサッと逃げ出す力は有していると思うのです。


 もし厳寒期になると大助サイズではなくて小助程度の小ベラしか釣れないのだとすると、幾ら細くしようが良いはずです。その昔30㎝を超えると大助と称していた時期であれば、前記2つの考え方も成立していたと思うのですが、今や尺半を超える大型の大助もそんなに珍しいことではなくなっています。
 また水温低下に伴って小型サイズより大型サイズの方が体力がありますので、確率的に大型サイズの大助が釣れる確率が上がっていると思うのです。そういう意味で仮に逃げる力が落ちたとしても、大助のあの重量感ある引きに耐えられるほど優秀なハリスはまだ無いと思うのです。勿論それぞれの釣技によって使いこなせるでしょうが、昨今の大型化しているヘラブナサイズに合わせて、カーボンロッドの硬度も増していますので、チョットしたひと伸しで切られる事故があるはずです。


 また大型化したヘラブナの吸い込み力もそれほど落ちるとは考えがたいので、ある程度の強度を持ったハリスを使う事で、ラインブレイクも起きないのではないかと思っています。
 冬期の当たりの少ない時期にせっかく掛けたヘラブナを、細ハリスにすることによって逃してしまうのは余りにも勿体ないと思うのです。


 先日高価なハリスはやはり良いとの意見をお聞きしました。縮れにくいとか事故が起きにくいとの事でしたが、ハリスは道糸以上に消耗品と思っていますので、私のように50m500円の安価なハリスを使っていても、ある程度の頻度で交換している限り、早々簡単にラインブレイクは起きません。


 但しあえて申し添えるとするならば、当たりが出ない時は極細で試してみるのも方法ですが、仮に0.5号のハリスだとしても極力硬さの少なくて、柔軟度の高いハリスを使うべきではないかと思っています。
 これは水温の低下と共にナイロンという素材特性によって、硬度が高くなってしまうからです。夏期では何の問題もない柔軟度を示していたとしても、冬期の水温低下時期では、全く別物のような硬さになってしまいます。
 暖房の効いた自宅で針結びされていると気がつきにくいのですが、水温が20度と10度では倍ほどの硬度差が出てしまいます。
 あっ、先ほどの話とは矛盾するのですが、水温低下に伴ってナイロンハリスも冷やされますので、硬度が上がるかため硬いハリスとなってしまうのと同時に、実は強度も増すのも事実なんです。
 但しこれも誤解があっては困るのですが、硬度が増すということは柔軟度が減りますので、破断すのまでの猶予が少ないのも事実です。


 道糸用とハリス用では、この破断するまでの伸びに差があるように作られています。実際に引っ張ってみると解るのですが、道糸ではしっかりした張りを感じるはずですが、ハリスはビヨーンと伸びるはずです。これによって合わせ切れを防ぐように作られているのです。
 1度ハリスで仕掛け全体を作ったことがあるのですが、ビックリするほど良く伸びてしまって棚が安定しないのです。


 追加としてナイロンハリスとフロロカーボンハリスについて、ナイロンの方が柔軟度が高いのはその通りですが、フロロの硬いハリスをあえて使うことで棚を正確に計ることが出来ます。
 長スは食わせ用ですからそのままナイロンハリスを使う事として、短スをフロロにすると食いが落ちるかも知れませんが、短ス側を食ってくるのは確率的に少ないはずですから、少々の硬さは無視出来ると考えています。
 冬期であればあるほど正確な棚取りが出来ていることが絶対条件で、黒線の半分のような当たりが出たとしても、しっかりと浮きに反応が出せることになります。その為にも正確な棚取りとしっかりとしたなじみ巾を出すことで、小当たりも拾えて数が稼げると思うのです。
 誤解があっては困るのですが、そんな小当たりが出るのは吸い込み力が落ちているとは思わないことです。極々小さな当たりだったとしましても、上唇センターで釣れて来るのですから、口内にしっかり針が入っている証拠でもあるはずです。


 色々な話を綴りましたが、ナイロンハリスの特性をどのように読み解いて、どのような組み合わせするかは、それぞれの釣り師の考え方となるのでしょう。
 但し、冬期だけでなく夏期でも柔軟度の高いハリスが、カラツンも少ないと思っているのですが如何でしょうか。


 今年に限ってのことですが、1月も中盤になっているにも拘わらず今年はまだまだ高そうですから、ジャミもしっかりと当たってきますからカラツンも増えています。またうどんをそーっと引き寄せると小さくかじっている跡があります。ということはまだまだジャミが活発に動いているのですから、ヘラブナに対する厳寒期対策は早いのではないでしょうか。勿論池によって違いがありますので朝の水温を測ることは忘れないようにしたいですね。