両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 重い餌・軽い餌

 ヘラブナ釣りに於いて、餌が重いか軽いを気に掛けた事がありますでしょうか。団子の宙釣りなどでは毎回確認する事でしょうが、底釣りの場合は案外無頓着に釣っています。基本的に両針とも底にさえ着いていれば良いわけですから、餌や針を軽くする必要は全くないはずです。まして両うどんの底釣りの場合は、余計に餌の重さは気にならないのではないでしょうか。


 では餌が重いとどうなるのでしょう。また軽いと何が違うのでしょうか。


 まず始めに餌が重いとはどういうことでしょう。私は基本両うどんの底釣りですから重いも軽いもないはずですが、食用うどんとワラビうどんではどちらが重いのか軽いのか、単純に素材比較すると間違いなくワラビうどんの方が重いのです。この場合の重いとは当然の如く比重が重い事を意味します。単純重量はサイズに比例しますので今は無視しておきます。


 ワラビうどんと一様な表現をしていますが、デンプンで作ったうどんの総称として使っているのであって、現実的にはコーンスターチや片栗粉、タピオカなどのデンプンを配合して作られています。釣具店で市販されているワラビうどんもその配合した結果であって、1つの種類で作られている事は先ずないと思っています。
 ではどうして単一ではなくて混ぜているのかについては後述することと致します。


 デンプンは米や麦にコーン、いわゆる種子に約70%もの高単位で含まれているのですが、安く出回っている片栗粉の原料は片栗粉と表示されていますがカタクリの粉ではなくてジャガイモのデンプンです。そのジャガイモのデンプン含有量は多くても20%程度しか含まれていませんのでとても少ない事がわかります。


 料理をする方は良くわかると思うのですが、デンプンを水に溶くと簡単に混ざってくれますが、溶解しているわけではありませんのでそのまま放置して1~2分置く事で、全てのデンプンが沈澱してしてしまいます。つまりデンプン質は水より重い事を意味します。このデンプンの比重は1.65もありますので、水より相当重い事がわかります。


 食用うどんは小麦粉で作られています。冷凍うどんには小麦粉にデンプンを混ぜて作られていますので、一般的な茹でうどんよりデンプン質が多いために重く仕上がっていますが、うどんの材料である強力粉の比重は0.68ですから、水に浮く程軽いという事になります。


 勿論小麦をそのまま使うのではありません。うどんの製麺には塩やデンプンそして水分が含まれますので、水に浮く事なく沈んでくれます。またデンプンの含有量が多い冷凍うどんは依り重く仕上がっています。


 よく誤解されているのが食用うどんよりワラビうどんの方が軽いとのことです。勿論デンプンで作ったワラビうどんは、デンプンに加水して温度を高める事で膨張しますので、結果的に体積割合が増えて軽く仕上がるのですが、どの程度まで膨張させるかは高温のまま絞り出す速度で調整が出来ます。
 絞り出し速度が速ければ速い程膨張するという面白い性質を持っています。実験されるとわかるのですが、極端に膨張してしまうと針から落ちてしまう事になりますので、絞り出し口の大きさと速度の調整が必要ですが、膨張させればさせる程軽いうどんが作れる理屈になります。


 また硬いうどんより柔らかいうどんの方がデンプン含有量が減りますので、結果として軽いうどんに仕上げる事が出来ます。


 実はデンプンの原材料によってこの膨張率が違っています。膨張率を上げるには絞り出し速度とは関係なく、使用デンプン原料でも調整することが出来ます。その為に市販されているワラビうどんの素は数種類混ぜ合わされている事になります。


 原料の違いによるデンプンの糊化温度は著しい違いがあります。一番の粘度が高いのがジャガイモのデンプンです。一般的な料理にトロミをつけるのに使われるのですが、それは極少量でトロミがつく事に起因します。結果として片栗粉(ジャガイモデンプン)で作ったうどんは軽く仕上げる事が出来ます。
 反対に重く仕上げるためには、粘度が低いコーンスターチで作ったうどんが重く仕上がるのですが、つまりコーンスターチでうどんを作るためには片栗粉に比べて多くのデンプンが必要となるため、結果として重く仕上がる事になります。


 粘度数値で比較しますと、片栗粉は1028BUに対してコーンスターチは260BUしかありません。サツマイモデンプン(わらび粉として市販されている)では683BUです。今流行のタピオカは340BUですから、比較的重く仕上がる事になります。
 これに温度による粘度曲線を加味していくのですが、頭がそろそろパニックになりますのでこの辺にしておきます(笑)。


 実はデンプンの種類によって老化速度が違っています。老化とはデンプンが元に戻ろうとする状態を指すのですが、老化が早いデンプンで作ったうどんは、冷蔵庫保管すると硬くなってしまいますので、釣りには使えなくなってしまいます。釣行日の朝に作った場合はそれ程気にしなくて良いことになりますね。


 あっ餌の重さばかりの話になっていました。横道に逸れるのはいつもの事とお許し下さい。


 肝心の餌の重い軽いによって何が変わるかですが、なぜだかわかりませんがヘラブナは、餌の重さ軽さによって餌に対する当たりの違いが出てくる事です。比較的としかいいようがないのですが、重い場合は食わなかったりカラツンになったりする事です。これはいったいどうしたことなんでしょう。
 単純にワラビうどんを作った場合も長竿では飛んでしまう程の柔らかいワラビうどんでは、カラツン率が極端に減ってくれるのです。硬いうどんつまり重いうどんは、カラツン率が明らかに高くて当たりも減ってしまう事です。


 ヘラブナにとって触ってみなければわからない餌の重さや硬さのはずが、結果として当たりの違いとして現れると実感しています。これはうどんだけの話ではなくて、団子餌でも同じ事がいえると思っています。
 水分量を減らした硬い団子、エアーを抜いて硬く締まった団子ではカラツン率が高く、当たりが出ないかなかなか当たってくれない経験をしています。勿論これには重さだけでなくバラケ性も大いに起因しているのは間違いないのですが、浮く程の軽い団子の場合の方が当たりが多く貰える経験をしています。


 そういう意味では、底釣り用の団子餌より宙釣り用の団子餌をバラケ難く作る事で、早い段階から当たらせる事が出来、また食い当たりも活発にでるようになります。またグルテン餌の方が一般的団子より軽いですから、誰も釣れないときに爆釣する事も多々出てきます。


 両うどんの場合も出来るだけ柔らかく仕上げ、軽さも追求した餌にアタックが多いと思っていますが、時期を間違うとヘラブナやジャミに揉まれてしまい釣りになりません。あくまでもこれからのシーズンの水温の低下が現れる時期の話です。


 ここまでの話を書いていまして、私の好きな重い針との整合性がとれなくなってしまいました(笑)。重い針は結果として重い餌に繋がりますよね。そうするとカラツン率が高くなり当たりも遠くなるはずですが、重い針を使う理由は水底に餌を落ち着かせるためです。
 つまり水の流れやヘラブナが起こす水流によって、餌が巻き上げられる事を嫌うからです。
 水底に横たわるくらいの落ち着いた状態だからこそ、ヘラブナは安心して食ってくると思っているのです。
 おっと!ここでまた矛盾した話を付け加えますと、ヘラブナは誘いを掛けると食ってくる事です。となると落ち着いた餌ではなくて動いている餌にこそ食いつくのではないかとなるのですが・・・・



 良くわからなくなってきましたねぇ(笑)。仕方ない寝ないで考えて見ましょうか。釣行を繰り返す事で何か答えが出るのかどうか・・・・。


 健闘を祈ります!!