両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 師走こそ腕の見せどころ

 歳と共に時の進む早さは駆け足で過ぎていくようで、暑い真夏が過ぎるのを待っている間に気がつくと師走が直ぐそこにやってきています。
 今年を振り返るにはまだ早いのでしょうがどんな1年だったのでしょう。今年のヘラブナ釣りは良かったと思えるかどうかは、実は12月の釣果に掛かっていると思うんです。春から夏にかけてどんなに釣果が良かったとしても、いや私の場合には夏場の釣果は落ちてしまっていたのですが、半年も前の良かった釣果の記憶を後生大事に持ち続けていても、12月の釣果が悪ければ駄目な1年だったって事になってしまいます。
 老い先短くなったヘラブナ釣り師ですから、少しでも良い1年だったと思いたいじゃないですか。毎週の釣行が楽しくて仕方なかったと現在進行形の嬉しさが、充実した老後を過ごせるってものだと思うんです。


 30年40年前のヘラブナ釣りを懐かしんでも今の楽しさには繋がりません。昔は良かっただなんて記憶も、現在進行形のヘラブナ釣りには何の役にも立たないのです。少しでも楽しい時間を過ごすためには、終わりよければ全て良しの通りで、師走の釣果が新春を迎える楽しさにも繋がるわけです。
 新春のスタートダッシュの勢いをもって、また新しい年が迎えられるとするならば、まさに人生に潤いを与える事となることでしょう。その為にも水温が下がり続けて難しい時期に釣果を伸ばす必要があるのですが、そうは簡単に釣れなくなるのですから困ったものですよね。


 そこで何をするかとなるわけですが、最近何度も書き出している事の続きとなるのですが、水温低下による低活性のヘラブナをどのようにして釣り上げるかです。
 仕掛けや餌も重要なのは間違いないのですが、それ以前の問題を解決しなければならないでしょう。


 水温の低下はヘラブナの食欲自体も落ちてしまいますので、そうは簡単に寄せたり食い気を持たせることは出来ません。出来ませんがそこは所詮魚ですから、1匹のヘラブナが餌を食う音を出しますと、我も我もと集まりだしてくるわけです。
 水中では、臭いの分散よりも当然音の方が早い伝達をするのですから、餌を食う音は最大の集魚効果があるわけです。しかし、それと同時に1匹のヘラブナが餌を食いだしてくれなくては困りますよね。
 そこで重要になるのが餌を打つ音です。海の磯釣りなどの経験をされている方は良くわかると思うのですが、餌取りが湧き出すとどんなに撒き餌で寄せておいて遠くに餌を打ち込んだとしても、その音でサーッと打ち込んだ餌に群がって餌を取られてしまいます。
 それだけ魚には学習能力が備わっている事の証明でしょう。


 じゃぁヘラブナ釣りに於いてはどうすべきかですが、この場合は当然釣り堀に限定した話で、野池ではどの程度効果があるかはわかりませんが、日々釣られている事によるヘラブナに備わった恐怖心よりも、釣り人によって打ち込まれている餌を学習していることになるはずです。釣り人が良く入るポイントは良く釣れるのがその証明ですよね。
 当然その時の餌打ちの音も学習していることになりますので、如何に音を響かせた餌の打ち方をするかとなるはずです。
 といっても、何も水面を無理に叩く必要はありません。極々普通にエサを打ち込み続けさえすればいい訳です。
 但し、落とし込み釣りでは小さな音になってしまいますので、振り切りの餌打ちが有効と思っています。当たりがあろうが無かろうが振り切りで餌を打ち続けることによって、聞きつけたヘラブナが音につられて寄ってくるわけです。寄った先には餌が待ち受けているのですから、それを食ってくれるとしめたもので(笑)。釣り人側の勝ちとなるはずです。


 この餌打ちの音はとても有効であると同時に、とても釣り難い時期もありますので、時期を間違わないことです。サーッと寄ってくる程の湧く時期は、静かに静かに落とし込み釣りをすべきでしょう。
 ただ隣にいる釣り師が集めたヘラブナもこちらに寄せてしまおうとの、邪ないや戦略的な考えで実行するのもアリだとは思っています。
 私のような朝もゆっくりとした出陣の場合は、既に周りの釣り師達が自分のポイントに寄せてしまった後になるわけです。その為にも横取りする必要があるのですが(笑)、如何に寄せるかの腐心することになります。


 餌打ちで音を響かせ続けるのは良いのですが、もう一つ気をつけるべき事としましては、真冬でもヘラブナを浮かせてしまうことがある事です。
 私の釣り方は底釣りですから浮かせてしまうと元も子もありません。ただ水深の浅い池であればそれ程気にする必要はないと思っていますが、2本半以上ある池では命取りになってしまいます。
 活性の高い時期では少々浮いたところで、泳ぎ回っていますので底にも餌を追ってくれますが、活性の落ちている時期はそうは簡単ではありません。水面とはいわなくても水底から30㎝程度上にいる場合も、とてもやっかいでその位置から水底の餌に向かせるのは並大抵のことでは無理でしょう。
 水温の層によってヘラブナが底に向かない場合はそれはもう大変な事ですが、餌の打ち方で浮いていたとするなら、極力水底まで餌が開かないようにしなければならないでしょう。


 私の場合は両うどんですから、団子餌のようなバラケ方はしないのですが、まぶし粉が水面や素早く剥がれすぎると、浮いてしまうことが多々あります。
 ただ悩ましいのはうどん餌の場合は、素早くまぶし粉が剥がれてくれることで当たりが出ますので、いつまでもまぶし粉が着いていては困るわけです。反対にまぶし粉が剥がれないからこそ当たりが遠いのですが、待ち釣りをする人はこのタイプではないかと思っています。
 私はせっかちですので釣れる釣れないは別としても、素早い当たりが欲しいものですから剥がれ時間も極力早いほうが良いわけです。が反面簡単に浮かせてしまって釣りにならないなんて事も起きてしまいますので、その中間的なコントロールが難しいと思っています。


 団子餌なら底釣り用の餌を使えばいい訳で、場合によっては凄麩のようなコントロールしやすい餌を混ぜることで、理想の餌作りが出来ると思いますが、グルテン餌だと基本的に開きが遅く、当たりすら貰えないなんて事になりかねないので、針付けのコントロールはなかなか難しいと思っています。
 底釣りでしっかりと針保ちをさせすぎると当たりが出ませんよね。もう少し早く餌が開いてくれるにはどうすれば良いのだろうと思うのですが、開きやすい餌を混ぜてしまうと簡単に浮かせてしまいますので、やはり底釣り用の餌でありながらも、開きやすい針付けの方法を取る必要があると思っています。


 ホンの少しの工夫がその時その時に出来るかどうかが、師走の寄せた後の釣り方だと思うのですが、コレに限るというような方程式も案外少ないですよね。色々と試す以外にはないのですが、試している間に時間切れになりかねません。


 年の瀬を上手く乗り切って新春の釣りへと結びつけたいものです。


 さぁ、もう少し頑張ってみましょうか。